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「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
      嶋津 暉之

石木ダム問題の映画「ほたるの川のまもりびと」の上映情報をお知らせします。
美しい里山に暮らす13世帯の生活と自然、石木ダム事業の理不尽さがしっかり伝わってくる素晴らしい映画です。
まだ観ていない方は是非、ご鑑賞ください。
また、周りの方にもこの映画の鑑賞をお勧めください。

◆6/28 映画「ほたるの川のまもりびと」
http://www.alterna.co.jp/27277

半世紀もの間、ダム建設に抗いふるさとを守り続ける人々。グリーンピープルズパワーは、美しい里山に暮らす13世帯を巡るドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」(監督:山田英治/配給:ぶんぶんフィルムズ)の上映会を開きます。

マイカップ・マイボトルを持参の方は、コーヒー・麦茶を無料サービス。紙コップをご利用の方は、100円頂きます。

とき:6月28日(金)

第1回:開場14:30 上映スタート15:00~
(上映後、トーク&意見交換会 ゲストはパタゴニア日本支社の辻井隆行支社長)

第2回:開場18:30 上映スタート19:00~
(上映後、トーク&意見交換会 ゲストは鎌仲ひとみさん)

ところ:ギャラリー古藤 (ふるとう)(東京都練馬区栄町9−16)

定 員:各回40名 参加費:1,000円

詳しくは⇒  https://gpp-event.blogspot.com/2019/06/gpp-hotaruriver0628.html

 

【2019/06/15 15:00】 | 未分類
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        嶋津 暉之

八ツ場ダムの水没予定地から17年前に高台に移転新築された第一小学校が廃校の危機にあります。
今年度の入学者はゼロで、全生徒数は17人、1~6年合わせて、3学級編成になっています。

◆群馬)八ツ場ダム見返りの屋内プール付き学校、廃校危機
(朝日新聞2019年6月14日03時00分) 丹野宗丈
https://digital.asahi.com/articles/ASM6B7JJLM6BUHNB01F.html?iref=pc_ss_dat

 国が来春の完成を目指す八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設が着々と進む一方で、水没予定地から17年前に高台に移転新築された小学校が、廃校の危機に直面している。児童数が急減し、今春の入学者はゼロに。統廃合も含め、町は今秋にも方針を示す見通しだ。

 水没地区の児童が通う第一小は1911(明治44)年開校。当時、県内最古の木造校舎が残っていたが、2002年に林地区の新校舎に移転した。移転新築には国の補償金から町が支出したほか、ダムの利水の恩恵を受ける東京や埼玉、千葉、茨城、群馬の1都4県が費用を分担。国庫補助も含め計約12億2800万円で建てられ、実質的に町側の負担はゼロ。屋内プールも完備している。
 ただ、児童数の減少が止まらない。ダム事業の遅れなどで、移転対象470世帯の多くが町外や町内の他地区へ去り、水没地区の代替地で暮らすのは昨年末現在で96世帯。少子化も伴い、児童数は激減した。町教委によると、水没5地区のうち4地区が学区域の第一小は、1959(昭和34)年には307人いたが、02年は54人、今年は17人。今は特別支援学級を除き、2学年で1学級の計3学級編成になっている。

 こうした状況を受け、町議会は昨年12月、町内の4小学校と2中学校のあり方を検討するよう萩原睦男町長に申し入れた。町は今年1月、町長と教育長、小中学校長、PTA代表、町議らによる委員会で検討を始めた。3月には保護者らにアンケートを配布。月1回のペースで会合を開き、今秋までに意見をまとめるという。

 実は第一小は、統廃合直前まで話が進んだ過去がある。移転新築から5年後の07年、町は児童減少を受け、西に約5キロ離れた中央小への統合をいったん決めた。ただ、費用を負担した下流都県からの批判を危惧するなどした結果、一転して08年に存続とし、計画を凍結した。

 すでにダム完成を目前に控えた今、下流都県は統廃合の検討にも理解を示す。東京都広域調整課は「ダムの恩恵を受けるので、地元の要望に応えて小学校建築に協力したのは当たり前のこと。こちらから何か具体的に言える立場にない」。埼玉県土地水政策課は「お金を投入してはいるが、ダムによって地元が一番苦労しているはず。良い選択ができるよう、今後は町の判断に任せたい」。

