FC2ブログ
「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
        嶋津 暉之

会計検査院が全国の河川改修事業による堤防の整備状況を調べたところ、高さが不足している堤防が二十数カ所あることが分かりました。
この調査結果について朝日新聞の記事二つとNHKのニュースを紹介します。

会計検査院のHPにはまだ、その報告が掲載されていないので、詳細は不明ですが、高さ不足の堤防が二十数カ所で済むとは思われません。どのような数え方をしているのでしょうか。

この問題はともかく、国交省はダム建設を優先し、堤防整備を後まわしにするような河川行政を続けてきています。

2015年9月の鬼怒川水害は、国交省が上流に四基の大型ダムを建設する一方で(最後の湯西川ダムは2012年完成)、下流部の河川改修をなおざりにしてきたことによって引き起こされたものでした。

今年7月下旬と8月下旬に起きた秋田・雄物川の氾濫も、国交省が上流で成瀬ダム(総貯水容量7,850万㎥、2024年度末完成予定)の建設にまい進する一方で、雄物川中下流部において流下能力が極めて低い状態を放置してきたことに起因するものです。
起きるべくして起きた氾濫でした。

この問題を成瀬ダム差し止め住民訴訟で証言しましたが、残念ながら、判決には反映されませんでした。

◆堤防、不完全20カ所超 豪雨時、水害の恐れ 途切れや高さ不足 検査院調べ
(朝日新聞2017年10月27日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13200382.html

 全国の河川改修事業による堤防の整備状況を会計検査院が調べたところ、途切れていたり高さが不足していたりして堤防の役割を十分に果たせない恐れのある場所が、計二十数カ所あることが分かった。豪雨の際に水害が発生する危険性が高いとして、検査院は国土交通省に事態を早めに解消するよう指摘する。

 国交省と各自治体が進める河川整備計画は、過去の豪雨時の水位や流域人口などを勘案して堤防の高さを定めている。検査院が指摘する二十数カ所の整備事業には約500億円が投じられている。

 検査院が進行中の河川改修事業を調べたところ、関東や東北、九州、四国、北陸、中国の地方整備局管内の事業で、一部の区間だけ堤防が完成していない場所が10カ所以上見つかった。また、河川に橋が架かっているため、計画した堤防の高さまで「かさ上げ工事」ができない場所も約10カ所あった。こうした箇所のなかには、豪雨の際に実際に洪水の被害が発生した場所もあった。

 整備が進まない主な原因は、堤防が途切れているケースでは必要な用地の買収ができないことで、高さが足りないケースは橋のかさ上げ工事に高額な費用がかかるためだった。

 検査院は国交省に対し、関係者との協議を進めるよう指摘するほか、自治体に早期完成を促すよう助言することを求める。

 ■430メートルだけ土嚢…川あふれた 用地買収・工事費、壁に

 秋田県南部に位置する大仙市。河畔で行われる「大曲の花火」で知られる雄物(おもの)川は、たびたび水害に見舞われる。今年7月の豪雨でも、堤防の数カ所で水が氾濫(はんらん)し、市内の住宅852棟で浸水などの被害が出た。

 その雄物川の中流域に、造成が済んだ堤防に挟まれて約430メートルにわたって土嚢(どのう)を積み上げた仮設の堤防が続く区間がある。完成済みの堤防より2~3メートルほど低く、幅が狭い。7月の豪雨ではこの場所からも川の水があふれ出た。

 堤防の計画地の脇には企業がある。当初、この企業が移転したあとで堤防を完成させることになっていた。しかし、企業の移転先が見つからなかったため、国は造成に着手できなかった。企業は来春にも移転するめどが立ったが、堤防の完成には移転からさらに1~2年かかりそうだという。

 人口が集中する首都圏でも、同様に不完全な堤防が見つかった。

 埼玉県から東京都内を流れる荒川。川にかかる橋によって計画通りの堤防の高さが確保できていない場所が埼玉県内にある。堤防を高くするには橋のかけ替えが必要だが、工事費用などがネックとなって整備できていないという。

