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「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
八ッ場あしたの会主催の水害対策をテーマにした集会に参加しました。
あしたの会のサイトに詳しい報告が載りましたらお知らせします。

基調講演*「水害多発時代の治水性セクの提案~滋賀県流域治水条例の可能性と課題~」
前滋賀県知事 嘉田由紀子さん
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近年異常気象の影響で豪雨が増加。
2017年7月の西日本豪雨災害の岡山県真備地区と愛媛県肱川流域の事例からの報告。
社会の変化から、河川からあふれることを前提に流域共同体で水害対応していた水防組織が無くなり、「ダムができたら安心」などと住民の意識が「遠い水」化していった。
元々は学者であった嘉田さんが、専門家として統合型政策を目指し、水害リスク情報の提供と何があっても命を守る仕組みを作った。
今後の水害多発時代に向けて、人が死なない防災、減災を目指し、ダムなどのハード対策にこだわらず、国も県も市も住民自治会も縦割り政策をこえて「命を守る流域治水政策の実現を」と訴えました。

報告*「日本人の伝統的自然観から西日本豪雨災害を考察する」
大熊孝 新潟大学名誉教授
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人は「自然と共生」する社会を生きていたのに、明治時代以降、自然を支配し、その恵みを収奪し、克服する社会へと変わっていった。
日本の伝統的自然観『山川草木悉皆成仏』自然の中のあらゆるものは”いのち”の連鎖の中で、最後は土と水と大気に還る、平等な存在である。
最近、豪雨が短期間に再来し、豪雨域が大きくなってきた。豪雨が頻発するけれど、災害は社会現象でもある。
究極の治水策は「滋賀県流域治水の推進に関する条例」だが、採用されるのは前途多難。
治水の王道は河川改修と堤防強化。
越流しても破堤しない堤防強化法は現在はいろいろあるので、ダムを造るより安価な方法で堤防強化をするべき。
人が自然と共生するためには水とどう向き合うかという治水の根本理念を説き、国交省の河川行政の間違いを指摘されました。

◇河川工学者三代は川をどう見てきたのか:
安藝皎一、高橋裕、大熊孝と近代河川行政一五〇年 | 篠原修 (著)

報告:西日本豪雨で明らかになったダムの限界と危険性
水問題研究科 嶋津 暉之さん
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ダムがあるために避難の時間が失われたり、ダムの放流により氾濫したことなどをデータを用いてお話してくださいました。
被害を大きくしたのはダム偏重の河川整備計画であることを指摘。
今後進めるべき治水対策の柱は耐越水堤防工法の導入であること、国交省がかたくなに拒むのは、ダムやスーパー堤防を作るために不都合だから。

※三人の河川の専門家の方たちが平易な言葉で、この国の河川行政が間違っていることと、これからするべき堤防強化などのお話をしてくださいました。

パネルディスカッション&質疑
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会場からの質問に三人の方がお答えくださいました。
コーディネーターの、関東ではまさに「水が遠い」のですが、私たちは何をすれば…という問いかけが切実で危機感が溢れていました。
知事の方たちが治水に関しての知識が乏しい現状も、国交省の放恣を許している一因だとも思いました。
防災庁を作るといいのに、というアイデアを聞いて、前に座る三人の方たちが防災庁で治水を担ってくだされば今より確実に少ない予算で安全が担保されることを確信しました。

これからの日本の治水行政はどうあるべきか、という指針が指し示された集会だったと思います。


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【2018/12/17 12:48】 | 未分類
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「荒れる気候の時代に 命を守る水害対策を考える」

◆日時:2018年12月16日(日曜日)13:30~16:30
◆会場:全水道会館  4階大会議室 地図
 東京都文京区本郷1丁目4~1
 JR水道橋駅東口2分、都営地下鉄三田線水道橋駅A1出口1分
◆参加費(資料代):500円

*プログラム
 基調講演
 「水害多発時代の治水政策の提案~滋賀県流域治水条例の可能性と課題~」
    講師:嘉田由紀子氏
 報告
・「日本人の伝統的自然観から西日本豪雨災害を考察する」
    大熊孝氏
・「西日本豪雨で明らかになったダムの限界と危険性」 
    嶋津暉之氏
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主催:八ッ場あしたの会    
共催:利根川流域市民委員会、水源開発問題全国連絡会、
   八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会


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【2018/12/15 00:00】 | 未分類
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       嶋津 暉之

石木ダムの水没予定地の豊かな里山環境と暮らしを守ろうとする住民の日常を伝えるドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」が12月15日から京都で上映されます。
この上映のために開かれたトークイベントについての記事をお送りします。

◆映画「ほたるの川のまもりびと」トークイベント@京都 ~トーク
前滋賀県知事・嘉田由紀子氏、山田英治監督
IWJ Independent Web Journal(イベントの動画が見られます)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/437205 

◆ドキュメンタリー映画 長崎・石木ダム反対、思い描く 15日から下京で上映 /京都
(毎日新聞京都版2018年12月13日)
https://mainichi.jp/articles/20181213/ddl/k26/040/398000c

 長崎県川棚町で県と佐世保市が進める石木ダム建設計画に対し、水没予定地(川原(こうばる)地区)の豊かな里山環境と暮らしを守ろうとする住民の日常を伝えるドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」(2017年、86分)が15~28日、京都市下京区の京都シネマで上映される。山田英治監督(49)らのトークイベントが6日、プロデューサーに辻井隆行・日本支社長が名を連ねるパタゴニアの京都店であり、「都会に暮らす我々が失ったもの、生き方のヒントが得られる映画です」と鑑賞を呼びかけた。
 石木ダムの構想が川原地区に伝わったのは半世紀以上前の1962年。佐世保市への水供給や川棚川流域の洪水防止を目的に75年に建設に着手した。総貯水量548万トンで事業費は285億円、関連事業を含めると538億円とされる。地区住民らが反対してきたが、県は機動隊を投入して強制測量。2013年には土地収用法に基づく国の事業認定を受け、用地の強制収用が可能になった。

 映画はダムに反対する13世帯を15年から1年半かけて取材・撮影。農作業や子供の部活動など日常の営み、川遊びや「ほたる祭り」など里山の豊かな自然環境と人々の思いを丁寧に伝える。ダム建設阻止の座り込みに励む女性たちは、おしゃべりしながら食事したり、孫を抱いて笑顔を見せたりと身近に感じられる。

 一方、住民たちが命がけで機動隊と対峙(たいじ)したり、重機搬入に抵抗したりする姿も紹介。「生活がダムそのもの」「自由に旅行にも行けず、なぜこんなことをしなければいけないのかと時々思う」「相手は私たちが死ぬのを待っているのかもしれないが、一番人数が多い私たちの年代で止めたい」「私たちにはここで生き抜く権利がある」といった言葉が胸に迫る。

