「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
八ッ場あしたの会11回記念講演会のお知らせです。
永年地方自治の現場を取材してきたジャーナリストの相川俊英さんをお招きして、ダム問題の視点から地方自治についてお話ししていただきます。

2017年2月5日(日)  午後1時半~3時半(開場1時15分)
浦和コミュニティセンター 第15集会室
JR線 浦和駅東口 駅前 浦和PARCO コムナーレ9階
相川 俊英 氏(ジャーナリスト)講演
「地方が変わらない限り、変革はありえない」


※画像をクリックするとPDFが開きます
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【2017/02/05 23:48】 | お知らせ
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佐世保で田原総一朗さん司会のシンポジウムがあり、石木問題も取り上げあられました。
石木川まもり隊のブログには丁寧な報告が出ています。
推進派の市議とパタゴニアの辻井社長の両方の水需要予測の違いをご覧ください。
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◆長崎)佐世保の未来を議論 田原総一朗氏らがシンポ
(朝日新聞デジタル 2017年1月11日)
http://www.asahi.com/articles/ASK1B44R9K1BTOLB009.html

 佐世保市の未来について考える「ふるさと共創シンポジウム」が9日、アルカスSASEBOであった。ジャーナリストの田原総一朗氏が司会を務め、市内外から参加したパネリスト4氏が人口減少対策や石木ダム問題などを巡って意見を交わし、市民ら約450人が聴き入った。
(中略)
 石木ダム問題では、市議の橋之口裕太氏が「市の水需要予測は全国平均よりも低く、必ずしもでたらめではない」と主張したのに対し、議論が尽くされていないとして反対地権者を支援しているパタゴニア日本支社長の辻井隆行氏は「事業を推進する立場の方がこうした議論に応じるのは意義がある」などと話した。(具志堅直)

◆ふるさと 未来 石木ダム - 石木川まもり隊
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/636318da7484ed11191459925c187b3d







【2017/01/15 01:11】 | 石木ダム
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           嶋津 暉之

東京新聞の1月9日(月)の社会面に石木ダム反対を支援するいとうせいこうさんの記事が出ました。
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佐賀新聞(共同通信)の記事は、石木ダムの見直しを求める活動の様子がよくわかる良い記事だと思います。

◆長崎県・石木ダム計画見直し、著名人が力添え
ラジオ番組やライブ
(佐賀新聞2017年01月12日 16時55分)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/394632

 長崎県の石木ダム計画(川棚町)の見直しを求める活動に、クリエーターのいとうせいこうさんや音楽家の小林武史さんといった著名人が加わっている。

環境問題に取り組むアウトドア用品メーカーの「パタゴニア」も新聞に意見広告を出すなどして議論を呼び掛け、水没予定地に残って反対を続ける住民へ力添えの輪が広がっている。

 石木ダムは石木川が流れ込む川棚川の洪水防止と、川棚町に隣接する佐世保市の安定した水源の確保を主な目的として、2013年に国が事業認定した。

 だが、予定地の13世帯約60人は「河川改修で治水対策はできる上、人口減少で水需要も減り、ダムは必要ない」として移転を拒否。美しい棚田やホタルが舞う清流など「日本の原風景」と呼べるような山あいの集落の抵抗は、少しずつ共感を集めてきた。

 いとうさんは、15年に反対運動のことを聞いて現地を訪れて以降、ラジオ番組などで発信している。「エネルギーや環境の問題など、石木ダムには日本各地が抱える課題が象徴的に含まれている。ダムに多額の税金をかけるのは非合理だと思う」と話す。

 小林さんは昨年10月、水没予定地で「失われるかもしれない美しい場所で」と題した野外ライブを催した。

趣旨に賛同した歌手SalyuさんやTOSHI-LOWさんらがステージに立ち、約700人の観客が県内外から足を運んだ。小林さんは「同じ日本人としてつながっている。人ごととは思えなかった」と協力した理由を語る。