 荒川では、先行してかさ上げ工事が進む橋もある。京成本線が通る橋は周辺の堤防より約3・7メートル低く、2004年度から橋をかけ替える事業を進めている。総工費は現時点の概算で約400億円。しかし、用地買収はこれからで、工事が本格化するのはまだ先になりそうだ。

 国土交通省荒川下流河川事務所によると、低い橋がかかっていて堤防の高さが足りない場所では、橋の周囲に応急的にコンクリートの壁を設置し、水が堤防を越えないように対策を進めている。しかし、橋の上には壁をつくれないため、いざという時は土嚢を積んで浸水を防ぐしかないという。(小林太一、末崎毅)

 ■急場しのぐ策を

 京都大学防災研究所の中川一教授の話 堤防にすき間があったり、十分な高さがなかったりするなら、持ち運びができる仮設の堤防を増水時に配置するなどして急場をしのぐための対策を進めるべきだ。用地の買収にあたっては、堤防をつなげることで多くの命や財産を守れることを地権者に伝え、協力を得ることが大事だろう。


◆「大曲の花火」雄物川に不完全な堤防 7月に氾濫
(朝日新聞2017/10/27)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171026-00000068-asahi-soci

計検査院は国土交通省に事態の早期解消を求める。

 秋田県南部に位置する大仙市。河畔で行われる「大曲の花火」で知られる雄物(おもの)川は、たびたび水害に見舞われる。今年7月の豪雨でも、堤防の数カ所で水が氾濫(はんらん)し、市内の住宅852棟で浸水などの被害が出た。

 その雄物川の中流域に、造成が済んだ堤防に挟まれて約430メートルにわたって土囊(どのう)を積み上げた仮設の堤防が続く区間がある。完成済みの堤防より2~3メートルほど低く、幅が狭い。7月の豪雨ではこの場所からも川の水があふれ出た。

 仮設の堤防のそばに住む高橋絹子さん(63)は自宅玄関が水没し、押し寄せた水で庭の小屋が流された。「怖かった。堤防が途切れていなければ、すごく安心できるのに」。


◆全国の堤防 約20か所でかさ上げ不十分 会計検査院
(NHK2017年10月26日 18時59分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171026/k10011199031000.html

洪水対策を目的とした堤防の改修工事が進められている全国の川のおよそ20か所で、堤防の高さのかさ上げが不十分であることなどが原因で増水した際に水があふれるおそれがあることが会計検査院の調べでわかりました。

大雨による川の氾濫などの被害額は、ここ数年、年間3000億円を超えていて国土交通省は、毎年4000億円をかけて、全国の堤防の高さをかさ上げしたり川幅を広げたりするなどの対策を進めています。

会計検査院が対策の状況について全国800余りの川の堤防を抽出して調べたところ、およそ20か所で、堤防の一部がかさ上げされず低いままになっていたり、川が一部だけ拡幅されないままになっていたりして、5年以上にわたり水があふれるおそれがある状態になっていたことがわかりました。

このうち埼玉県内の荒川では、高さおよそ7メートルの堤防をおよそ10メートルにかさ上げする工事が進められていますが、古い橋の周辺だけがかさ上げされないままになっています。

ほかの場所でも古い橋が残っていたり周辺の土地を取得できなかったりしたことが、原因で堤防のかさ上げや川の拡幅ができていないということです。

背景には、橋を架け替える部署との連携不足や地権者との合意形成が難航していることがあるということで、検査院は国土交通省に対し改善を求めることにしています。

国土交通省は、NHKの取材に対し、「改修には時間がかかるため危険性の高い場所から順番に進めざるをえないのが現状だ。関係部署との連携などについては一層努力していきたい」としています。
堤防低い部分で水あふれる被害
古い橋があるために堤防が低くなっている部分から水があふれる被害は最近も起きています。