 山田監督は「反対運動というより、人々の豊かさ、プラスの面を中心に描いた。それがなくなる不条理を考えていただければ」と作品に込めた思いを話した。

 石木ダムを巡っては「佐世保市の水需要予測は実績に比べて過大」「ダムがカバーする流域は川棚川のわずかで洪水防止策として疑問」との指摘がある。住民らは国に事業認定取り消しを求めて提訴したが、長崎地裁は今年7月の判決で訴えを全面的に退けて棄却(一部は却下)。住民らは福岡高裁に控訴した。

 6日のイベントでは映画にも登場する今本博健・京都大名誉教授(河川工学)らが、ダムは全国で3000近くが造られ、今後も40カ所で予定されていると説明。滋賀県でダム建設を中止・凍結した嘉田由紀子前知事は「ダムを推進する力は国家そのもの」「税金が投入され、(京都の人にも)遠い話ではない」などと指摘した。【太田裕之】

山田監督「知られてないこと伝える」

 山田英治監督は大手広告会社「博報堂」の元CMプランナーで「消費を加速する広告を作ってきた。原発推進の広告を作ったこともある」と自己紹介した。転身のきっかけは「3・11」(東日本大震災と東京電力福島第1原発事故)で被災地にボランティアに入ったこと。「経済を回すのではなく、知られていないことを社会に伝えよう」と考え、今年3月に退社して「社会の広告社」を設立した。

 映画の配給・宣伝を担うのは「ヒバクシャ」「六ケ所村ラプソディー」「ミツバチの羽音と地球の回転」「小さき声のカノン」など核・原発を問うドキュメンタリー映画を撮ってきた鎌仲ひとみ監督(60)の「ぶんぶんフィルムズ」だ。他の監督の作品の配給は初めてという。

 6日のイベントで司会を務めた鎌仲さんは「原発反対の映画を作ってきた私が、原発の広告を作ってきた人と一緒にやっている。時代が変わったなと思う」と話した。一方で「3・11から8年近くが経ち、原発などに反対しても変化は少ないと、普通の人たちは疲れている。若い人たちは反対運動にエネルギーを使うより、もう一つのオルタナティブな生き方を考えている。そこにシフトした新しい視点の映画」と説明。「長崎の小さなダム計画を変えられないのに、地球温暖化を止められるのかと思う。多くの人が知ることで変わる」などと呼びかけた。

 イベントで山田監督と対談した前滋賀県知事の嘉田由紀子さんは水道事業の民営化につながる改正水道法が6日に成立したことにも言及。本来は不要なダムを作るなど高コスト体質で赤字となったうえに民営化を求める恐れを指摘し、「石木ダムの問題もつながっている。水道法改正に賛成した国会議員の顔を覚えておこう」などと話した。【太田裕之】
〔京都版〕


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【2018/12/14 20:47】 | 未分類
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       嶋津 暉之

熊本での嘉田由紀子・前滋賀県知事の講演会についての記事をお送りします。
東京でも明後日(12月16日(日))、嘉田由紀子さん、大熊孝先生等によるシンポジウムを水道橋で開きます。
◇「荒れる気候の時代に 命を守る水害対策を考える」-12/16、東京・水道橋 
是非、ご参加ください。

◆シンポジウム 立野ダム考える 水害に強い地域に
 嘉田前滋賀県知事、流域治水語る 熊本で300人参加 /熊本
(毎日新聞熊本版2018年12月12日)
https://mainichi.jp/articles/20181212/ddl/k43/040/476000c

 水害に強い地域をつくるため、滋賀県知事時代に土地利用規制まで踏み込んだ流域治水条例を制定した嘉田由紀子さんを講師に招き、国が熊本県の白川上流(南阿蘇村、大津町)で建設中の立野ダムについて考えるシンポジウムが大津町文化ホールであり、300人が参加した。

 嘉田さんは7月の西日本豪雨で洪水調節不能に陥り、短時間に放流量を6倍に増やした愛媛県西予市の野村ダムを例に「ダムの専門家は『洪水をためて逃げる時間をキープするためダムが必要』と言うが(放流情報は伝わらず)住民は急激な増水を『ダム津波だった』と言っている」と指摘。「計画以上の雨が降ればダムでも危ないと国は普段から伝えるべきだ」と語った。

 堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町では死者51人の大半が戦後移ってきた新住民で、地域の水害予防組合が1974年に解散し水害対策を行政に依存していたことが犠牲を拡大したと分析した。

 滋賀県の流域治水条例で定めた、▽土地の安全度を示した地図を不動産売買時に提示するよう努力義務化する▽10年に1度の洪水で50センチ以上の浸水が予想される地区は新たに都市計画区域にしない▽200年に1度の洪水が起きた際、浸水予想水深以上の高さへの避難が可能か建築確認でチェックする--などの対策を紹介して地域の防災力を高める必要性を訴えた。【福岡賢正】



【2018/12/14 20:37】 | 未分類
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        嶋津 暉之

水道民営化の道を開く水道法の改正が残念ながら、今国会で可決され、成立してしまいました。
早速、2021年度中の県内導入を目指すと、村井嘉浩宮城・宮城県知事は記者会見で述べています。
村井氏は参議院厚生労働委員会に水道法改正に賛成の立場で参考人として出席しました。

ただし、宮城県が20年間の運営権の譲渡を計画しているのは、宮城県の水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業のうち、管路を除く設備の維持管理・更新と運転(オペレーション)です。後者の運転は現在も民間業者に管理を委託しています。

資産の面では管路が7割を占めていますので、運営権の全面譲渡ではありません。

宮城県上工下水一体官民連携運営 (みやぎ型管理運営方式)の14ページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000379271.pdf 

この資料の15ページを見ると、この運営権譲渡により、20年間でコストを335億円~546億円削減できると書いてあります。

しかし、民営化したからと言って、このように大きなコスト削減が本当にできるのでしょうか。首をかしげてしまいます。

このようコスト削減ができる方法がもしあるならば、公共のままでその方法を(コンサルタント等に依頼して)調べ尽くして、その方法を公共のままで取り入れば済む話です。

運営権の譲渡を受ける民間事業者の話を真に受けて、ことが進んでおり、将来において大きな不安を抱えていると思います。

◆改正水道法で可能となる宮城県の新たな水道事業
 その運営権は…村井知事「売却先に海外の企業も含む」
(仙台放送2018/12/10(月) 19:28配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00000004-oxv-l04
 
宮城県は人口減少などにより経営悪化が予想される水道事業に関し「みやぎ型方式」の導入を目指しています。
「みやぎ型方式」とは上水道と工業用水、下水道の3つの水道事業をすべてひとつの民間企業に任せ、地下に埋まっている水道管などは県が、地上にある浄水場などは民間が受け持つ上下分離型の管理のことです。
先週成立した改正水道法により実現可能となった、このみやぎ型方式ですが、村井知事は売却先に海外も含まれることを明らかにしました。
宮城県 村井 知事
「この改正は水産特区や仙台空港の民営化と同じように宮城県から政府に働きかけて実現したものでございます。まさに地方から国を動かす1つのモデルになったと思っております」