 萩原町長は「教育を受ける子どもや親の気持ちは大事。ただ、何でも小さくしていけば歯止めが利かなくなる恐れもある。何が正解かわからないが、みんなで具体的な方向を決める議論をしたい」と話した。(丹野宗丈)


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【2019/06/15 14:58】 | 未分類
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      嶋津 暉之

八ツ場ダムの本体のコンクリート打設工事の完了式が行われ式典を中心とする記事がほとんどでしたが、八ッ場ダムの問題点を多少伝える記事もありましたので、お送りします。
朝日新聞と毎日新聞の記事です。

◆群馬)「地上の星」流れる現場 八ツ場ダム工事大詰め
(朝日新聞2019年6月13日03時00分)
https://digital.asahi.com/articles/ASM6B5SBBM6BUHNB00J.html?iref=pc_ss_date

 国が来春の完成を目指す八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の本体のコンクリート打設工事の完了式が12日、現地で開かれた。国は、水をためるテストの「試験湛水(たんすい)」を今秋に始め、来春以降にダムとして使い始める予定。戦後間もない1952(昭和27)年に浮上してから70年近い歳月をかけた計画は、大詰めを迎えた。

 NHKで放送された番組「プロジェクトX」の主題歌だった中島みゆきさんの「地上の星」のメロディーが流れる中、午前10時半ごろに始まった式典。地元住民代表や、群馬県の大沢正明知事、埼玉県の上田清司知事をはじめダムの受益者の1都5県の関係者ら約230人が集まった。ダム本体の頂上部に最後のコンクリートを流し込み、打設工事は完了。会場の大型スクリーンで工事の映像が流れ、拍手が起こった。

 地元の激しい反対運動や度重なる事業の遅れ、民主党政権下の中止表明と撤回などを経て、ダム本体工事は2015年1月に着手。16年6月、コンクリートを流し込み堤体を造る打設工事がスタートしていた。

 ダム本体の重さで水圧に耐える重力式コンクリートダムで、本体の高さは116メートル、頂上部の幅は290メートル。国土交通省によると、今後はダム本体への放流設備の設置や、周辺の工事設備の撤去に着手するほか、水没予定地周辺の遺跡発掘調査や地元の生活再建事業が続けられる。試験湛水での強度テストを経て、今年度内に完成を見込む。完成後は利水と治水、発電の多目的ダムとなり、総貯水量は1億750万立方メートル。東京ドーム約87杯分という。

 式典は国交省関東地方整備局と本体工事の元請けの清水建設、鉄建建設、IHIインフラシステムの共同企業体(JV)が共催した。式典で萩原睦男町長は「昭和、平成と様々な状況を経験した八ツ場ダムの打設が令和になって完了したのは感慨深い。今後は積極的に情報発信を行い、町民一丸で地域を盛り上げることが重要」と話した。(丹野宗丈、寺沢尚晃)

維持管理費 地元に重く 道路などインフラ

 八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)が国の予定通り来春完成しても、地元の「生活再建」は終わらない。ダムを受け入れる見返りに造られた施設や道路、下水道、公園などの維持管理費が、綱渡りの財政運営を長野原町に強い続ける。

 「完成後は国や県は面倒をみてくれない。運営次第で町全体の負担になる」。6日、町役場で開かれた「水没関係五地区連合対策委員会」で、桜井芳樹委員長(69)が地域住民の代表らに訴えた。萩原睦男町長(48)は「町民全体で意識を共有したい。維持、管理、運営面でマイナスの部分もプラスの部分も非常に重要な場面を迎えている」と話を継いだ。地元ではダム完成が近づくにつれ、ダムとセットで造られたインフラの今後の維持管理コストへの危機感が広がる。

 国内のダム建設史上最高の約5320億円を投じた八ツ場だが、ダム本体の建設費は約625億円と12%程度。費用の多くは、水没予定地の用地買収や集落の移転などに投じられた。

 これとは別に、ダムの受益者となる東京、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬の6都県と国が、水源地域対策特別措置法に基づく振興事業や利根川・荒川水源地域対策基金を通じた事業に、計約1175億円を分担。地元の生活再建に関わる事業に使われている。いまもダムと並行して、アウトドアレジャー施設や水没文化財保存センター、農林産物加工施設、屋内運動場などの整備中だ。