滋賀県長浜市の姉川では、ことし8月、台風による大雨で増水し、古い橋があり堤防が低くなっている部分から川の水があふれ、およそ20棟が浸水する被害が出ました。この橋は昭和8年につくられましたが、橋の部分だけが周りの堤防よりも1.5メートルほど低くなっていたということです。

この部分の対策として、大雨で増水するおそれがある場合には、住民たちが角材を積み上げて「せき」をつくり、水があふれるのを防ぐことにしていましたが、8月の台風では、水位が急激に上昇したため、間にあわなかったということです。
専門家「防災上 大きな問題」
堤防の整備に詳しい京都大学防災研究所の多々納裕一教授は「古い橋の周辺で堤防のかさ上げなどができていないことは防災上、大きな問題だ。洪水が起きやすい場所は緊急に対策を講じる一方で、そうでない場所は、堤防が低くなっている部分を閉鎖する「陸閘(りくこう)」と呼ばれる設備を整備し、とりあえずの対策をとることも一つの方法だと思う。抜本的な対策としては、堤防や橋の整備だけでなく、周辺の都市計画も含めて検討する必要があり、国土交通省内部の複数の部署をまたいだ取り組みが重要になる。河川を管理している国土交通省は、工事を行うべき場所の優先度を把握しているはずなので、ロードマップを作るなどしたうえで、市民も巻き込んで幅広く議論していくことが求められる」と話しています。
 


追記を閉じる▲

【2017/10/28 11:31】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
         嶋津 暉之

京都市の井戸水についての記事を参考にご紹介します。

◆京都の味、決め手は井戸水 食文化育んだ地下の巨大ダム
(京都新聞2017/10/21(土) )
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171021-00000000-kyt-cul

江戸後期に創業した生麩(ふ)の老舗「麩嘉」(京都市上京区)には三つの井戸がある。
精進料理に欠かせない生麩づくりは、小麦粉から原料のグルテンを取り出し、冷やす作業に大量の水が必要だ。

■定温で良質
 京都市は「水道水はおいしい」とアピールするが、生麩づくりには井戸水が最適。味を邪魔する鉄分が非常に少ない。水温が高すぎると腐りやすく、低すぎると固くなって食感は崩れるが、年中15・8度と安定している。
 「先代たちはこの水があるから、ここで生麩を作り始めたんやないですか」。長男に経営を譲った6代目主人の小堀正次さんは恵みに感謝する。
 琵琶湖疏水によって水利用は大きく変化したが、市内には飲料井戸がまだ2288カ所残る。届け出制度が異なるため正確には比べられないが、横浜市の91、大阪市の27カ所と比べてダントツに多い。
 京都の地下水を研究する関西大前学長楠見晴重さんによると、京都盆地には琵琶湖の水量に匹敵する水が地下に眠る。水の出口は天王山(大山崎町)と男山(八幡市)間の1カ所で水がたまりやすく、「巨大ダムが地下にある。中心部でも堀川通の東側は砂の層が幾重もあり、金属や有機物の少ない良質の水を生んでいる」。

■市民が闘った歴史
 地下水を守るため、市民が闘った歴史もある。1928年に近鉄京都線を開業した奈良電鉄(当時)は当初、伏見区大手筋付近を地下化する予定だった。旧陸軍や京都府が求めたとされるが、これに「酒の質が落ちる」と伏見酒造組合が猛反発。井戸水の水量低下を恐れた住民運動も起こり、現在の高架式に変わった。
 酒造会社「月桂冠」(伏見区)の田中伸治さんは「ミネラル分が比較的少ない伏見の酒は、灘の『男酒』に対し、口当たりが柔らかい『女酒』と呼ばれる。体を張った先人の気持ちは良く分かる」と話す。
 京都の食文化を支える地下水だが、課題にも直面している。かつては数メートル掘ればきれいな水が湧き出たが、現在、麩嘉も月桂冠も求める質の水を確保するのに深さ50メートル以上も掘っている。水質の悪化が指摘され、京都市を含め大都市部では、安全面から住民に井戸水を飲用しないよう呼び掛けている。
 また、無料の地下水を利用する商業施設などが増え、地盤沈下や水量減少への懸念から、城陽市などでは取水を制限している。やがて、京都市もそうなりかねない。
 「京の井戸は京料理や市民の暮らしと密接につながっている。京都市が規制に踏み切れば、文化の衰退を招く恐れもある」。味を守るには、水を守らなければならない。楠見さんはそう警鐘を鳴らす。