水道法の改正について、10日の会見で「1つのモデルになった」と述べた、村井知事。
新たな水道法では水道の認可資格と施設の所有権は県に残したまま、事業の運営権のみを民間に売却できることになりました。
加えて、売却先には海外企業が含まれることも明らかにしました。

宮城県 村井 知事
「当然、世界的な競争となるので、日本の企業のみならず世界的な力を持った企業にも開放し競争していただくことになるだろうと考える」

さらに、運営権を買った企業が水道以外の事業にも進出することを認める考えも示しました。

宮城県 村井 知事
「私はそれでいいと思うんですよ。それによってこれだけの利益が出て、それを水道料金のコストダウンに充てることができる」

県は来年度中に実質民営化に向けた条例案を県議会に提案し、2021年度中にスタートさせたいとしています。

仙台放送

◆水道法改正で宮城県知事が民間委託のメリット説明
(産経新聞2018/12/11(火) 7:55配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181210-00000033-san-l04

 自治体が水道事業の認可を受けたまま民間に運営権を委託する「コンセッション方式」を可能とする改正水道法の成立で、平成33年度中の県内導入を目指す村井嘉浩知事は10日、定例会見で「県民のメリット」を記した図表を掲げ、「県と第三者による厳しいチェック体制をとる。海外での(水質や料金の急激な値上げなどの)問題は宮城県の方式では起こりえない」と強調した。

 県の方式について説明会には毎回、約40社が参加していると説明。人口減少の趨勢(すうせい)にある県内だが、技術を活用し、上工下水の事業(9事業所)を一括して長期契約することでコスト削減ができ、業者側は利益創出するとともに県民もメリットを得られるとした。運営権の売却期間を県では20年間に設定するとしている。

 説明会には世界的な企業も参加しており、「公共事業で大きな事業は全て海外にも開放している。この事業だけクローズ(国内企業だけ)にすることはできないと考えている」と語った。


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【2018/12/13 21:23】 | 未分類
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      嶋津 暉之

4日、水道民営化の道を開く水道法改正案が参議院厚生労働委員会で野党の反対を押し切って可決されました。

この水道法改正案の問題点を詳細に論じた論考をお送りします。

 

水道事業に民間参入を促そうしているのは誰なのか。内閣府PPI推進室を巡る利権の構造

(ハーバー・ビジネス・オンライン2018.12.05

https://hbol.jp/180396

内田聖子

 

岐路に立つ日本の水道事業

 201810月からの臨時国会にて、「水道法改正」審議が再スタートしている。この改正法案は先の国会会期中の75日、衆議院を可決したものの時間切れで今臨時国会に持ちこされ、参議院からの審議となっている。

 日本の水道事業は様々な課題を抱えている。人口減少で料金収入が減少、施設の�老朽化が進み、事業を担う人材も不足している。つまり経営の危機に直面しているのだ。厚生労働省によると、市町村が運営する水道事業は全国で約3割が赤字であり、人口減少で十分な料金収入を見込めない事業者が今後も増えるだろう。特に地方、とりわけ小規模自治体は深刻である。

 このような問題を解決するために、水道事業の「広域化」や経営体質の改善などは、今までも厚労省側で検討が進められてきた。水道労組や自治体など現場を知る人は、当然同じ危機意識を共有している。こうした流れの中で、水道法改正案の中には広域連携(広域化)を促す条項や、施設を適切に管理するための水道施設台帳の作成施設の計画的な更新に努めるといった条項が含まれている。災害も多発する中、水道事業をどのように持続的にしていくかは喫緊の課題であり、その解決のための議論や施策の必要性については多くの国民が納得するだろう。

 ところが、水道法改正案には、「毒素条項」と言える危険な条項が一つ入っている。それが「官民連携の推進」であり、今回の法改正が「水道民営化法案」と名付けられる根拠である。

誤解の多い水道民営化とコンセッション、民間委託の違い

 この「民営化」という言い方については誤解も多いので簡単に解説しよう。

 現在、水道事業は自治体が運営しており、その施設も運営の権利も自治体が持っている(=公営サービス)。しかし海外などでは、水道事業を丸ごと民営化するケースもあり、施設も運営権も民間が有する場合がある(=完全民営化)。現在の水道法改正で政府が推奨しているのは、「施設は公共が持ち、運営権を民間に売却する」というしくみのもので、「コンセッション契約」と呼ばれるものである。つまり完全民営化ではないが、運営権(経営方針や予算立案・執行、人事、メンテナンスの規模や予算等運営に関わるすべての権限)を民間が持つものである。公共の関与は非常に低くなり、「完全民営化のほぼ一歩手前」と言ってもいいだろう。実はこのコンセッション契約は、水�道法を変えなくても現状の法制度で導入可能である。後に触れる浜松市などはすでに下水道で企業とコンセッション契約を結んでいる。

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出典:内閣府 民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)資料


 また誤解が多いのは、「民間委託」と「コンセッション」「民営化」の混同である。現在、各自治体は料金徴収やインフラ設備の更新などの個別の事業を民間に発注している。この限りにおいては、発注主体はあくまで運営権を持つ自治体であり、業務にかかる費用を企業に支払うのも自治体である。しかしコンセッション契約や民営化となれば、運営権自体が民間企業に移る。つまり自治体には運営に関する権限はなく、水道料金も入ってこない。すべての運営業務も収入も、民間の手に委ねられるということになる。

 またこの水道法改正によって、「全国すべての自治体でコンセッション契約が強制的になされる」(=つまりほぼ民営化される)との誤解も多い。しかし水道法改正はあくまで「コンセッション契約ができる仕組みを導入する」ことを規定しており、本当に導入するかどうかの最後の判断は今後自治体が個別に行うことになる。

水道法改正審議の中で出てきたヴェオリア社と内閣府PFI推進室の関係

 水はすべての人にとって生きていく上で欠かせない。国民すべてにかかわる重要法案であるにも関わらず、7月の衆議院での審議はわずか8時間足らずで可決された。参議院での審議入りとなってようやく関心も少しずつ高まってきており、また水道事業への民間参入促進をめぐっては、新たな利権構造の問題が野党議員から指摘され始めた。

「水メジャーであるヴェオリア社の社員が、内閣府PPPPFI推進室に201741日から2019331日の期間で配属されていませんか?」

 1129日、参院厚生労働委員会にて福島みずほ議員(社民党)が質問した。水道法は厚労省・国交省の管轄であるが、なぜこの審議で内閣府のPPPPFI推進室の話が出てくるのか、と思った方もいるかもしれない。詳しくは後述するが、ともかく世界トップの水企業で働いていた人間が、水道法改正法案が審議される直前に内閣府に配属され、法案審議の真最中の現在も政府の職員として働いているという事実は注目に値する。PPPPFI推進室とは、正式名称を「民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室) といい、1999年に施行されたPFI法を実施・促進するために内閣府に置かれた機関である。PFIとは「官民連携」と言われるスキームで、公共施設の建設や維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことを目指しており、すでに空港や病院、公園、教育・文化施設など幅広く展開されている。