 パタゴニアは、ダムや水問題を取り上げたシンポジウムを長崎や東京で定期的に開いている。辻井隆行日本支社長は「ダムの建設費や維持費、環境への影響についてオープンな場でもっと議論すべきだ」と指摘する。【共同】

■石木ダム 
長崎県と佐世保市が川棚川支流の石木川に計画する多目的ダム。1972年に県が調査を始めたが、水没予定地域の反対で停滞。規模を縮小し、2013年に国が事業認定した。

これまでに約8割の用地取得が済んだが、13世帯は応じず、県は14年から強制収用の手続きに入った。住民側は15年、事業認定の取り消しを求めて長崎地裁に提訴。県側は工事現場での住民の抗議行動を禁じようと、地裁佐世保支部に仮処分を申し立てている。【共同】


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【2017/01/14 23:39】 | 石木ダム
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             嶋津 暉之

自治体の電気事業の売電方法についての記事です。

◆自治体の売電、入札じわり 導入7都県、新潟は増収
(朝日新聞 2017年1月9日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12738661.html

 水力や太陽光などの発電所による公営の電気事業を運営する27自治体のうち、売電方法をこれまでの大手電力との随意契約から、競争入札に切り替えるところが出始めている。朝日新聞の取材でわかった。7都県が導入し、より高値で電気を買い取る他事業者との契約で増収につなげた自治体がある一方、途中解約のリスクを恐れて随意契約を続けるところもある。

 公営の電気事業は、大手電力と長期の随意契約を結ぶのが一般的だった。しかし、2011年の東京電力福島第一原発事故をきっかけに、国は大手電力以外で電力を販売する「新電力」の参入を促進。総務省は12年と14年、「一般競争入札が原則」と自治体に通知していた。

 実情を調べるため、朝日新聞は昨年10月、地方公営企業法に基づく発電事業を運営する27都道府県・市村にアンケートを実施。その結果、13~16年の間に、東京都と三重県がすべての発電所で、また神奈川、新潟、山梨、熊本、宮崎の5県が一部の発電所で競争入札を採り入れたことがわかった。

 理由として「一般競争入札が原則という国の方針に従った」(神奈川県)▽「入札での競合によって、収入増を見込んだ」(三重県)などと説明している。

 これらの自治体のうち、九州電力のみが応札した熊本、宮崎2県以外は新電力と契約。15年に水力発電所11カ所で入札に切り替えた新潟県は、1キロワット時当たりの売電価格が倍増。年間約48億円の増収が見込まれるという。

 一方、大手電力と随意契約を続ける自治体は「補償金が発生する可能性がある」(大分県)と、途中解約の難しさを主な理由に挙げた。それでも京都府(20~22年)と北海道(20年)は大手電力との契約終了後に、鳥取県(時期未定)は長期契約にしていない発電所で、競争入札を予定。岩手県は16年度分、太陽光発電所1カ所で競争入札をしたものの応札がなく、東北電力と随意契約した。

 ■長期契約が足かせ

 大手電力と長期契約を結ぶ自治体にとって、競争入札導入の足かせとなっているのが途中解約による損害賠償への心配だ。

 水力発電所を3カ所持つ東京都。1957年から東京電力に電気を売り、10~15年といった長期の随意契約を結んできた。しかし、13年、東電との随意契約を途中で打ち切り、競争入札による契約に切り替えた。

 一方の東電は他から電力を補うためのコストなどとして、51億8千万円を都に請求。東京地裁からの提案を受けて、実際に支払ったのは13億8300万円だった。「話し合いや調停を通じて額を抑えられた」。都幹部の一人は明かす。

 資源エネルギー庁は15年3月、自治体向けに、随意契約解消に向けたガイドラインを公表。協議の留意点や補償金の算出方法を示した。同庁関係者は「特に水力は安定供給が見込めるので、新電力からすればベース電源としての期待がある」と話す。