 ただ、インフラ整備後の維持管理費は地元負担。ダム関連を除いた財政規模が年40億円程度の町には軽くない。5年前に就任した萩原町長は「これまで身の丈に合わないようなものも造られてきた」と話す。町は2016年、ダム完成10年後までの財政計画を練り始めた。人口減少による税収減を念頭に、ダムの見返りに造られたインフラの維持管理費を試算したが、「不確定要素が多い」として今も公表していない。

 維持管理に充てる財源は、将来に備えて今年度までに15億円を目標に積み立てている基金のほか、大きく二つある。一つは施設の委託運営先から純利益の3割を受け取る指定管理料だが、施設が赤字なら町の取り分はなくなる。

 もう一つがダムの固定資産税代わりの「国有資産等所在市町村交付金」。完成翌年度から交付されるが、最初の10年間は満額は交付されず、交付金が入ればその分地方交付税収入を削られる。結果的に町が財源に見込めるのは、最初の10年間は年1~2億円。満額交付でも年3億円程度とみる。

 人口減少や高齢化の影響も懸念される。萩原町長は「この先、色んなものが一気に古くなる。左うちわではいられない」。(丹野宗丈)
 

◆群馬・八ッ場ダム なお賛否 計画から67年、打設完了
(毎日新聞2019年6月13日 東京朝刊)
https://mainichi.jp/articles/20190613/ddm/041/010/071000c

 群馬県長野原町に国が建設している「八ッ場(やんば)ダム」の本体部分にコンクリートを流し込む「打設」が終了し、建設現場で12日、地元住民や国会議員ら230人が出席した「打設完了式」が行われた。紆余(うよ)曲折をたどったダム建設は計画から67年を経て、来春の完成に向けて大きな節目を迎えた。現実を受け止めて前を向く移転住民がいる一方、ダム建設を批判する根強い声も聞かれた。

 民主党政権は2009年、ダム建設中止を表明した。完了式で大沢正明知事は「これ以上地元の皆さまが苦しむことがないようにと事業再開に取り組み、本日を迎えられたのは万感胸に迫る思い」と語った。

 水没地区から代替地に移転して温泉街の再建を目指す川原湯地区の温泉協会長、樋田省三さん(54)は「『いよいよ完成する』という実感がわいた。これから本当の新しい川原湯が始まる」とかみ締めていた。

一方、民主党政権がダム建設事業を一転再開したのは公約違反だとして同党を離党した中島政希・元衆院議員(65)は毎日新聞の取材に、ダムは治水・利水の面から不必要であることが明白だと指摘し、
「平成の負の遺産というほかない」と話した。【西銘研志郎】

八ッ場ダムを巡る経緯

1952年 建設省(現国土交通省)が現地調査に着手

  80年 群馬県が長野原町と町議会に生活再建案を提示。地元は反発

2001年 住民と国がダム建設事業に伴う補償の条件に調印

  05年 住民と国がダム建設事業に伴う移転代替地の分譲基準に調印

  09年 民主党に政権交代。本体建設工事の入札を延期。ダム計画中止を発表

  11年 国交省が建設事業継続を決定

  12年 自民、公明両党に政権交代

  15年 ダム本体建設工事の起工式

19年6月 ダム本体部分にコンクリートを流し込む「打設」が完了

 20年春 ダム完成予定

 



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【2019/06/14 00:47】 | 未分類
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     嶋津 暉之

6月12日、八ッ場ダムで本体工事のコンクリート打ち込み完了式が行われました。
八ッ場ダム反対を言い続けてきている私たちにとってしんどい情報ですが、その関係の記事を参考までにお送りします。

◆計画浮上から67年、八ッ場ダム本体の工事完了
(読売新聞2019/6/12)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190612-OYT1T50140/

 群馬県長野原町で国が建設を進めている八ッ場ダムで12日、本体工事のコンクリートの打ち込み完了式が行われた。計画浮上から67年が経過したダムは、来年3月に完成する予定。治水と1都4県の利水、発電の多目的ダムとして運用が始まる。建設地の470世帯は別の土地に移り、高さ116メートル、最上部の幅290メートルのダムは放流設備の整備など、総仕上げの作業を残すだけとなった。

 ダムでは今秋、水をためて安全性を確認する「試験湛水」が行われる。国土交通省の式典に出席した大沢正明・群馬県知事は「住民の苦しみを振り返ると万感の思いだ」と述べた。

 利根川下流域の治水対策で、ダムの建設計画が持ち上がったのは1952年。5地区の集落や川原湯温泉街などが水没することになり、地元では激しい反対運動が起こって、長年にわたり、推進派との対立が続いた。建設合意後も、民主党政権による関連工事の中断などで地元は翻弄された。

 住民の流出・減少で、現在の人口は計画が浮上した当時の3分の1、約1100人まで減った。用意された代替地に移ったのは96世帯に過ぎない。シンボル的存在だった川原湯温泉も、1980年代に22軒あった旅館のうち、営業を再開したのは5軒のみ。移転した「やまた旅館」の豊田拓司さん(67)は「再開はしたが、これからが正念場だ」と険しい表情で話す。

 それでも地元では、完成を見据えた取り組みが始まっている。ダムを観光名所にしようと、長野原町は今年4月、ダム湖上に架かることになる八ッ場大橋で「貯水開始まで高さ日本一」のバンジージャンプの営業を開始。ダム湖ができれば、水陸両用の遊覧バス導入も予定している。下流の東吾妻町も、付け替えられたJR吾妻線の旧線路を活用、自転車型トロッコの運行を計画している。

 長野原町の萩原睦男町長は「苦渋の決断も強いられたが、これからは湖と八ッ場ダムをブランドとして発信し、完成後は、さらに前に進む」と話している。

 
◆八ッ場ダム「打設」完了 来春完成へ節目
(毎日新聞2019/6/12(水) 11:09配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190612-00000032-mai-soci

 群馬県長野原町に国が建設している多目的ダム「八ッ場(やんば)ダム」の本体部分にコンクリートを流し込む「打設(だせつ)」が終了し、建設現場で12日午前、「打設完了式」が行われた。建設計画から67年。地元住民の激しい反対運動や、民主党政権による建設中止など、複雑な経過をたどったダム建設は、来春の完成に向けて大きな節目を迎えた。
 完了式には、地元住民や大沢正明県知事ら自治体関係者、地元の国会議員などが出席した。
 八ッ場ダムは、旧建設省が1952年に現地調査に着手した。地元住民が反対運動を繰り広げたが、生活再建を前提に85年、建設を受け入れた。民主党は2009年の衆院選で建設中止を掲げ、政権交代直後に前原誠司国土交通相(当時)が建設中止を表明。しかし、地元自治体などの反発を受け、国交省がダムの必要性の有無を検証し、11年11月、「継続が妥当」との結論をまとめ、工事が再開された。【西銘研志郎】

◆八ツ場ダムほぼ完成 地方整備局が記念式典
(日本経済新聞2019/6/12 10:42)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45986430S9A610C1CC0000/

群馬県長野原町で建設中の八ツ場ダム本体工事が計画から70年近くを経てほぼ完成したのを記念し、国土交通省関東地方整備局は12日に式典を同町内で開いた。今後試験的に水をためて健全性を確認するなどして、2020年3月に完成を目指す。

式典に先立ち、利根川流域でダムの事業費を負担する茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京の6都県や地元自治体に向け、工事の経過を説明する現場見学会も実施。

八ツ場ダムは国が1952年に調査を開始した。住民は当初激しく反対したが、高台の代替地に集団移転する生活再建案を受け入れ、94年に周辺工事が始まった。民主党政権が2009年に建設中止を表明し、本体工事の入札を凍結したが、その後の自公政権下で入札が行われ、15年1月に着工した。〔共同〕


◆移転住民 生活再建誓う 八ッ場ダム、計画から67年「打設」完了
(毎日新聞2019年6月12日 11時26分)
https://mainichi.jp/articles/20190612/k00/00m/040/101000c

 67年前に計画され、群馬県長野原町に国が建設を進める多目的ダム「八ッ場(やんば)ダム」の本体部分にコンクリートを流し込む「打設(だせつ)」が終了し、建設現場で12日、「打設完了式」が行われた。地元住民の激しい反対運動や、民主党政権下の建設中断など、紆余(うよ)曲折をたどったダム建設は、来春の完成に向けて大きな節目を迎えた。しかし、水没のため造成地に移転を余儀なくされた住民の暮らしはいまだ再建途中だ。