 福島議員の質問によれば、当該の社員は、フランス企業ヴェオリア社の日本支社であるヴェオリア・ジャパン社の営業本部・PPP推進部に勤務しており、PPPや官民連携の提携業務を担当していたという。同社はすでに民間委託業務を全国で受注しているが、水道法改正案で提案されている「公共施設等運営権制度(コンセッション)」が各自治体で導入された場合、真っ先に参入してくる外資系企業であろう。
 実際、20184月から下水道のコンセッション契約を始めた浜松市では、市と契約した特別目的会社(SPC)である浜松ウォーターシンフォニー株式会社 の代表企業はヴェオリア社となっている。ちなみに、浜松ウォーターシンフォニー株式会社には、オリックス株式会社も含まれているが、同社の社外取締役は竹中平蔵氏である。
 竹中氏が政府の諮問委員・評議委員と、企業トップ・企業要人という「二つの顔」をうまく利用し、企業の側に都合のように政策を誘導しているという事例は、国家戦略特区やその他の規制緩和策などでたびたび問題にされてきた。水道PFIに関しても竹中氏はかねてから推進しており、今回もそのケースにあてはまるようだ。

 このように政策立案をする政府内部に、その政策(PFI推進)で利益を得る側の人間が入っているということは、どういう意味を持つだろうか。福島議員は「まるで受験生が採点する側に潜り込んで、いいように自分の答案を採点するようなものだ」と質問で述べているが、まさに政府と企業の結託による利益供与とみられてもおかしくはない。

 福島議員の質問に対し、政府側は「この職員は、政策調査員というポストであり、海外事例の調査を行っている。調査はさせているが、政策立案には従事していない」と答弁した。 

 しかしこれはおかしな話である。政策立案と調査は密接に関わり、調査結果が政策に大きな影響を与えることは当然である。逆に調査結果が政策と無関係であれば、何のために調査をしているのか、という話になる。政府は苦しい答弁をしているわけだが、このような重要な調査担当に、PFIPPPで利益を得るだろう大企業から来た人間が就くことは、通常であれば考えられない。

 そもそも、この社員が配属される前の段階から、内閣府の調査には偏りがあったと言わざるを得ない。20168月にPFI推進室はフランス・英国での事例調査を行っているのだが、2010年に水道事業の再公営化を行ったフランス・パリ市へのヒアリング調査は行っていない(理由は「日程の調整がつかなかったため」とある)。本来であれば民営化の失敗例などをしっかりとパリ市から学ぶべきところだが、これでは「公平で客観的な調査」とは言えない。その姿勢が具体的に表出したのが今回のヴェオリア社社員の配属であり、福島議員が「形式的な透明性も担保できていない。自民党議員もこれには納得できないはずだ」と厳しく指摘した通りであろう。

https://hbol.jp/wp-content/uploads/2018/12/47260172_2252591851645156_3120808685647953920_n-550x309.jpg

2010年に再公営化をした理由を語るパリ市の元副市長のアンヌ・ル・ストラ氏。映画『最後の一滴まで』より

ヴェオリア社とPFIPPP推進室のさらなる関係?

 もう一つ、PPPPFI推進室とヴェオリア社の「関係」については別の話題もある。すでに週刊誌報道等もなされているが、内閣府大臣補佐官・福田隆之氏が、先で述べた2016年の「海外調査」として出かけたフランスにて「ヴェオリア社から過剰な接待を受けていた」「公費出張に元同僚の女性を誘った」などと書かれた怪文書が内閣府内に出回ったという一件(参照:日刊ゲンダイ)である。
 福田氏も民間企業から政府に引き抜かれた人物だ。野村総合研究所にて、国が実施する初のPFI案件を手掛け、防衛省・大阪府・新潟県・道路公団等へのPFI・民営化アドバイザリー業務の他、民間企業のPFI事業の参入支援を行ってきた。20123月からは、コンサルタント企業の新日本有限責任監査法人にてインフラPPP支援室長として、仙台空港案件をはじめとするコンセッション関連アドバイザリー業務を統括。まさにPFIPPPの推進役」と言ってもいいだろう。若干36歳(当時)の福田氏を内閣府の現ポストに抜擢したのは菅官房長官であるという。その背後には、竹中平蔵氏の強い推進もあったことも知られている。

変わる日本のロビイング

 このように、特定の政策の推進によって利益を得られる企業から政府職員に「転職」としている、という実態について驚く方も多いかもしれない。

 欧米ではこれは「回転ドア人事」と呼ばれ、民間企業の人間が政府の要職に転職することは当たり前のように行われている。米国では政権が変わると何千人というホワイトハウスのスタッフが交代するのも、こうした文化の一端だ。例えば貿易交渉において製薬会社のトップだった人間が知的財産分野の交渉担当官に転職したり、あるいは遺伝子組み換え食品のメーカーの重要人物がFDA(食品医薬品局)に転職し、食品の安全基準を緩和するというケースなどがある。企業出身者はビジネス経験や人脈を最大限に使い、自らが属する企業や業界とって有利な政策を導入することも極めて広く知られている。しかし国民の側からすれば、食の安全・安心や医薬品など公共性の高い分野において、大企業に有利な政策が密かにつくられていくという危険がある。欧米市民社会はこうしたロビイストたちの動向を厳しくチェックしている。

 これまで日本ではこうしたあからさまなロビイ活動は見られず、官僚経験者が退職時に大企業や関連組織に再就職する「天下り」というスタイルが一般的だった。しかしこの10年ほどの間で、欧米型の「回転ドア」が徐々に広がっている。特に内閣府・内閣官房には首相直轄の案件が多く、各省庁の利権や利害を超えたところで、強いイニシアティブによって特定の政策が推進されることが常態化しているようだ。内閣府・内閣官房と民間企業の間に、「回転ドア」がつくられ、本来は国民の暮らしや国全体の利益を優先してつくられるべき公共政策が、企業と一部の人間の利益のために歪められていると筆者は分析している。今回の水道コンセッションをめぐる一連の問題も、その氷山の一角ではないだろうか。

 

PFI推進委員が所属するコンサル企業が、税金を使った「PFI導入調査」を受注

 さらに、職員人事だけでは済まない問題がPPPPFI推進室にはある。

 PPPPFI推進室には、「PFI推進委員会」という会議体が設置されているが、その委員・専門委員には、研究者や専門家などとともに、PFIを推進するコンサルタント企業のメンバーも多く含まれている。例えば、黒石匡昭氏(新日本有限責任監査法人・パブリック・アフェアーズグループ)、下長右二(パシフィックコンサルタンツ・事業マネジメント本部PPPマネジメント部部長)氏、福島隆則(三井住友トラスト基礎研究所)氏、村松久美子(PwC あらた有限責任監査法人電力ガスシステム改革支援室)などである。

