「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
利根川流域市民委員会がパンフレット「利根川をウナギがすみやすい川にしよう」を作成しましたので、お知らせいたします。

利根川流域市民委員会はかつての利根川の豊かな自然をできるだけ取り戻すことを求めて活動を続けている市民団体です。2006年に発足しました。

霞ケ浦を含む利根川はかつては日本で最大のウナギ漁獲量がありましたが、現在は漁獲量が激減しています。ウナギ激減の原因を探り、ウナギ復活の方策を見出すため、同委員会は「利根川の未来を考えるカムバック・ウナギ・プロジェクト」を立ち上げました。

利根川は、上流部に数多くのダムが、上中流部に利根大堰等の取水堰が、下流部に河口堰等があって、これらがウナギをはじめさまざまな水生生物の生息に大きな影響を与えています。

ウナギが成育できる流域環境の回復、魚など生き物が上り下りしやすい利根川にすることを目指して下記のパンフレットを作成しました。


unagi1

unagi2

PDF版は ウナギパンフレット20170729 からダウンロードすることができます。

また、パンフレットを入手されたい方は利根川流域市民委員会の事務局までご連絡ください。
利根川流域市民委員会
事務局 〒187-0001 東京都小平市大沼町7-5-4 (深澤洋子)
TEL&FAX 042-341-7524


【2017/08/19 23:46】 | お知らせ
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       嶋津 暉之

石木ダム問題で知事と反対派の話し合いのための話し合いが決裂しました。

◆話し合い決裂! : 石木川まもり隊
http://ishikigawa.jp/blog/cat06/2935/


◆ダム反対派と知事の面談困難に
(NHK2017年 08月17日 16時03分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035766441.html

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者らが中村知事との面談を求めていましたが、双方の折り合いがつかないまま、話し合いが打ち切られました。

川棚町の石木ダムの工事現場では、先月28日未明に重機が搬入され、建設に反対する地権者らが抗議したことから、県は工事を中断するとともに、安全対策などを話し合うことにしました。

17日は、川棚町にある県の事務所に県の担当者10人と地権者らおよそ30人が集まり、2時間にわたって話し合いが行われました。

この中で、地権者らが要望していた中村知事との面談について、県側は面談する意向があるとしたうえで、面談は13世帯の地権者のみで、世帯ごとに1時間程度とするなどの条件を示し、今後日程を調整したいと伝えたということです。

しかし、中断していた工事を18日から再開すると伝えたことから地権者らが受け入れられないと反発し、折り合いがつかないまま、話し合いが打ち切られたということです。

地権者の1人岩下和雄さんは「現場で何が起こっているか知事に直接伝えたかったが、工事が再開されれば冷静な話し合いはできない」と話していました。

一方、県土木部の岩見洋一部長は「私たちから話し合いを拒んだわけではない。今後も工事を安全に進めていきたい」と話していました。


◆石木ダム・地権者と県の協議の場
(テレビ長崎2017年8月17日 18:38)
http://www.ktn.co.jp/news/20170817144563/

川棚町の石木ダム建設をめぐり、県は、一旦 工事を中断した上で、事業に反対している地権者と、2度目の話し合いを行いました。知事との面会を求める地権者側に対し、県側は、18日、工事を再開する意向を示し、話し合いは決裂しました。

石木ダムの建設に反対する地権者は、川棚町の県の事務所で、今月1日以来2度目の話し合いの場を持ちました。

石木ダムの建設をめぐっては、先月28日に、ダム建設の関連工事のために、県が、深夜に重機を現場に運び入れたことに地権者が抗議し、工事は一時中断しています。県と工事に反対する地権者側との話し合いは、非公開で2時間ほど行われ、地権者側が求めた知事との面会について、県側は、個別に会うことはできると提示したということです。

しかし「工事と面会は別問題」と、県が、18日に工事を再開する考えを示したことに、地権者側は「工事が進む中では知事と面会できない」と反発し、話し合いは決裂しました。