 ただ、自治体の一部には新電力の経営状況を不安視する声もある。その懸念に拍車をかけたのが、大手「日本ロジテック協同組合」(東京)が昨年、破産手続きに入ったことだ。ある自治体の担当者は「(競争入札は)売電先の経営破綻(はたん)によって、債権が回収できなくなるリスクがある」ともらす。(岡戸佑樹)

 ◆キーワード

 <公営の電気事業> 地方公営企業として、自治体が水力や火力、太陽光などの発電所を運営している。ダム建設など開発事業の一環で、自治体が水力発電所などを持つようになった。朝日新聞の集計では最大出力は計約244万キロワットで、原発2~3基分程度にあたる。

 ■競争入札で売電する自治体

     最大出力(万キロワット)

東京都   3.7(100%)

神奈川県 35.8(1%)

新潟県  15.5(85%)

山梨県  12.1(1%未満)

三重県   1.2(100%)

熊本県   5.6(3%)

宮崎県  15.9(1%未満)

 (丸括弧内のパーセントは入札導入率)


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【2017/01/12 12:23】 | エネルギー
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       嶋津 暉之

スイスのダムと河川環境問題についての記事をお送りします。

◆自然保護か河川の利用か スイスが抱えるジレンマ
(swissinfo.ch2017-01-09 11:00)
https://is.gd/R84pmF

スイス連邦政府は過去、洪水防止策強化に多額の投資をし、また河川をより自然な状態に復元するため、26州全てに地表水の復元を義務付ける法律を発効した。しかし、河川の自然保護と、水力発電を進めたい考えの間で板挟みの状態となっているのが現状だ。

 砂岩の上に幽霊のように伸びる城壁。廃墟となったグラスブルグ城のすぐ先で、森の小道はセンゼ川の岸辺に下りていく。スイスの緻密に管理された自然風景の中にあって、この辺りは珍しく野生が残っている。

 「ここには非常に多くの種が生息している。植物も昆虫も魚も。本当に驚くべき場所だ。スイスの熱帯雨林と言ってもいい」と話すのは、世界自然保護基金(WWF)スイス支部で、「持続可能な水力発電プロジェクト」のリーダーを務めるジュリア・ブランドルさんだ。

 なぜ、この地域が野生のまま残っているのか。川の傾斜が緩すぎて水力発電には適さず、周囲の丘陵は勾配が急すぎて放牧に向かないからだ。

 「ここがまだ自然の状態で残っている理由の一つは、川のこの部分を発電に使える見込みが薄かったことだ。そのため発電に利用されずにすんだ」と、周辺を歩きながらブランドルさんは話す。

 「もう一つの理由は、この渓谷が農業に適さないことだ」と、ブランドルさんは川が自然に作り出した平原の上にそびえる急斜面を指差した。「また、洪水防止工事の必要もなかった」
過去の過ちの代償

 スイスでは、かつて国民の大半が土地を耕していた。19世紀後半になるとダムや運河が造られ、それらは網の目のように張り巡らされた。また20世紀前半には洪水防止と沼地の農地化を目指し、あちこちの河川や湖が改変された結果、小さな河川のほぼ全てが影響を受けた。

 運河を切り開いたり川床をコンクリートで固めたりすることで川の流れは速くなったが、地面に水が染み込む量は減った。これがのちにスイスを悩ませることになる。

 2005年の「世紀の洪水」はスイス中部をめちゃくちゃにし、死者7人と数十億フランの被害を出した。07年の豪雨では低地が浸水。過去数年間は毎年大雨が降り、河川や湖の水位が危険なまでに上昇した。

スイスで地下室の浸水、洪水、土砂崩れ


スイス、豪雨による被害 続出

ここ数日間続いた豪雨で、スイスの北西部、中部、北部では、地下室の浸水や洪水、土砂崩れなどの被害が続出している。
 政府は05年の大洪水の後、洪水防止策強化のために5億フランを優に超える投資をしたが、巨大な洪水防止壁の建設や気象モデルの改善、また川床の「修正」といった、州や自治体によるプロジェクトの一部は、財政的理由や地方自治体間の合意がなかなか取り付けられないことにより遅れている。