追記を閉じる▲

【2017/10/22 23:08】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
            嶋津 暉之

九州豪雨から3カ月経ちました。
大きな被害が出た大分県日田市の現状を伝える記事です。

◆「安心して暮らせる日は…」なお続く避難 中心部へ移る、苦渋の決断も
 九州豪雨被災、大分県日田市

(西日本新聞 2017/10/6(金) 12:13配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171006-00010005-nishinpc-soci

九州豪雨から5日で3カ月を迎えた。大規模な土砂崩れや川の氾濫で大きな被害が出た大分県日田市の小野地区や大鶴地区では復旧工事も進み、住民生活も徐々に日常を取り戻す一方、今も避難を余儀なくされ、「戻りたいが二次被害が怖い。安心して暮らせる日は来るのか」と複雑な思いを抱える人も多い。

小野地区では、大規模な土砂崩れで川がせき止められ「土砂ダム」が出来た。ダムは解消し仮設道路も開通したが、同地区鈴連町では今も96世帯のうち24世帯がみなし仮設住宅や公営住宅などで暮らすという。

山本省悟さん(66)もその一人だ。大規模土砂崩れ現場から約200メートルの小野川沿いの自宅は被災を逃れたが、生活排水を処理する装置が壊れて住めなくなり、市内のみなし仮設住宅に移った。キュウリやトマトがたわわに実っていた近くの畑の一部は濁流にのまれた。「孫と食べるのを楽しみにしていたが、何も無くなった」
自宅からの風景、旧友と遊んだ通学路は無残な姿に変わった。それでも心を奮い立たせ、週末ごとに家の片付けや残った畑での農作業に努めるが、むき出しの山肌に不安は募る。「かけがえのない古里。いつかは帰りたい。再び土砂崩れが起きないような復旧を」と望む。

浸水被害を受けた小野地区の小野小には今も、子どもたちの声は戻らない。校舎の復旧工事は終えたが、通学路の安全が確保できず、児童は地区外の戸山中での授業が続く。冷川善幸校長は「保護者と協議し、児童の安全を最優先に再開を判断したい」という。

「交流や話し合いの場を」

大鶴地区の上宮町は、全35世帯のうち8世帯が自宅に戻れないでいる。大工の森山義則さん(64)は、妻と次男とともに7月下旬、町内を出て地区内の空き家に引っ越した。

裏山からの泥水などで自宅は半壊、大工道具も流された。ボランティアの手を借りて片付けはしたが、裏山は崩落の恐れがあり、強い雨のたびに自宅は浸水する。「離れたくない。でも不安の中で生活しても心が休まらない」と苦渋の決断をした。年内には市中心部へ移ることも検討している。

市は「地域内移転」を含めた生活再建の支援策を探っているが、結論はまだ先になりそう。上宮町の高齢化率は50%超。地域離散が進めば災害時に欠かせない「共助」の力は低下する。自治会長の藤井隆幸さん(68)は「絆を守り地域を維持するため、自宅から離れて暮らす人たちとの交流や話し合いの場をつくりたい」と話した。