地権者 岩下和雄さん「今までは、これを機会に、知事に、私たちの気持ちを訴えて知事に判断を仰ぎたかった。それも、私たちの訴えもできなくなった」

県土木部 岩見洋一部長「安全に(工事を)続行させていただく立場なので、知事が会うかどうかの条件として、(工事中断を)掲げられるのは難しい問題」

県は、工事の継続は法的に問題はなく、今後の話し合いは、地権者側の意向を注視するとしていますが、地権者側は、工事に対する抗議を強める考えです。


◆石木ダム反対署名2548筆、知事へ提出 若者グループ /長崎
(毎日新聞長崎版2017年8月17日)
https://mainichi.jp/articles/20170817/ddl/k42/040/267000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業に反対する若者グループ「N-DOVE(エヌダブ)」が、ダム建設の撤回を求める署名2548筆を中村法道知事宛てに提出した。メンバーの原口菜々子さん(25)は「合理性のないダム建設を今すぐ中止し、住民が平穏に暮らせるようにしてほしい」と話した。

署名は2016年11月~7月15日に、長崎市の街頭や水没予定地の川棚町川原地区での祭り、インターネット上で集めた。対応した吉田慎一・県土木部次長は「先日も九州北部豪雨が起こり被害が出たが、ああいう災害にダムは有効。自然を守るのも大切だが、行政は住民の命を守る責務がある」と話した。

N-DOVEは今後も石木ダムに関する動画配信などで反対運動を続けていくという。【浅野孝仁】


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【2017/08/19 00:09】 | 石木ダム
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           嶋津 暉之

思川開発事業と篠崎公園地区スーパー堤防事業を位置づけた「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更案)」が公表されました。
5月下旬から6月下旬まで河川整備計画(変更原案)についてパブリックコメントが行われましたが、今回の変更案は変更原案とほとどんど変わっていません。
変更原案に対して思川開発事業とスーパー堤防事業について多くの反対意見が出されました。
市民から出された意見、それに対する関東地方整備局の考え方(答えになっていない)、学識経験者の意見(ピント外れが多い)も掲載されていますので、ご覧ください。

◇「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更案)」の公表について

関東地方整備局河川部
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000349.html

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更案)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000680412.pdf

利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更原案)」について学識経験を有する者、関係する住民、関係都県等からいただいたご意見とこれらのご意見に対する関東地方整備局の考え方
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000331.html

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更原案)」について学識経験を有する者からいただいたご意見
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000680324.pdf

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更原案)」に対する郵送、ファクシミリ、電子メールによる意見募集(結果)
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000328.html

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(変更原案)」について関係する住民からいただいたご意見
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000680323.pdf


【2017/08/04 21:49】 | 政策
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         嶋津 暉之

メコン川流域での中国主導の「水運開発」問題についての記事です。

◆ASEAN50年
メコン川流域 中国主導の「水運開発」 岩礁爆破に住民反発

(毎日新聞2017年8月4日 東京朝刊)
https://mainichi.jp/articles/20170804/ddm/007/030/076000c

 東南アジア最長のメコン川で、中国主導の水運開発計画が進められている。流域は、中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の「重要なプラットフォーム(現場)」(中国外務省)。だが、早瀬や岩礁を爆破して浅瀬をしゅんせつするやり方に、地元住民からは反対の声も上がっている。

 茶色く、渦を巻いて流れるメコン川。数百メートル先の対岸はラオスだ。ボートでさかのぼること約1時間半。地元非政府組織(NGO)代表のニワットさん(62)が、増水した川から岩がごつごつ突き出た場所を指さした。「爆破すれば二度と再生できない。生態系に大きなダメージとなる」

 ニワットさんによると、こうした場所は魚のえさ場や産卵地で、乾期には鳥の生殖地にもなる。メコン川流域では、今も新種生物が多数見つかり、メコンオオナマズなど絶滅危惧種も生息する。
 計画では、中国雲南省からラオス北部ルアンプラバンまで約890キロのうち、630キロで工事し、2025年までに500トン級の船が通れるようにする。中国、ミャンマー、タイ、ラオスの共同プロジェクトで、上流では以前一部作業が実施されたという。

 中国と関係を深めるタイ軍事政権は昨年、第1段階の計画を承認。4月にはチェンコン付近の岩礁などで約1カ月間、環境影響調査も実施された。ある当局者(43)は「調査を受け入れただけでまだ何も決まっていない」と言いつつ「環境保護は当然だが、経済発展のことも考えなくてはならない」と語る。

 かつては岸から投網でたくさんの魚が捕れたが、もうそういう光景は見られない。「上流の中国にはいくつもダムがある。我々は自然を守りたいだけなんだ」とニワットさん。子供の頃から舟を操るチャディンさん(64)も「大型船が通れば波で小舟はひとたまりもない」と心配する。

 チェンコンを訪ねた日、街では雲南省の視察団を乗せたバスが、警察車両に先導されていた。中国とタイの支援で建設された第4タイ・ラオス友好橋を渡り、ラオスのファイサーイへ出てみた。「福満多超市」「診所」「土地出租」--。漢字表記の看板があふれ、100店以上が集まる中国人による雑貨・機械類の市場もあった。チェンコンで飲食店を営む男性(53)がつぶやいた。「ここはメコン川の恵みで成り立っており、爆破には反対だ。でも、この中国の勢いには抗しきれないかもしれない」【チェンコン(タイ北部)で西脇真一】


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【2017/08/04 21:42】 | 新聞記事から
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    嶋津 暉之

利根川水系渡良瀬川河川整備計画の策定に向けて渡良瀬川有識者会議が下記のとおり、開かれます。

会議の資料は8月2日に開かれた渡良瀬川関係県会議と同様のものが配布されると思います。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000333.html 

これを読むと、計画原案についてこれからパブリックコメントが行われることになっています。

渡良瀬川河川整備計画原案を見ると、争点となるようなダム建設等の大規模河川事業はないように思われます。

利根川水系の本川・支川で河川整備計画がすでにできているのは、利根川・江戸川の本川、鬼怒川、霞ヶ浦です。

本川の計画は八ッ場ダム事業を位置づけるために2013年5月に策定され、その後、霞ケ浦導水事業を位置づけるために2015年度に変更、さらに思川開発事業を位置付けるために現在変更手続き中です。

鬼怒川の計画は鬼怒川水害があって、2015年度に策定され、、霞ケ浦の計画は霞ケ浦導水事業を位置づけるために2015年度に策定されました。

計画未策定の支川は渡良瀬川、小貝川、中川・綾瀬川です。

河川法が改正されてから、20年になりますが、利根川水系の河川整備計画の策定はこのような進捗状況になっています。

◇第6回渡良瀬川有識者会議の開催について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000345.html
関東地方整備局
河川部
渡良瀬川河川事務所

第6回渡良瀬川有識者会議(本文資料(PDF)別添)を開催しますので、お知らせいたします。



1.開催日時
平成29年8月8日(火) 14時00分~16時00分(予定)
2.開催場所
公益財団法人栃木県南地域地場産業振興センター 4F小ホール
住所:栃木県足利市田中町32-11
開催場所の最寄り駅:JR足利市駅から徒歩約12分
※会場の駐車場は数に限りがあります。
3.議事(予定)
・利根川水系渡良瀬川河川整備計画(原案)
4.公開等
・会議は公開で行います。
・会議のカメラ撮りは、冒頭部分のみ可能です。
・その他、会議の公開について詳細は「渡良瀬川有識者会議公開規定(本文資料(PDF)別紙1)」をご覧下さい。


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【2017/08/04 20:48】 | お知らせ
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           嶋津 暉之

石木ダム建設を阻止するため、現地ではすさまじい闘いが続けられています。

◆深夜0時に重機搬入!
: 石木川まもり隊
http://ishikigawa.jp/blog/cat06/2855/

7月28日、日付が変わったばかりの午前0時20分、県は大型重機を現場に入れ込みました。
地権者・支援者が搬入口と考えていた正面ゲートではなく、護岸を壊しかけていた河川敷から入れたのです。

0時26分に連絡を受け、〇村夫婦と一緒に現地へ駆けつけましたがすでに重機は入ったあと、みなさんと一緒に入れ込んだ重機を持ち帰るよう抗議を続けましたが、所長はOKしません。

5時間に亘る抗議の結果、今日から来月16日まで作業は中断する。その間重機の搬出も含めて話し合いを持つということで話が付きました。

しかし、壊された河川敷・護岸、大型重機で進むであろう工事を考えると怒りでいっぱいです。
ダム事務所職員だけでなく、本庁や県北振興局からも応援部隊を呼び、夜中に重機を入れなければならない公共事業とは何なのか!こんなことをやっていいのか!長崎県は恥を知るべきです。

中村法道知事、法の道と言う名前が泣きますよ。みなさん、長崎県に抗議のメール・FAXをお願いします。

石木ダム建設事務所(☎0956-82-5109 FAX0956-83-2944)


◆県、再び未明に車両搬入 石木ダム付け替え道路
(長崎新聞2017年7月29日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170729-00010002-nagasaki-l42

県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業で、県は28日未明、付け替え道路工事現場に新たな作業車両を搬入した。住民らの抗議を受け、県は8月16日まで工事を一時中断し、その間に今後の進め方などについて反対派と話し合いの場を設けることで合意した。
 県によると、28日午前0時20分ごろ、ショベルカー2台を搬入。住民に監視されている正面ゲートを避け、5月に川の護岸を削って整備した別の作業路を利用した。稼働中の車両と比べ掘削能力が約3倍あり、今後工事のペースを上げる構え。現場近くの作業員用詰め所の敷地には、地面を締め固めるローラー車も入れた。

 物音に気づいて集まった住民が撤去を求めたが、県石木ダム建設事務所の有吉正敏所長に拒否されたため、取り囲んで帰らせないようにした。110番通報で警察も駆け付け、にらみ合いは午前6時すぎまで続いた。交渉の結果、住民が県職員を解放する代わりに、県側は工事の一時中断と後日の話し合いを約束した。

 工事を巡っては、県は反対派の監視をかいくぐるように、1月末の早朝に工事車両を搬入、6月には未明に詰め所を新設している。


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【2017/08/03 02:20】 | 石木ダム
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              嶋津 暉之

8月1日、江戸川区北小岩一丁目スーパー堤防の差止め等を求めた控訴審の第2回口頭弁論が東京高等裁判所で開かれました。
この控訴審で、スーパー堤防事業がまったくの虚構の事業であることを明らかにする意見書を提出しました。

意見書を下記に掲載しましたので、お読みいただければと思います。
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2017/08/1237a8d572dfb366508e625d1094ca2e.pdf

スーパー堤防はまことに愚かな河川事業であり、事業そのものを廃止させなければなりません。

意見書の要旨は次のとおりです。


① 本件対象地区は江戸川沿川において水害の危険性が最も小さいところであり、高規格堤防に変える必要性がまったくない。
・利根川水系利根川・江戸川河川整備計画が目標とする治水安全度(1/70~1/80)を確保する上で必要な堤防が本件対象地区ではすでに十分に整備されており、江戸川沿川の地域において最も安全度が高い地区である。

・国土交通省の計算では利根川水系河川整備基本方針の長期的な目標の治水安全度(1/200)に相当する洪水が来ても本件対象地区では溢れることはない結果が示されており、治水安全度が極めて高い。

・本件対象地区は江戸川区の中では標高が比較的高く、東京湾満潮面以下のいわゆるゼロメートル地帯ではないため、万が一、江戸川からの溢水があったり、未曽有の集中豪雨があったりしても、水害を受ける可能性が極めて低い地区である。


② 本件対象地区で整備される高規格堤防は延長がわずか120mの高規格堤防であり、今後、この高規格堤防を上下流に拡張する具体的な実施計画が存在しないから、江戸川の治水対策としての役割を何も果たさない。

・高規格堤防は超過洪水到来時の決壊の防止を名目に整備を進めるものであるが、それなりの長さで連続的な整備がされなければその役割を果たすことができない。右岸側の既設の高規格堤防は本件対象地区の上流側では3km以上、下流側では5km離れており、本件対象地区は孤立した点の高規格堤防をつくるだけである。

・右岸側で整備が計画されているのは約2km下流の篠崎公園地区の高規格堤防420mだけである。しかも、完成予定は2026年度であり、実際の完成は数年以上遅れるから、順調に行っても今から十数年以上先のことである。