 黒石匡昭氏が属する新日本有限責任監査法人とは、ロンドンに拠点を置くEY(アーンスト・アンド・ヤング)を中心とする企業グループである。EYは「世界の4大会計事務所」の一つであり、イギリスの水道民営事業で会計監査を行った経験もある。国際市民社会からは、グローバル企業のためのロビー活動を進めるコンサル企業として常にチェックされているような企業である。黒岩氏はインフラストラクチャー・アドバイザリーグループの責任者として、政府と自治体のPFIPPPを強く推進するポストに就いている。前述のスキャンダルが取り沙汰された福田隆之氏も、この新日本有限責任監査法人の出身であることは偶然ではないだろう。

 その他にも、PwCあらた有限責任監査法人はやはりロンドンを拠点する世界有数のコンサルティング会社の日本法人であるなど、PFI推進委員会での外資系コンサル企業の存在が際立つ。

 もちろん、コンサル企業の人間がPFI推進委員に入ること自体はあり得る話だ。しかし問題は、他の各種審議会でも見られるように、公共の立場からPFI推進をチェックし、適正な歯止めをかけるような委員がほとんどおらず、著しくバランスに欠けている点だ。国民はこのよう�な審議会や委員会のメンバーを選定することができない。公正で客観的な判断がなされるような委員選定は不可欠である。「とにかく民営化・PFI推進」という流れを誰も止められないような委員会は「お手盛り」と批判されても当然である。

 さらに問題がある。内閣府PPPPFI推進室は、2016年から「上下水道コンセッション事業の推進に資する支援措置」として、自治体から申請を募り、専門コンサルによってコンセッションの導入の可否を調査するスキームを行っている。いわば「自治体のPFI導入の是非を専門家に診断してもらう」という内容だ。これにかかる調査費は全額国が支給する。つまり私たちの税金で調査が行われる。このスキームには、これまで浜松市や宮城県、奈良市などが申請し調査も実施された。

 ところがこの調査を請け負ったのは、前述のPFI推進委員が所属する企業なのである。その結果はもちろん「PFIを実施すべき」という報告書となった。例えば、浜松市におけるPFI導入調査は、新日本有限責任監査法人が13000万円の調査費で受託している。本来であればPFIの実施について公共性・中立性を保ちながら進言するべき立場の推進委員会に、コンサルとして多額の調査を受注している企業の人間が含まれており、実際に調査を受注していることは、公平性・平等性という点で問題である。入札によってこの調査は発注されているが、そもそもPFIPPPについての専門的な調査をできるコンサル企業は限られている。これら少数の企業によって調査費が分配され、自治体にはPFI推進のお墨付きが与えられ、そして水道企業が利益を得ていくという構図なのではないか。

 

PFI法が推進する「コンセッション契約」

 今回の水道法改正に「コンセッション導入」推進が盛り込まれた背景には、PFI法の側からの推進施策がある。その際のキーワードは「成長戦略」である。今まで民間が参入しづらかった水道など公共サービスに民間の投資を促し、儲かるビジネスとして市場化することで、財政難に苦しむ自治体側にもメリットがある。そして経済成長が可能となる、というものだ。

 そんな魔法のような話があるのだろうか? 人口も減って儲かりそうもない自治体に、利潤を追求する企業が本当にどんどん投資をするのだろうか? と多くの人がすでに気づいているだろう。確かに、難しい話なのである。

 PFIの手法は、民営化の本家とも言えるイギリスにて、「完全民営化」よりも多少公共の関与が強いスキームとして1992年頃に開発された。日本では19997月からPFI法が施行されている。しかし当初は限られた施設だけが対象であり、政府が期待していたほどの民間参入件数は伸びてこなかった。そこで政府は年々、PFIの対象を拡大し、法改正も重ねながら、様々なインセンティブをつけていく。その中で、官民連携の様々な方式も取り入れられ、2011年の法改正で、現在水道法で問題となっているコンセッション契約がPFI法の下で可能となったのだ。言い換えれば、政府はすでに2011年の時点から、「水道を民間事業者の手に」というシナリオを着実に描いていたのである。

 201712月には、強力なコンセッション導入に向けた指針が自治体に提示される。「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」が出され、原則として(1)10億円以上の建設を伴う事業、(2)単年度事業費が1億円以上の運営・維持管理事業は、従来型の手法の検討よりも、PPP/PFI手法の導入が適切か否かの検討を優先して行うべき、ということが定められた。しかも、「PPP/PFIの方がトータルコストが安い場合は、外部コンサルタントを起用しなければならない」、「PPP/PFIを導入しない場合には、その旨及び評価の内容をインターネットで公表する」なども定められるなど、事実上、自治体の自主的・自律的判断が歪められるような内容も盛り込まれていたのだ。

 本来、民間にとって魅力的な投資先であれば、政府が政策的に介入する必要もなく、市場原理に任せていれば投資はなされるはずである。しかしどうやら政府の描いたシナリオのようには自治体も民間企業も動いていかない。だから、ここまで国が介入して、多額の税金をつぎ込みながら、民間企業が水道事業に参入するように促しているのである。こうした半ば無理やり行われている水道への民間参入とは、いったい誰のためなのだろうか?

 現在審議されている水道法改正の背景には、こうした長年にわたる政府のPFI推進政策があるという事実を、私たちはまず知るべきであろう。そして、この流れを推進してきたのが、政府(内閣府)とコンサル企業、ヴェオリアなどの水企業という3者の共同体なのである。

 水道法が改正されなかったとしても、PFIコンセッションの流れはすでに多数の自治体で動いている。何度も触れたが、浜松市では20184月から、下水道のコンセッションを実施中だ。宮城県なども続いていくだろう。さらに厚労省は、20172月の水道コンセッション導入促進方針で、「トップセールス」のリストと称するものを示し、大阪市・奈良市・広島県・橋本市・紀の川市・ニセコ町・浜松市・大津市・宇都宮市・さいたま市・柏市・横浜市・岐阜市・岡崎市・三重県・四日市市・京都府・熊本市・宮崎市への働きかけをあげた。これらには水道事業が赤字経営でない自治体も含まれている。政府は優良自治体の水道さえも民間資本へ売り出そうとしているのである。

 

英国では「PFIは失敗」と断定

 PFIの生みの親である英国では、日本が進もうとしている方向とは真逆の判断が出された。

 1980年代後半から英国は公益事業を次々に民営化し、公共部門への民間参入を拡張。電話、ガス、空港、航空、水道などを民営化した。財政逼迫の中で老朽化したインフラを短期間に整備するためにPFIが「唯一の解決策」として進められてきたのだ。自治体の財政から借金は一見消えたように見えるため、PFIは魅力的に映るわけだが、これは現在の日本の状況ともよく似ている。