農産物直売所、2カ月半ぶりに再開

復旧復興は道半ばだが、住民たちは日常生活を取り戻そうと、力強く歩みだしている。

大鶴地区大肥本町の農産物直売所「やさい工房沙羅」は5日も朝から客が次々に訪れ、店内は活気にあふれた。濁流が流れ込んで営業休止していたが、9月下旬、2カ月半ぶりに再開。運営する大鶴まちづくり協議会の藤井安之会長(77)は「地域の復旧復興を後押しする場にしたい」と意気込む。「ここは知った人とも話ができるからうれしい」。野菜を持ち込み、買い物を済ませた平川操さん(79)はようやく戻った日常に笑顔を見せた。

大鶴地区大鶴町の老舗蔵元「井上酒造」は5日、自社の田んぼで特別純米酒「百合仕込み」用の酒米の収穫を行った。作業には同地区でボランティア活動を続ける名古屋市のNPO法人職員松山文紀さん(45)ら20人が参加。「地元の会社が元気を取り戻すことが地域の元気につながる」(松山さん)との思いからだ。

同社は、裏山から襲った山水で資材や設備に大きな被害を出したが、田んぼは奇跡的に生き残った。同社専務で「百合仕込み」を手掛ける井上百合さん(52)は黄金色に実った稲穂を眺め「今までで一番の出来」と目を細める。「この3カ月、必死で走ってきた。周囲への感謝を忘れず、これからも酒造りに向き合っていく」と力を込めた。


追記を閉じる▲

【2017/10/09 07:37】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
        嶋津 暉之

今年7月の九州北部豪雨では大量の流木が発生し、被害を拡大しました。
この流木の回収作業が難航しています。

◆山の流木回収難航 作業に手間、二次災害懸念 九州豪雨3ヵ月
(西日本新聞2017年10月05日 06時00分)
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/363682/

九州豪雨では大量の流木発生が被害を大きくしたが、福岡県内ではその撤去が難航している。20万トン超(ダム内を除く)とされる流木を、県は2019年3月までに処理する計画を立てているものの、山間部を中心に回収に時間がかかっている。作業が長引けば台風や大雨で下流域に流れ出す二次災害の懸念も大きくなるが、課題は多い。

大分自動車道・朝倉インターチェンジから、山側へ約3キロ入った福岡県朝倉市の妙見川上流部。雨に見舞われた2日、九州豪雨で岸辺が削られ川幅が数十メートルに広がった川底で、5台ほどの重機がうなりを上げた。

川底には、豪雨でなぎ倒され押し寄せてきた大量の流木が土砂に埋もれている。幅10メートルほどで蛇行する濁り水の脇で、重機が流木を掘り出し、大型ダンプで搬出する作業が続く。

「木材を搬出するだけの作業に比べると効率が格段に悪い」。重機を操縦していた男性作業員はそう言い、汗を拭った。

□ □

県は流木20万トン超のうち、国道沿いなど国処理分などを除いた7万トンを県処理分と想定し、補正予算を組んで回収を実施。しかし9月末時点でも約4万トンの回収にとどまっている。朝倉市は未集計で、東峰村は約6割を回収できたと推計しているが、まだ全体で数万トン以上の流木が被災地に残っているとみられる。
さらに、これまで回収が済んだのは幹線道路沿いや平地に近い場所にある河川敷が中心。今後は妙見川上流部のような山間部、急傾斜地などで進められ、これまでよりスピードが遅くなることが予想される。

そもそも20万トン超の推計量は、被災地の二つの河川を撮影した航空写真で見つかった流木の範囲を基に算出されている。地中に埋まった流木は基本的に数えられておらず、処理すべき量が増える可能性もある。

□ □

回収後の流木は、県が既に処理、活用方針を公表している。

計画では、まず県内12カ所の1次仮置き場に集積。10月中旬からは、筑後市の下水道施設「矢部川浄化センター」の敷地に確保している2次仮置き場に運び出す。ここに破砕機を設置してチップ化し、火力発電などに11万トン▽セメント燃料・原料用に3万トン-として有効活用する。このほか焼却(チップ化)は6万トン、木材のまま利用が0・5万トンと見込んでいる。