自然の復元と水力発電
 11年には26州全てに地表水の復元を義務付ける法律が発効され、連邦環境省環境局は、スイスの河川の多くがより自然な状態に復元される予定だと述べている。

 その一方で、連邦エネルギー省エネルギー局の言葉を借りれば、スイスには水力発電の利用に「理想的な条件」が整っているという。政府の「エネルギー戦略2050」 では、水力発電の利用拡大がはっきりと打ち出され、老朽化しつつある原子力発電所5カ所が最終的に廃炉となった後は、水力がその穴を埋める助けとなることが期待されている。

 発電所新設ブーム以来、スイスでは現在、少なくとも300キロワットの発電能力を有する水力発電所約600カ所が稼働している。

 WWFは、スイス各地に水力発電所があるせいで、多くの動植物が生息する河川の自然な流れが妨げられているという。また、スイスにも欧州連合(EU)と同様、有益な水域の劣化の禁止措置の採択を求めている。

 それに加えて、政府は水力発電所新設のための奨励金を見直すべきだとも述べる。この奨励金があるために、比較的小規模で重要性の低い発電所の建設が利益をもたらす仕組みになっているからだ。

今後の成長の限界

 70年代初頭にはスイスの発電量のほぼ9割を占めていた水力は、国内の原子力発電所が稼働するようになって、1985年には6割まで下がった。


 政府の水力発電の推進は主に、性能と効率性の向上を狙ったものだ。2014年に連邦政府が行った調査では、水力発電の規模拡大は現在の状況では正当化できないと結論づけている。

 今日、水力はスイスで供給される電力の56%を占め、国内の再生可能エネルギー源として最も重要な地位を占めている。しかしこれ以上の成長には限界があると話すのは、ベルンの大手電力会社BKW、水力発電部門のアンドレアス・ステットラー部長だ。


 ステットラー部長によると、効率性を上げることにより水力発電がスイスの電力供給の約6割を占めるまで上昇する可能性はあるが、自然・経済的要因から、それ以上の伸びはおそらく望めないだろうという。カンダー川のプロジェクトについては、河川の流量レベルと位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)によって、発電所を新設すべきか、どのように建設すべきかが決まると話す。


 「スイスでは大規模な発電所の新設の可能性はほぼゼロだ。良い場所には全て、50年代、60年代に発電所が建てられてしまっているからだ」


3.6%

 自然の復元はまた別の問題だ。専門家は、生態系はわずか数年で回復することもあると言う。また蛇行水路や島、砂州、池を新しく作ることによって、水路が自力で回復する可能性もある。しかし課題は山積みだ。

 まずWWFの調査によって、スイスの河川の8割は、健康な生態系の基本的条件4つ(種の多様性、保護された自然生息地、自然な水の流れ、改修されていない河川構造)のうち、わずか2つしか満たしていないことが明らかになった。


 憂慮すべきは、条件のうち3つ以上を満たす「非常に有益(valuable)」とされる河川が、たったの3.6%しかないという点だ。「『珠玉』と言えるこれらのスイスの河川さえ、開発の圧力をはねのけるために助けが必要となっている」。WWFスイス支部で生態学的水力発電のプロジェクト・マネージャーを務めるレネ・ペテルセンさんは、そう話す。

 ペテルセンさんはベルナー・オーバーラントを歩きながら、スイスの水路が直面する圧力の一例として、カンダー川の比較的野生が残っている地域を指差した。そこでは、急流になっている区間を利用した水力発電の可能性が検討されている。流れのそばの大きな石には、川の流れのデータ収集のため、水位計と太陽電池で動く機器の箱が取り付けられていた。


 絵葉書さながらの自然風景を緻密に管理する傾向のある、スイス人の二面性を示すよい例だ。


 「人々は環境への意識が高い。河川の価値も理解しているし、健康な環境を求めている。しかし一方でエネルギー、農業など、その他のさまざまなことも求めている」とペテルセンさん。その結果、河川の保全は「他の関心事に比べて十分な重要性を与えられていない」。