・わずか120mだけの高規格堤防で、その上流と下流は通常堤防であるから、超過洪水の到来時には上下流で越流することになり、本件対象地区には溢れた洪水が押し寄せることになる。


③ 江戸川下流部等において計画通りに高規格堤防を整備するためには、気が遠くなるような超長期の年数と、巨額の河川予算が必要であり、高規格堤防整備事業は現実性が欠如している。

・江戸川下流部の両岸で高規格堤防が整備されたのは、6地区で、総延長は1730mであるが、高規格堤防としての基本断面ができている延長は一部であって、延べ510mしかない。計画整備距離数22kmに対してわずかその2.3%しか完成していない。

・江戸川下流部は20年以上前から高規格堤防事業が始まっている。20年経過して、整備率が2.3%とすれば、計画通りに22kmの整備を終えるためには、20年÷0.023 =約870年もかかることになる。

・このように整備の完了に気が遠くなるような年数を要する高規格堤防の整備は治水対策としての意味を持つものではなくなっている。

・高規格堤防を計画通りに整備するためには巨額の公費が必要である。本件北小岩一丁目高規格堤防の整備単価を使うと、江戸川下流部の未整備区間を約20kmとすれば、今後、 0.78兆円という巨額の公費が必要となり、高規格堤防は費用の面でも現実性が欠如している。


④ 北小岩一丁目地区高規格堤防について国土交通省は「その敷地を水防活動や一時的な避難場所として活用することが可能となる」と述べているが、それは虚構である。本件高規格堤防の周辺は通常堤防であるから、超過洪水の到来時には越流の危険に晒されており、江戸川に面する長さわずか120mの高規格堤防の上に避難しようする人がいるはずがない。


⑤ 江戸川の高規格堤防整備事業の無意味さは国土交通省関東地方整備局の事業評価監視委員会(2016年2月22日)でも指摘されている。篠崎公園地区の高規格堤防整備について事業の是非を問う厳しい意見が繰り返し出された。「江戸川でスーパー堤防の整備を進めていく具体的な計画がなくて、ここだけ、スーパー堤防にする意味がどこにあるのか」と、事業の必要性に強い疑問が投げかけられた。


⑥ 耐越水堤防工法はすでに確立された技術であり、旧・建設省は2000年に耐越水堤防工法の普及を進めようとしたが、その後、国土交通省は高規格堤防やダム建設の推進の妨げになるとして、耐越水堤防工法を認めない方針に転換してしまった。

・フロンティア堤防などの耐越水堤防の工法は旧建設省土木研究所で研究開発され、その研究成果に基づいて1980年代後半から一級水系の一部河川で整備が実施されてきた。その実績をもとに、旧・建設省は2000年3月策定の「河川堤防設計指針(第3稿)」に耐越水堤防の必要性と工法を明記し、全国の関係機関に通知した。

・ところが、2000年12月の川辺川ダム住民討論集会で、耐越水堤防の導入でダム建設の理由の一つがなくなることが明らかになったことから、国土交通省は「河川堤防設計指針(第3稿)」を廃止してしまった。

・国土交通省が耐越水堤防工法の普及に現在、ストップをかけるもう一つの理由は高規格堤防の推進である。耐越水堤防工法の普及を認めれば、極めて長い年月と巨額の公費を要する高規格堤防はその存在理由そのものが失われてしまうからである。

・そのことによって、日本の河川は耐越水堤防工法による堤防強化がいつまで経ってもされず、破堤の危険性が放置される由々しき事態になっている。



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【2017/08/03 01:01】 | スーパー堤防
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             嶋津 暉之

荒瀬ダムの撤去が最終段階になった熊本県・球磨川でリバーガイドの溝口隼平さんが、ボートで川を下るラフティングツアーの営業を8月に始めます。

◆この人に聞く リバーガイド 溝口隼平さん /熊本
(毎日新聞熊本版2017年7月30日)
https://mainichi.jp/articles/20170730/ddl/k43/040/235000c

再生した川で暮らす 溝口隼平さん(36)

 県営荒瀬ダム(八代市坂本町)がほぼ撤去され、かつての流れが戻ってきた球磨川中流域で、リバーガイドの溝口隼平さん(36)がラフティング会社「リボーン(Reborn)」を設立、ボートで川を下るラフティングツアーの営業を8月に始める。元々、ダム撤去の研究者として2010年、ダムから約400メートル下流沿いにあった空き家(同)に移り住んだ。国内で初の本格的なダム撤去を現場で見守りつつ、ラフティング事業を始める思いを聞いた。【聞き手・笠井光俊】

 Q 移住を決めた理由は?