チップなどの受け入れ先は、県の呼び掛けに九州内の31カ所の施設が応じており、19年3月末までに処理を終える予定だ。

一方で、31施設のうち、どこに、いつから受け入れてもらうか、運搬方法をどうするかといった具体的な計画は「今まさに詰めている段階」という。県は運搬費、処理費などで約65億円を計上しているが、処理量が増えれば、費用がさらに膨らむ恐れがある。

県は、65億円でも不足する場合、新たに予算を組んで対応する方針。ただ流木撤去が終わらなければ、河川や道路の復興工事が進まない面もあり、県廃棄物対策課の担当者は「流木撤去は優先事項で、処理完了時期をずらすつもりはない」と強調する。

=2017/10/05付 西日本新聞朝刊=


追記を閉じる▲

【2017/10/09 07:20】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
          嶋津 暉之

100年前の淀川の堤防決壊を振り返った記事をお送りします。
淀川の現状がどうなっているのか、現在進行中のダム事業が本当に必要なのか、住民の安全を守るために何が必要なのか、などの問題意識のない記事です。

◆淀川の堤防決壊、大洪水から100年 大阪・高槻で催し
(朝日新聞2017年9月29日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK9T53FGK9TPTIL01L.html

 100年前の1917(大正6)年10月、大阪府で淀川が決壊し、広範囲で浸水する大洪水が起きた。堤防が切れた高槻市の地名にちなみ、「淀川大塚切れ」と呼ばれる水害だ。発生した1日には、市内で式典とシンポジウムが開かれ、備えの大切さを訴える。

【特集】災害大国 被害に学ぶ
「千年に1度の豪雨」発生したら… 淀川水系の想定公表

 洪水は台風に伴う大雨で淀川の水位が上昇し、現在の同市大塚町3丁目付近で約200メートルにわたって堤防が切れて発生。浸水は、大阪市西淀川区までの淀川右岸一帯の約59平方キロメートルに及んだ。当時の大阪府警察部によると、被害は死傷者・行方不明者約30人、全半壊や流失した家屋約600戸、床上・床下浸水約1万6千戸に上った。

 水害の教訓を生かし、堤防を高くしたり強化したりしたほか、上流のダムで流量を調節できるようにした。その結果、府内を流れる淀川では堤防の決壊による洪水は起きていない。

 しかし、一昨年9月には茨城県で鬼怒川が決壊するなど全国で豪雨災害が多発。国土交通省近畿地方整備局が今年6月に公表した想定では、千年に1度の規模の大雨に見舞われ、淀川と木津川、桂川で洪水が起きれば、浸水面積は265平方キロメートルに及び、大阪府と京都府の計27市町で被害が出るという。
 そのため、高槻市など淀川流域の自治体と近畿地整は、大水害から100年に合わせ、洪水に備える意識を高めてもらおうと催しを企画した。同市下水河川企画課の担当者は「淀川は100年間決壊しておらず、住民には『水害はない』という安心感がある。住んでいる場所のリスクを把握し、命を守るため何が必要か考えてほしい」と話す。

 10月1日は、堤防が切れた時刻の午前8時半から、同市大塚町3丁目の淀川右岸堤防上に立つ洪水記念碑前で式典が開かれる。午後1時半からは高槻現代劇場(同市野見町)で、NPO法人気象キャスターネットワーク理事長の藤森涼子さんの講演やパネル討論がある。問い合わせは同課(072・674・7432)。(千種辰弥)

     ◇

 大阪朝日新聞は洪水が発生した翌日の1917年10月2日付で、被害の状況を以下のように報じた。

 一日午前九時府下三島郡大冠村大塚の大堤防一度決潰(けっかい)するや東は大冠村字野田より北は院線高槻駅付近西は芥川の堤防に至るまで上三島の沃野(よくや)は忽(たちま)ち水勢に甜(な)められて見る見る一面の大海と化し浸水今や頂上に達せんとす


追記を閉じる▲

【2017/10/01 00:55】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |