「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
2009年2月28日 八ッ場あしたの会フォーラム
「見直そう八ッ場ダム、つくろう生活再建支援法」

                        河登一郎

2月28日(土)の午後東京神田一ツ橋の教育会館で、首記のフォーラムが開かれました。「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」と「八ッ場あしたの会」の共催です。予想を上回る参加者が集まったため、予定した部屋に入りきらず、立ち見がでるほどの盛況でした。
約80名。
八ツ場支援のために

1.群馬県会議員あべともよさんの司会で、議員の会関口代表が
  「子孫に負の遺産を残さないために頑張ろう」
  と力強く開会を宣言されました。


2.現状の問題点報告:
  嶋津さんが要領よく整理して報告されました。
  要点は以下のとおり。

 (1)工事の現況:
  現在付替国道・
   付替鉄道など工事は進行中で、国交省の予定では
   2015年完成となっているが、実態は多くの面で相当遅れている;
   工期の再々延長・事業費増額・地元住民の犠牲増大が予想される。

 (2)運動の広がり:
  各地での訴訟、あしたの会の活動のほか、
  「1都5県議会議員の会」が超党派で結成され、
  ダムの必要性を徹底的に検証することになりました。
  国会では野党各党が選挙公約として
  「八ッ場ダム中止」と「現地生活再建」を掲げた。

 (3)工事中止が急務:
  毎年巨額の公金がつぎ込まれ、
  現地の自然が凄まじい勢いで破壊されている;
  地元住民の生活・精神状態がギリギリまで追い詰められている。

 (4)行政は早くても来年後半の工事で
  まだ予算もついていない本体工事の入札広告を行い、
  既成事実化をはかるなど悪あがきを始めた。

 (5)現地住民の生活再建問題:
  地元団体から、国交省などに対して
  「今さらダム中止は地元住民を無視している。
  早期完成(及びそれに伴う生活再建策の実行)を望む」
  趣旨の要望が出されているが、
 
  多数住民の本音:声なき声は、
   ①ダムは完成しても中止になってもああまり関係ない、
   ②現地住民の生活再建が喫緊の課題である。

 (6)ダム中止後の生活再建支援法制定:
  今やこの重要性についての認識は下流都県でも深まっており、
  野党連合による具体的な内容を伴う法案制定が急務である。

3.現地から:

 (1)渡辺洋子さんから、
  今まで現地住民が出してきた早期完成や補償に関する要望に対して、
  建設省や群馬県から前向きな回答が出されていること、
  しかし、現実には実行されていないとの報告がありました。

 (2)長野原町会議員牧山氏からは、
  国交省が示した今後の予定は具体的な裏づけがなく、
  数年は遅れる見込みだが、その間地元での生活は極めて厳しいこと、
  4,600億円で収めるためにダムを設計変更して
  コンクリートの量を極端に減らしている
  (18mの厚さから3mへ;
  国交省は「岩盤が予想より硬いためと」と説明している)ことの怖さと
  財政的にも今後繰り出し金負担が激増する見込み
  などの実情を訴えられました。

4.国会議員3氏からの主張:

 (1)民主党大河原議員:
  野党共闘で「生活再建支援法」を6月末までに提案し、
  なるべく早い機会に制定したい、
  そのためにも政権交代が重要であること、

 (2)共産党塩川議員は、
  流域住民が主人公であることの重要性を再認識した、

 (3)社民党保坂議員:
  現在国会では、景気対策として公共事業全開ムードだが、
  従来型事業ではなく生活に結びついた事業への質的転換が
重要であること。

 など力強い意見が表明されました。

5.1都5県議会議員の会

 角倉事務局長より会員数はその後若干増えて
 65名になったとの報告がありました。
 そのうち当日参加者は12名・・・
 東京都:3名、埼玉県:4名、千葉県:2名、群馬県:3名。
 それぞれの発言は省略しますが、
 やはり当面今年予想される3大選挙
 (3月29日千葉県知事選;7月都議選;
 早ければ5月遅くとも9月には衆議院議員選)への取り組みと
 生活再建支援法制定・具体的な実行が重要であることが
 口々に表明されました。

 菅埼玉県会議員から、雨水を積極的に活用することで
 利水・治水両面(及び雇用面)で効果が期待できることを、
 埼玉県議有志が協力して専門機関に検討依頼していることを
発表されました。 云わば<水資源の地産地消>の発想です。
 
 最後は事務局長の角倉群馬県会議員が締めくくりました。

全体を通じて、
従来ともすると上流住民と下流都県民の間に一体感が乏しいといわれてきましたが、今日のフォーラムを見る限り共感できる場面や協力可能分野が多いことをお互いに実感できたと思います。
この動きの拡がりを期待したいと思います。

【2009/04/20 23:21】 | 討論会
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