豊富な水

ヨーロッパの「給水塔」として知られるスイスは、占める面積は大陸のわずか0.4%だが、淡水資源の6%を有している。

スイスには約1500の湖があり、大半がかつての氷河だ。完全にスイス国内に位置する湖としては、ヌーシャテル湖が最大。中央ヨーロッパで最大の淡水湖はレマン湖。主要河川のローヌ川、ライン川、イン川は全てスイスに水源をもつ。

スイスの降水の多くは雪としてアルプスに降る。雪や氷河の形での水の貯蔵は、流出水を四季にわたって配分する上で重要な役割を果たす。アルプスの河川は、氷河が溶け出す春と夏に、流出水の量のピークを迎える。

アルプス山脈が通る他の国と比べても、スイスほど国内河川を集中的に利用している国はない。スイスには約1500カ所の発電所と15万カ所のダムがある。

世界河川デー

写真で見る、変わり行くアルプスの気候

Merlin Unterfinger

地球温暖化の影響は風景にどのように表れているのだろう?地理学科の学生と写真家マーリン・ウンターフィンガーさんは、その変わり行く風景を写真に記録しようと、スイス・アルプスの川の流れをたどっていった。


(英語からの翻訳・西田英恵)


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【2017/01/12 12:16】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

完成してから70年を迎える神奈川県の相模ダムが15年かけて大規模改修を行うという記事です。
総工費は200億円とされていますが、その金額で済むとは思われません。

相模ダムは堆砂がなり進行しているダムです。
総貯水容量6320万㎥に対して、2015年3月末の堆砂量は1881万㎥にもなっています。
毎年、多額の費用をかけて堆砂の除去が行われていますが、堆砂量を減らすところまでは行っていません。
2007年度の計画では、1993年度から2019年度までの27年間に630億円の費用をかけて毎年25万㎥の浚渫を行うことになっていました。
このように、ダムとは完成後もかなりの費用がかかるものなのです。

◆工期15年、総工費200億円、相模ダムを大規模改修へ 70年を迎え
(カナコロ(神奈川新聞)2017年1月8日)
http://www.kanaloco.jp/article/223517

県民の貴重な「水がめ」として利用されている相模ダム(相模原市緑区)、1947 (昭和22)年の完成から2017年でちょうど70年を迎える。水を放流するゲートなど設備の老朽化が進み、県は完成以来初の大規模改修に乗り出す。工期約15年、総工費約200億円の大工事になるとみられる。同規模の大型ダムの大規模改修は全国でも例がなく、県企業庁は「長期にわたる難工事になるが、入念かつ慎重に準備や計画を立てて実施していきたい」と話している。

県内の水道水の約9割は、同庁が管理・運営する相模、城山(同市緑区)、三保(山北町)と、国土交通省の宮ケ瀬(同区)の4ダムで賄っている。中でも相模ダムは最も古く、水道・工業用水のほか発電などにも使う多目的ダムとしては国内初の大規模ダムという。

東日本大震災後、ダム本体のコンクリートの耐震や強度を診断し、建設当初の強度が保たれているとの結果を得た。しかし、放流ゲート6門と、それを支える7本のビア(柱)は老朽化が進んでいる。現時点で問題はないが、今後も安定的に利用するため改修を決めた。

今後ゲートの形状、ピアの構造などを検討し、設計などを経て、24年頃の着工を目指す。ゲートは門が垂直に開閉する現在の「ローラーゲート」から、扇形に開閉して構造がコンパクトな「ラジアルゲート」への形状変更を視野に入れている。

同時に、水が放流される直下の川底と両岸の浸食が進んでいるため、コンクリートプロックで保護するなどの大規模な護岸工事も実施する予定だ。

工事は、水をためた状態でダムを使いながら行う。このため、冬場の水量が少ない時期を中心にゲートを1門ずつ改修する必要がある、ダム本体に10年、下流の工事で5年の計15年程度が見込まれる。