 しかし、2018年1月、英国会計検査院はPFIの「対費用効果と正当性」に関する調査報告を行った。導入前から分析されてきたデメリットの方が多く表れていることがわかったのだ。PFIのデメリットとは、「自治体と民間との契約期間が長い(20年程度)ため、競争原理が働かず公共サービスの質が低下する」「変化に対して柔軟に対応できない」「1つの事業者への包括的発注を行うため、業務プロセスがわかりにくく、価格上昇やサービス低下が起きても原因がわかりにくい」「資金の流れが不明確である」「民間がリスクを負担できない場合、サービスの途絶・質の低下が起きる」「民間が途中で破綻した場合、自治体の負担が増加する」などであった。

 こうした結果から会計検査院は、「多くのPFIプロジェクトは、通常の公共入札のプロジェクトより40%割高」「25年経験したが、公的財政に恩恵をもたらすというデータは不足」とまとめた。さらに、20181029日、フィリップ・ハモンド財務大臣は、「官民パートナーシップを廃止する。金銭的メリットに乏しく、柔軟性がなく、過度に複雑」として、「今後新規のPFI事業は行わない」と宣言するまでに至ったのである(進捗中のものは継続)。

https://hbol.jp/wp-content/uploads/2018/12/47455498_579463152476173_9171117862708838400_n-212x300.jpg 

また英国に限らず、ヨーロッパの多くの自治体では民営化されていた水道を、再び自治体のサービスに取り戻す再公営化が次々と広がっている。2000年から2016年までに世界で水道の再公営化をした自治体は、判明しているだけでも270近くとなる。私たちアジア太平洋資料センターは、201812月にこうした事例を描いたドキュメンタリー映画『最後の一滴までヨーロッパの隠された水戦争』の日本語版をリリースした。ここでは民営化の下で料金高騰や水道サービスの低下などの問題だけでなく、企業が財務状況を行政や市民に公開しなかったり、また契約自体が秘密であったなど、民主主義の根幹にも関わる問題が多数指摘されている。こうした失敗の経験から私たちは学び、国民・住民不在の政策決定がこれ以上なされないよう、メディアも市民も、これまで以上に強くチェック機能を働かせていかなければならない。

<文/内田聖子>
うちだしょうこ●NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表。TPPや日EU経済連携協定、RCEPなどのメガFTA、自由貿易・投資協定に関して、市民社会の立場から調査研究、政府や国際機関への提言活動、キャンペーンなどを行う。共編著に『徹底解剖 国家戦略特区 私たちの暮らしはどうなる?』(コモンズ)、『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(コモンズ)等




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【2018/12/06 01:45】 | 未分類
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9時から9時40分にかけて、衆議院国土交通委員会で、初鹿明博衆議院議員が石木ダム問題と東京外環問題を取り上げることになりました。
同委員会はインターネット中継されます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

【2018/12/05 01:43】 | 未分類
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    嶋津 暉之

水道民営化の道を開く水道法改正案が4日の参議院厚生労働委員会で可決されました。

◆水道法改正案、参院委で可決 民営化への懸念やまず
(朝日新聞2018年12月4日20時44分)
https://digital.asahi.com/articles/ASLD451MBLD4ULBJ00S.html

 水道事業を「民営化」しやすくする水道法改正案が4日、参院厚生労働委員会で与党などの賛成多数で可決され、週内にも成立する見通しとなった。この日の質疑でも民営化への懸念に質問が集中し、海外で近年相次ぐ失敗例についての厚生労働省の調査は、5年前に実施した3件しかないことが判明。利益相反の疑いも浮上した。

 冒頭の質疑で立憲民主党の石橋通宏氏は「驚くべき事態が発生した」と、水道事業を公営に戻した海外の事例を厚労省が3件しか調べていない点を指摘。「再調査して厚労省として責任ある形でやり直すべきだ」と求めた。

 争点の民営化の手法は、「コンセッション方式」と呼ばれ、自治体が施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる制度。改正案では、導入を促すため、自治体が水道事業の認可を手放さずに導入できるようにする。

 海外では水道の民営化が広がる一方、水道料金の高騰や水質が悪化する問題が相次ぎ、近年は公営に戻す動きが加速している。英国の調査団体がまとめた世界の水道民営化に関する報告書によると、2000~15年3月で、パリなど37カ国の235水道事業が民営化後に再公営化された。05~09年は55事業だが、10~15年は104事業に増えている。
 1999年に民営化したベルリンは、住民投票の末、13年に再公営化した。事業会社から運営権を買い戻すため約12・5億ユーロ(1600億円)かかった。ボリビアでは水道料金が高騰し、暴動が発生したケースもあるという。その一方で厚労省が調べた海外の再公営化事例は3件。厚労省が策定した「新水道ビジョン」に関するもので、法改正のためではなかったという。

 石橋氏は「なぜ失敗したのか、なぜ再公営化があったのか。個別具体的に全体の傾向も含めて調査をして当たり前だ」と指摘。根本匠厚労相は「失敗した事例をしっかり分析し、水道法を改正して公の関与を強化する今回の仕組みにしている」と強調。「大事なのはその事案に共通する問題点、課題。本質の問題は何か。それを踏まえて制度を作っている」と数の多さの問題ではないとの認識を示した。

 これまでの審議では、水道などの公共部門の民営化を推進する内閣府民間資金等活用事業推進室で水道サービス大手、仏ヴェオリア社日本法人の出向社員が働いていることも発覚した。

 社民党の福島瑞穂氏は「すさまじい利益相反。企業のために役所は働いているのか」と批判。内閣府によると、昨年4月に政策調査員として公募で採用し、海外の民間資金の活用例調査をしているという。この日の審議では、6月の参院内閣委員会で、コンセッションの推進策を盛り込んだPFI法改正案の審議にこの職員が同席していたことも明らかになった。(姫野直行、黒田壮吉、阿部彰芳)

◆野党「百害あって一利なし」 水道法改正案 参院厚生労働委で可決
(毎日新聞2018年12月4日 21時31分)
https://mainichi.jp/articles/20181204/k00/00m/010/278000c

 水道法の改正案が4日の参院厚生労働委員会で可決された。「百害あって一利なし」「世界の潮流に逆行している」。審議で立憲民主党などの野党は、実質的な民営化に当たるとしてコンセッション方式の推進に強く反対したが、「水道事業の基盤強化」を掲げる与党や日本維新の会などが押し切った。

 改正案は、水道事業の経営基盤の強化に向けて自治体の広域連携を進めるため、都道府県が市町村による協議会を設置できるようにするほか、民間資金活用による社会資本整備(PFI)の一つであるコンセッション方式を、自治体が認可を受けたまま、導入できるとする内容。

 立憲の石橋通宏氏は、海外の多くの都市で相次いでいる水道事業再公営化の動きのうち、厚労省が三つのケースしか調査していないことを指摘。同党の川田龍平氏も「利益に走る企業に災害時の献身的な活動は期待できない」とした上で「極めて重要なインフラを売り飛ばそうとしている」と訴えた。