 溝口さん 荒瀬ダム撤去が議論されていた頃は、金曜夜に愛知から夜行バスで来て、ダムや球磨川の写真を撮ったり、調査をしたりして日曜夜の夜行バスで戻る日々でした。ただ、国内で最初にダム撤去される場所に住んで、自然の変化を体感したい、川が再生する喜びを住民と共有したいと思っていました。当時は他県でも複数のダム撤去の議論があったのですが、最終的に撤去が決まった荒瀬ダムにしました。

 Q 移住後は生活費をどう稼いで、どう暮らしていくかなど、大変だったのでは。

 溝口さん デイサービスの送迎運転手から始めて、青のり漁師や土木作業員など、ガイド業とは別にいろいろな仕事をいただきました。冬季の植林、間伐の仕事は今後も続けます。送迎運転手をやったことで、地域の人たちに顔を知ってもらい、昔の球磨川の写真などを見せてもらえるようになりました。現地に住んでいないと見聞きできないことに触れることができ、自分の研究にとっても良かったです。

 Q ダム撤去を研究するようになったのはなぜですか。

 溝口さん 小さい頃から川遊びが好きだったのが原点です。高校生の頃、鹿児島県出水市で砂防ダムを越える土石流災害があり、犠牲者の遺品を探す作業にボランティアで加わる中で、河川行政への疑問が膨らむとともに、自然の再生に興味を持ちました。荒瀬ダムに関しても球磨川の再生や地域の変化などの一部始終を記録したいと考えています。

 Q 研究とは別に、ラフティング事業を自分で始めるというのは、どんな考えがあったのですか。

 溝口さん ダム撤去によって再生した川を生活の場にしたいという思いがありました。何らかの形でお金が回って、苦労はあるけれども、ちゃんと生活していけるんだ、ということを見せたい。例えば、再生しつつある川で何十年ぶりかで出漁している川漁師さんを見ると、ものすごく尊敬する上に感動してしまいます。ここがちゃんと生活の場になることは、ダム撤去を願っている他地域の人たちへの発信にもなるかもしれません。

 Q 球磨川のラフティングは人吉・球磨地域の上流域が有名ですね。

 溝口さん 今後は中流域でも増えると思います。当面、川下りは瀬戸石ダム(芦北町、球磨村)の直下から坂本町の中心部近くまでの約10キロ内で、天候や水量、お客さんの要望を元にコースや遊び方を選びます。所要時間は2~3時間。「リボーン」という名は「再生」という意味で、川を巡るいろいろなものが再生し、生まれ変わってほしいという願いを込めています。

  ◇  ◇

 「リボーン」のラフティングツアーは完全予約制で7人まで。料金1人6000円。問い合わせは090・2516・3900。

 ■人物略歴
みぞぐち・じゅんぺい

 鹿児島県出水市出身。高校まで地元で過ごし、愛知県の人間環境大学を卒業後、東大大学院農学生命科学研究科の付属施設「愛知演習林」(現・生態水文学研究所、愛知県瀬戸市)の研究員として全国のダム撤去事例を研究した。2010年秋、八代市坂本町に家族で移住。13年に一般社団法人ラフティング協会のリバーガイドに認定され、人吉・球磨地域のラフティング会社で経験を積んだ


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【2017/08/03 00:53】 | 脱ダムの流れ
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         嶋津 暉之

熊本県・球磨川の荒瀬ダムの撤去工事は終盤を迎えています。

◆国内初の完全撤去へ 熊本・荒瀬ダム発電所の解体開始
(産経新聞2017年7月28日)
http://www.sankei.com/west/news/170728/wst1707280041-n1.html