前例のない大規模改修となるため、国土交通省などと技術的な協議をしながら進めることになる、県庁利水課は「時期が限られる上、水があるなど制約が多い。従って期間も長くなるし、難しい工事になりそうだ」と話している。

ダムの運営費はこれまで、水力発電の電気を電力会社に売電している電気事業者(県)と水道事業者(県と横浜、川崎、横須賀の3市)が負担してきた。改修についても関係者で費用を調整する、約200億円と概算される総工費について二見研一企業庁長は県議会で「負担は十分調整するが、主体となる電気事業で必要な内部留保資金を蓄えている。財源の面で大きな問題はない」と説明している。

◇相模ダム 重力式コンクリートダム、高さ58・4メートル、堤頂部の長さ196メートル、貯水量6 3 2 0万立方メートル、県内の上水道水源の約17%を構成、現在、城山、宮ケ瀬の両ダムと導水路で結び、3ダムー体とした総合運用で水資源の有効活用を図っている。


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【2017/01/09 01:22】 | 各地のダム情報
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          嶋津 暉之

八ッ場ダムによって吾妻峡は上流4分の1が水没するだけではありません。
残った下流部3/4も下久保ダム直下の三波石峡と同様に景観美が失われてしまうことが予想されます。、

◆上毛かるた70年 異聞見聞録/5 「や」 耶馬溪しのぐ吾妻峡 上流4分の1水没の運命
(2017年1月7日 毎日新聞群馬版)
http://mainichi.jp/articles/20170107/ddl/k10/040/144000c

いつまでも」-牧水の思い断つダム計画
 私はどうかこの渓間の林がいつまでもいつまでもこの寂びと深みとを湛(たた)えて永久に茂つてゐて
呉(く)れることを心から祈るものである。ほんとに土地の有志家といはず群馬縣(けん)の當局者
(とうきょくしゃ)といはず、どうか私と同じ心でこのさう廣大(こうだい)でもない森林のために
永久の愛護者となつてほしいものである。

 歌人、若山牧水(1885~1928年)は紀行文「静かなる旅をゆきつゝ」の中で、吾妻渓谷(長野原町、東吾妻町)への思いをこう記した。しかし、その願いもむなしく、100年近くたった今、渓谷には、八ッ場ダムの建設工事に伴い24時間体制で槌音が響く。
山肌は削られ、昨年6月にはコンクリートが流し込まれた。

 牧水は晩年、移住先の静岡県沼津市で、潮風への防風林「千本松原」を伐採する県の計画に反対し、中止にこぎつけた。「吾妻峡がダムに沈むと知ったら、間違いなく反対運動に加わったでしょう」。
八ッ場ダム建設中止を求めてきた川村晃生・慶大名誉教授(環境人文学)は思いをはせる。

   □  □

 吾妻渓谷は、地理学者の志賀重昂に1912年、新聞紙上で「九州の耶馬溪にも勝る」と評された。牧水は18年秋、中之条町から長野県松本市に向かう馬車で、偶然出会った渓谷の美しさに心を奪われる。旅程を変更して近くの川原湯温泉に一泊し、数時間のうちに22首もの歌を詠んだ。翌々年にも新緑を見ようと再訪し、発表した紀行文が冒頭で紹介したものだ。
 「吾妻峡」として国の名勝に指定されたのは35年。その17年後の52年、八ッ場ダム計画が浮上した。国土交通省によると、当初、渓谷の中央部から建設する構想だったが、景観保護の観点から約600メートル上流に建設地を移した。それでも、ダム本体工事の建設で、渓谷の上流4分の1がダムに埋まり、水没する。

   □  □

 地元では、影響がすでに出始めている。「ここ数年で、渓谷への見学客がずいぶん減った」。
東吾妻町の観光関係者はこう明かす。以前は川原湯温泉から吾妻渓谷まで足を延ばす温泉客がいた。渋川と草津を結ぶ国道145号沿いに渓谷があったため草津の行き帰りに立ち寄る観光客も多く、渓谷、国道、温泉が「三位一体」だった。しかし、ダム工事に伴い、長いトンネルが続く新国道ができた。渓谷と川原湯温泉もダムで分断される。

 東吾妻町は昨秋、江戸から大正時代にかけ実在した木橋「猿橋」を復元させ、今春には駐車場と猿橋を結ぶ森内の遊歩道も整備するが、観光客は戻るのか--。

 牧水は紀行文にこう書いている。

 若(も)しこの流を挟んだ森林が無くなるやうなことでもあれば、諸君が自慢して居るこの渓谷は水が涸(か)れたより悲惨なものになるに決つてゐるのだ。【尾崎修二】=つづく

 ■ことば

吾妻峡十勝
 約4キロの吾妻渓谷には10カ所の見どころがある。最も上流にあり、3段に分かれて落ちる「白糸の滝」
▽川幅わずか3メートル、高さ50メートルの「八丁暗がり」▽中国の蓬莱山を連想させる崖「大蓬莱」
「小蓬莱」など。このうち、白糸の滝はダムの下に沈む。


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【2017/01/09 01:16】 | 新聞記事から
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           嶋津 暉之

利根川支流・神流川の下久保ダムの直下にある三波石峡についての記事です。
三波石峡には10年くらい前と4年前に見学に行ったことがあります。
下久保ダム完成後は洪水が流れなくなったことにより、三波石峡は岩肌をコケが覆い、草木が生い茂って景観美が失われていました。

景観美を取り戻す取り組みはこの記事にあるようにされてきていますが、その効果がみられるのは最上流部だけで、少し下流側に歩くと、三波石峡として伝えられるかつての面影はすっかりが失われていました。 

4年前に行ったときは観光客の激減で散策路は草が生い茂り、歩くことも困難になっていました。
八ッ場ダム直下の吾妻渓谷も同じ運命をたどることになると思います。

◆異聞見聞録/2 「さ」 三波石と共に名高い冬桜 清流復活、住民力合わせ /群馬
(毎日新聞群馬版2017年1月4日)
http://mainichi.jp/articles/20170104/ddl/k10/040/046000c

「さ」の絵札。新版(68年~)

 国指定の名勝「三波石峡(さんばせききょう)」(藤岡市)は、群馬、埼玉の県境を流れる神流川に、大小数百に上る奇岩・巨石群がおりなす景観美が約1・5キロにわたって続く。この季節は淡いピンクの冬桜が彩りを添える。

 三波石は青みの中に石英が白く浮き出ているのが特徴で、江戸時代の初期から庭石として珍重されてきた。景勝地としても古くから知られ、江戸時代は、観光に訪れる旅人から案内料を得ていた人がいた。最寄りの地区でも「同業者」が現れたため、参入を巡って裁判ざたになったとの記録が江戸時代の文書に残されている。  1957(昭和32)年、国指定名勝と天然記念物に指定されたが、その後、高度経済成長の波を受け、危機に直面する。

  □   □

 68年、峡谷のすぐ上流に、治水・利水を主目的に下久保ダムが建設された。ダムの水は通常、放水路を通って流されるため、ダム直下の三波石峡に水が流れなくなってしまった。川は、石の美しさに磨きをかける役割も果たす。洪水時には上流から流れてきた砂や石、岩によって三波石が磨かれる。「大水は銘石の化粧水」。地元ではこうした言い伝えがあるほどだ。

 やがて石はアカやほこりで黒ずみ、川床には雑草が繁茂するようになった。
往時の景観を取り戻そうと、99年から、地元の旧鬼石町の小学生や高校生らが年1回、ブラシで石を磨くなどの活動を始めた。さらに、97年の河川法改正でダム周辺の環境整備が重視されたことを受け、2001年から放水路を分岐し、ダム直下に常時、放流されるようになった。03年からは、ダム湖に堆積(たいせき)した土砂を流す事業が毎年実施されている。ただ、「ダムができる前の状態にはまだまだ時間がかかる」(下久保ダム管理所職員)。

  □   □

 06年、流域自治体や地元住民らが地域活性化を目指し、「神流川ビジョン推進協議会」を発足させた。その目標の一つが「清流神流川と三波石峡の復活」だ。今年は三波石峡の名勝指定から60周年。堀口滋生会長は「多くの人や団体の協力で、地域をにぎやかにしていきたい」と話している。【畑広志】=つづく

 ■ことば
三波石

 名前の由来は、「緑泥石の緑」「緑れん石の黄緑」「石英脈の白」の3色がそろっている▽石英脈が波上に見える--など諸説ある。「上野国志」(1774年)によると、1742(寛保2)年には、48石に名が付けられていたと記され、最下流の「一番石」から「三番石」までが波に見えることからそう呼ばれたとも言われている。


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【2017/01/09 01:08】 | 新聞記事から
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        嶋津 暉之

東日本大震災で決壊し、多大な被害をもたらした福島県の藤沼ダムの復旧工事が終わり、まもなく貯水試験が行われます。

◆須賀川「藤沼ダム」4月末供給再開 18日にも貯水試験開始

( 福島民報2017/01/05 )
http://www.minpo.jp/news/detail/2017010537845

東日本大震災で決壊し、復旧工事が進む須賀川市の「藤沼ダム」について、橋本克也市長は4日、4月末に農業用水の供給を開始すると発表した。今月18日にも貯水試験を開始する。

昨年末までに盛り土などを終え、堤体が完成した。貯水試験はダムを1週間程度、満水にし、漏水量やダム内に設置した水圧計などの機器が正常に作動するかを確認する。試験で異常がなければ今春のコメの作付けに合わせて水を供給する。

ダムの貯水面積は約20ヘクタールで、貯水量は決壊前と同じ約150万トン。市内の約837ヘクタール(779戸)に給水する。復旧費は約68億円。
ダムは市所有だが、県が工事を代行した。基本構造は「中心遮水型フィルダム」形式と呼ばれ、東日本大震災規模の地震にも耐えるとされる。

市役所仮設庁舎で記者会見した橋本市長は「決壊で多くの被害が出た教訓を忘れることなく、ダムを地域振興に役立てていく」と語った。

ダム専門家らによる県藤沼ダム復旧委員会は5日、東京都内で会合を開き、貯水試験開始を了承する見通し。


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【2017/01/05 20:57】 | 各地のダム情報
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        嶋津 暉之

一昨年9月の鬼怒川水害の被災者への住宅支援が今年9月末から順次打ち切られるというニュースです。
財産が十分になければ、水害で住居を失った人たちがたった2年で住居を取り戻すことは容易なことではありません。

◆豪雨被災者の住宅支援 9月末から打ち切りへ 茨城 常総
(NHK 2017年1月1日 9時24分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170101/k10010826231000.html

おととしの関東・東北豪雨で大きな被害を受けた茨城県常総市では、160人以上の被災者が無償で提供された公営住宅などで生活していますが、ことし9月末から順次、無償提供の支援が打ち切られることから、新たな住宅の確保など生活再建をどう支援していくかが課題となっています。

おととし9月の関東・東北豪雨で、茨城県内では鬼怒川の堤防が決壊するなどして、住宅地が大規模に浸水し、災害関連死を含めて9人が死亡、5500棟余りの住宅が全半壊しました。
最も被害が大きかった常総市では、新たな堤防の建設など復興が進む一方で、先月28日の時点で、67世帯165人が依然、市内や近隣のつくば市の公営住宅などでの避難生活を余儀なくされています。

常総市では、こうした住宅の無償での提供について、災害救助法で定められた入居から2年の期限を迎えることし9月末から順次、打ち切ることを決めています。

ただ、新たな住まいのめどが立たない人もいて、常総市では市内の空き家の活用や住宅ローンの優遇措置などの検討を進めていて、新たな住宅の確保を含めた被災者の生活再建をどう支援していくかが課題となっています。


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【2017/01/05 20:54】 | 鬼怒川水害
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