 社民党の福島瑞穂氏は「水メジャー」と呼ばれるヴェオリア社の日本法人から内閣府に政策調査員として女性が出向していることを改めて問題視。「利害関係者で公平性がない」とした上で「世界は再公営化の流れなのに、なぜ日本が10周遅れで失敗を上塗りしなければならないのか」と主張した。(共同)

・・・以下は水道法改正案について懸念をしめす東京新聞と毎日新聞の記事・・・

◆水質悪化、料金値上げ危惧 民間に運営権 水道法改正案
(東京新聞2018年12月1日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201812/CK2018120102000169.html

 政府は、水道事業への民間参入を進める水道法改正案を今国会で成立させる方針だ。自治体による水道事業の経営悪化や水道管の老朽化に対応するため、民間企業に運営権を売却する「コンセッション方式」を導入しやすくするのが柱。野党の多くは、料金値上げや水質悪化を招きかねないと反対しているが、来週にも成立する可能性がある。(小椋由紀子)

 厚生労働省によると、市町村が運営する水道事業は全国で約三割が赤字。人口減少で十分な料金収入を見込めない事業者が、今後も増えると想定されている。

 高度成長期に整備が進んだ全国の水道管は、約15%が法定耐用年数の四十年を超える。耐震適合率も四割弱。大規模災害時に断水が長期化するリスクがあるとされるが、経営難の事業者には対応が難しい。

 改正案は、経営改善や老朽化対策を進めるため、水道事業の広域連携や官民連携を推進する狙い。コンセッション方式は現行も導入可能だが、自治体が事業認可を返上する必要があり、水道事業で導入例はなかった。改正案は、自治体が事業認可を持ったまま民間に運営を委ねられるようにする。民間は条例の範囲内で料金を設定できる。

 公共部門の民間開放は安倍政権の成長戦略の一つ。二〇一三年に閣議決定した日本再興戦略で「民間企業に大きな市場と国際競争力強化のチャンスをもたらす」として、上下水道や空港などへのコンセッション方式の導入推進を掲げた。

 だが、生活に不可欠で命にも関わる水道事業を、利益を追求する企業に委ねることへの不安は根強い。経営効率を優先して水質が悪化する懸念や、災害時の対応への不安、倒産リスクが指摘されるほか、経営改善が特に必要な地方で、採算が合いにくいため参入しないという疑念もある。

 海外では、民営化後に料金の高騰や水質が悪化した例が少なくない。フランスのパリやドイツのベルリンなどでは再公営化された。

 国内では、宮城県や浜松市など六自治体がコンセッション方式導入を検討する一方、福井、新潟両県議会では慎重審議や廃案を求める意見書が可決され、自民党議員も賛成に回った。

 改正案は先の通常国会で衆院を通過し、今国会では十一月二十二日に参院厚労委員会で審議が始まった。

 根本匠厚労相は二十九日の同委で「民間の技術や経営ノウハウを活用できる官民連携は有効な対策」と強調した。これに対し、共産党の倉林明子氏はコンセッション方式を「リスクが高い」と批判。立憲民主党の川田龍平氏は「自治体が専門人材を育成することで、この国の水を守るべきだ」として改正案に反対した。

◆クローズアップ2018 法改正案成立へ 民間力導入、水道分岐点
(毎日新聞2018年11月30日 東京朝刊)
https://mainichi.jp/articles/20181130/ddm/003/010/058000c?pid=14516

 臨時国会で審議されている水道法改正案が、来週以降に成立する見通しだ。経営の厳しい公共水道事業の基盤強化を目的に、広域連携や官民連携の推進を掲げるが、民間への運営権売却に道を開く内容に、野党側は「将来の安定供給に不安がある」と反発する。地方の現状を見ると、国の思惑通りに基盤強化が進むとは限らず、水道事業は今後の地方行政サービスの大きな課題になりそうだ。

·   <水道民営化は必要か 料金高騰、水質悪化…海外で失敗例続出>
·   <水道民営化の動き 外資に牛耳られる不安はないのか>
·   <水道民営化 企業の利益が水道料金に上乗せになるのは自明>
·    <世界の潮流に反する水道法改正案>

収益の改善が狙い 、仏で料金高騰の例

 「右肩上がりの水道料金を1割下げられる」(村井嘉浩宮城県知事)

 「企業の利益至上主義は止められない」(ジャーナリストの橋本淳司氏)

 29日の参院厚生労働委員会であった参考人質疑では民間参入を巡り、地元での推進を目指す村井氏と、海外での問題事例を挙げた橋本氏が、持論を展開した。

 原則的に市町村が独立採算で運営する水道事業は、人口減少に伴う収益悪化と設備の老朽化という二重苦に直面している。全国の1日当たりの水道使用量は2000年からの15年間で約8%減り、水道料金の全国平均は30年間で3割上がった。高度成長期に整備された水道管の更新も進まず、15%が法定耐用年数の40年を超過。主要な水道管の耐震化率は4割にとどまる。

 打開策として国が打ち出したのが(1)広域連携(2)老朽化対策(3)官民連携--の3本柱。都道府県に事業統合の推進や基盤強化計画の策定を促し、事業者(市町村)には施設維持と修繕の義務を課して収支見通しの作成・公表を求める。官民連携は、コスト削減のため自治体が施設を保有しつつ運営権を民間に売却する「コンセッション方式」の導入を可能にするのが目玉だ。

 国会では民間参入の是非が議論になった。「利潤追求の民間に任せれば、値上げと品質低下を避けられず、国民の利益にならない」と立憲民主党の石橋通宏参院議員。水道事業の労働組合を支持基盤に持つ同党には、民営化で雇用を脅かされるとの懸念もある。

 コンセッション方式の先進地とされるフランスでは、15年時点で上水道の60%が民間委託されている。しかし、料金の値上がりが大きくなるケースが多く、1984年から「水メジャー」と呼ばれる巨大企業に委託していたパリ市は、10年に再び公営に転換。委託の間の水道料金は約4・2倍に高騰したが、翌年の上水道料金は8%下落した。

 一方、南仏ニームでは、設備更新を水メジャーが放置し漏水率が30%に上ったが、行政は専門性の高さなどを理由に、19年の契約満了を待って他の民間企業に再委託する方針を決めた。

 こうした問題に対し、政府は自治体が条例で料金幅を決められる規定や国の立ち入り調査権限を盛り込むことで、安定供給を確保できるとする。だが、水道ビジネスに詳しいコンサルタントの吉村和就(かずなり)氏は「利益を重視して手抜きをする民間会社が出てきても、技術者の減った自治体では指導できない。企業を監督する国の専門機関設置を法に明記すべきだ」と訴える。

 改正案は今年の通常国会で衆院を通過し継続審議になったため、臨時国会で参院に続き衆院でも改めて可決されることで成立する。【原田啓之、パリ賀有勇】

限界迫る過疎地

 過疎地を中心に自治体の水道事業は限界に近付きつつある。特に寒冷な北海道は設備の劣化で料金が高額化しやすく、最も高い夕張市と最安値の兵庫県赤穂(あこう)市の差は約8倍に上る。