 熊本県は28日、国内初となる県営荒瀬ダム(八代市)の完全撤去作業の一環として、球磨川の約2キロ下流にある藤本発電所建屋の解体作業を始めた。平成24年9月から取り組んでおり、来年3月までに全ての構造物を撤去することを目標にしている。

 発電所の建屋を除くと、残る主要な構造物は右岸の長さ約10メートル、高さ約25メートルの堤体と長さ約40メートルの取水施設、発電所近くの調圧水槽になる。右岸の堤体は撤去予定だったが、遺構として残すために県が川の管理者の国と協議している。

 藤本発電所は、鉄筋コンクリート製の地上2階、地下3階建てで、昭和29年12月~平成22年3月に稼働。県によると最大出力は1万8200キロワットで、年間供給電力は一般家庭約2万世帯の1年間の使用量に相当した。

 荒瀬ダムは熊本県が昭和30年、球磨川に建設した発電専用ダム。老朽化に加え、アユがすむ川の水質悪化の原因になっているとして、ダムを撤去し自然の状態に戻す作業が続けられている。


【2017/08/03 00:50】 | 脱ダムの流れ
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             嶋津 暉之

国交省の第3回「高規格堤防の効率的な整備に関する検討会」が7月27日、開催されました。

第3回検討会の配布資料及び第2回検討会の議事要旨が国土交通省HPに掲載されましたので、お知らせします。

◇第3回 高規格堤防の効率的な整備に関する検討会(平成29年7月27日開催)の資料
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/koukikaku_kentoukai/dai3kai/index.html

議事次第(PDF:20KB)
資料 とりまとめ(案)(PDF:239KB)
参考資料 第2回高規格堤防の効率的な整備に関する検討会 議事要旨(PDF:71KB)

この検討会は第3回で終わりで、取りまとめ案が掲載されています。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/koukikaku_kentoukai/dai3kai/pdf/1-2_matome.pdf

この検討会はスーパー堤防の整備をスピードアップさせる方策を検討するものですが、そのような妙案はなく、課題を羅列しただけのとりまとめ案をつくって終わりのようです。
スーパー堤防そのものが無理のある事業なので、整備のスピードアップはできないと思います。

◆スーパー堤防、街づくりメリット拡大へ
 国交省、税制など支援のほか工事改善も

(リスク対策2017/07/28)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3388

国土交通省は27日、「高規格堤防の効率的な整備に関する検討会」の第3回会合を開催。報告書のとりまとめを行った。「スーパー堤防」と呼ばれる高規格堤防の整備促進へ、共同事業者であるデベロッパーなどが堤防整備で生まれる土地を生かした街づくりを行いやすいよう、インセンティブ付与や事業化へのスピードアップ支援などを行うべきだとした。

高規格堤防は土でできた緩やかな勾配のある堤防。幅が広く、防災以外に堤防の上を利用した街づくりを行える。しかし共同事業者にとってメリットが少なく、河川管理者である国との協定締結など事業化、さらには構造物撤去や盛り土、地盤改良など整備にも時間がかかるといった課題がある。

2010年の民主党政権下での事業仕分けによりいったん廃止が決定。その後に検討会が開かれ、従来計画の約873㎞を、荒川、江戸川、多摩川、淀川、大和川のゼロメートル地帯を中心とした緊急性のある約120㎞に縮小し整備を進めることとなった。3月末時点での整備状況は整備区間の約12%の約14kmで、高規格堤防の基本的な断面形状が確保されているのは約2.8%の約3.3kmにとどまっている。

報告書では共同事業者に対し税制や融資での支援を検討すべきだとした。また手続きの改善として、高規格堤防整備の予定区域を明示し、共同事業者を公募する仕組みが必要と指摘。コスト縮減や工期短縮へ向け、盛り土や地盤改良と建築物や基礎の一体施工、さらなる新技術作りに取り組む。コスト縮減が実現した新技術の活用実績を事例集として作成し、ほかの地区へ広めることも行うべきとしている。
(了)


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【2017/08/03 00:25】 | スーパー堤防
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