 夕張市の西隣の由仁(ゆに)町は農業が基幹産業。水道料金は全国2番目に高い。2015年、町内の浄水場の更新を諦め、広域水道企業団の浄水場から受水する方針に切り替えたのがあだになった。人口減や資材高騰により受水単価が上がり、当初想定の倍に。町は料金収入の3倍の予算を町財政から水道事業に繰り入れるが、5年ごとの値上げの検討が必要という。事業統合などについても、町の担当者は「事業の厳しい自治体同士が集まっても苦しいのは変わらない」と悲観的だ。

 厚生労働省によると、広域連携に向けた協議会などは、17年8月現在で34道府県に設置されている。だが、足並みの乱れもある。

 埼玉県秩父地方では16年度、5市町で作る一部事務組合の水道事業統合が始まった。しかし、水道料金が最も安い小鹿野町では、町の浄水場が将来廃止されることに「地元の水が飲みたい」と異論が噴出。町は17年度の費用負担の一部を見送ったが、広域化賛成の町長が当選し、18年度は一転して予算計上した。

 国が導入を後押しするコンセッション方式も、受け止め方はさまざまだ。

 浜松市は下水道の一部を海外で事業展開する「ヴェオリア」の系列企業など6社が出資した事業者に既に運営委託している。市の試算では、水道は老朽化対策などで今後50年間に約2900億円かかるとされ、20年で5割近い料金値上げが必要になる。独立行政法人化や完全民営化も含め今後の選択肢を検討した結果、コンセッション方式が最適との結論に至ったという。

 ただ、検討報告書は、市が運営会社を監督する仕組み作りなどの課題も挙げた。鈴木康友市長は「官100%、民100%はない」としており、担当者は「海外の事例を踏まえ、どこまで民間に任せるのかを分析したい」と話す。

 大阪市では、吉村洋文市長が水道局の経営形態見直しを訴えており、改正法成立を待ってコンセッション方式の一部導入も検討する。【阿部義正、松山彦蔵、奥山智己】

 


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【2018/12/05 01:32】 | 未分類
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     嶋津 暉之

「肱川水害 天災か人災か 治水対策考える講演会」が12月1、2日 大洲市と松山市で開かれました。1日は、京都大名誉教授の今本博健氏が「山鳥坂ダム計画が肱川治水を狂わせている」と題し講演し、2日は、滋賀県知事時代にダム建設を凍結した嘉田由紀子氏が「洪水多発時代の治水政策とは?」と題し講演しました。

◆愛媛豪雨災害 ダム計画・操作 疑問視 大洲で講演 水害要因 識者指摘
(愛媛新聞2018年12月2日(日))
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201812020017

 西日本豪雨で西予、大洲両市に甚大な被害を出した水害を検証する講演会が1日、大洲市であった。今本博健京都大名誉教授(河川工学)が講演し、野村、鹿野川両ダムの操作規則やこれまでの肱川水系の整備の進め方が被害拡大につながったと指摘した。

 今本氏は、国は山鳥坂ダム建設を優先し、堤防かさ上げや河道掘削などを先送りしてきたと主張。国と県の肱川水系河川整備計画の「河道内掘削を行わず」とする記述について、全国の1級河川でも異例と強調した。

 野村、鹿野川両ダムについて大規模洪水に対応した旧操作規則でも異常洪水時防災操作は避けられなかったとのシミュレーション結果を国が11月の検証の場で示したことを疑問視。防災操作をしなくても、野村ダムでは規定の洪水時最高水位を下回り、最大毎秒放流量は千トンに収まり、人的被害は防げたとの独自の試算を示した。鹿野川ダムについても、最大毎秒放流量は1700トン程度にまで大幅に低下できたとし、国に対しシミュレーションの根拠となるデータを示すよう求めた。

 滋賀県知事時代にダム建設を凍結した嘉田由紀子氏も講演で、ダムの操作規則について「命を守るためには、この通りでなくてもいいと書き込めばいい」と述べた。

 講演会は、大洲市などの有志約10人でつくる実行委員会が主催し、住民ら約150人が参加。肱川水系河川整備計画を住民参加でゼロから見直し、新たな計画を構築する▽当面の洪水対策は河床掘削と堤防建設に限る―の2点を国と県に求める決議をした。


【2018/12/05 00:47】 | 未分類
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    嶋津 暉之

京都府綾部市で開かれた元国交省近畿地方整備局河川部長・宮本博司氏の講演会についての記事です。

◆「ダム偏重」治水対策転換を 元国交省近畿地方整備局河川部長・宮本博司氏が講演/ふるさと再生懇、綾部市で学習会
(京都民報web)2018年12月3日)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2018/12/03/post-22535.php

今年の7月豪雨や9月の台風21号など相次いだ自然災害をめぐり、地域での防災について考えようと、ふるさと再生京都懇談会は11月18日、綾部市で元国交省・近畿地方整備局河川部長を務めた宮本博司氏を迎えて学習会を開きました。宮本氏は、「想定に頼った治水対策を止め、川に水を集中させない総合的な対策を取るべき」と訴えました。

 宮本氏は、現状の治水対策・河川改修では、「計画高水位以下の洪水に限って川に閉じ込めようとするもの」であり、想定外の雨量には対応できないと強調。

 そもそも、自然災害の規模は想定できないものであると指摘し、川の中に水を閉じ込める対策には限界があり、森林整備や霞(かすみ)堤などの土地利用で「洪水のエネルギーを川に集中させない」とともに、避難体制整備など総合的な対応が重要だと述べました。

 さらに、越水による堤防の決壊を防ぐための堤防強化が必要だと指摘。しかし、計画高水位より上の部分の堤防については、国は、ダムの効果で計画高水位を越えないため強化しない方針であることを告発。ダム偏重の治水対策を批判しました。

 災害対策の実施にあたり、例えば築堤工事などをめぐり「賛成」「反対」で住民と行政が対立し、折り合いがつかないことがあると指摘。解決策として自身が委員長を務めた淀川水系での河川整備案を審議する「淀川水系流域委員会」の経験を紹介。

 同委員会は、国交省が委員を選ばないことや計画原案を示さないなどの特徴があり、行政のお手盛り計画とならないため賛否をめぐる対立が起きないと報告。地域の河川整備にあたって同様の仕組づくりを提言しました。

 会場から亀岡市で建設中の大型スタジアムについての見解を問われ、「自然の特性として水が溜まる場所であり、その前提で土地利用、まちづくりすべき。その見地で考えるとおかしいと思う」と述べました。

 同会の田中康夫共同代表があいさつし、堀口達也前綾部市議が7月豪雨の同市での被害状況や課題について報告しました。

(「週刊京都民報」12月2日付より)

 


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【2018/12/05 00:01】 | 未分類
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