 「出て行く人がいることは覚悟していたが、これほどまでに減るとは思わなかった」。水没する地区の一つで、800年の歴史を誇る「川原湯温泉」があった川原湯地区。ここで創業約100年の老舗旅館「やまきぼし」を営んでいた樋田省三さん(54)が言った。

 川原湯地区はダムの建設に伴い、山を切り開いた造成地に移転することになった。だが造成地の整備に時間がかかり、2009年には民主党政権下で建設工事が中断した。先が見えない不安から地元を離れる人が後を絶たず、造成地に移転した住民は約3分の1に。全盛期に約20軒あった旅館は廃業が相次ぎ、今では6軒となった。

 移転先は、旅館や飲食店、土産店が建ち並んだかつてのにぎわいとはほど遠い。樋田さんの旅館も再建途中にある。日中は旅館に先立ちオープンさせたレストランで厨房(ちゅうぼう)に立つ。「嘆いても、いる人でやらなければいけない」。地元の温泉協会の会長でもある樋田さんが目指すのは、ダムを生かした観光地化だ。4月にはダムに架かる橋でバンジージャンプの営業が始まった。

 「本当にダムで観光地化できるのか。川原湯をどうしたいかというビジョンが見えない」といった懐疑的な声もある。それでも樋田さんは「川原湯で生きる人に誇りを持ってもらいたい」との思いを胸に、「現実を受け止め、『絶対に成功する』という気持ちだ」と語る。

 完了式には、地元住民や大沢正明県知事ら自治体関係者、地元の国会議員などが出席した。【西銘研志郎】

 


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【2019/06/14 00:41】 | 未分類
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         嶋津 暉之

「堤防・ダム強化で水害防止=国土強靱化年次計画を決定―政府」という記事の見出しが気になりましたので、国土強靱化推進本部のHPに掲載された国土強靱化年次計画2019(案)を見てみましたが、中身は何もありませんでした。

国土強靱化基本法が2013年12月に成立しましたが、具体的な意味があるものではありません。

この法律で内閣府に国土強靱化推進本部ができましたが、その実態は、各省の施策で国土強靱化に結び付けられるものは何でも網羅して一括りにし、国土強靭化の施策を推進していると言っているだけのものです。

今回もそうでした。

安倍政権得意の「やってるふり」の一つでした。

 

国土強靱化推進本部(第10回会合)

議事次第

日時:令和元年6月11日(火)

国土強靱化年次計画2019(案)の概要

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokudo_kyoujinka/kaisai/dai10/siryo1.pdf

国土強靱化年次計画2019(案)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokudo_kyoujinka/kaisai/dai10/siryo2.pdf

 

 

◆堤防・ダム強化で水害防止=国土強靱化年次計画を決定政府

時事通信  2019611 1042分)

https://news.infoseek.co.jp/article/190611jijiX392/

 

政府は11日、国土強靱(きょうじん)化推進本部の会合を首相官邸で開き、2019年度の年次計画を決定した。

昨年12月に見直した国土強靱化基本計画に沿った初の年次計画で、近年相次ぐ水害の発生に備え、堤防やダムの機能強化といった事前防災対策に力を入れる方針を明記した。

 また計画では、防災・減災対策に関する国と地方自治体、民間の連携強化にも言及。

防災のための事業計画を作成した中小企業に対し、税制上の優遇や財政支援を行うことも盛り込んだ。 

[時事通信社]

 


【2019/06/14 00:33】 | 未分類
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      嶋津 暉之

熊本県・球磨川の川辺川ダムに代わる治水策を検討する球磨川治水対策協議会が6月7日に1年4カ月ぶりに開かれました。その記事をお送りします。

球磨川治水対策協議会などの一連の会議資料は国土交通省 九州地方整備局 八代河川国道事務所のHPに掲載されています。

http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/damuyora/index.html

そのうち、球磨川治水対策協議会第9回 令和元年6月7日開催 が今回の資料です。

議事次第資料1資料2資料3資料4資料5資料6参考資料意見書1 2

その中で、資料5 に10通りの治水案の概要が示され、事業費も示されています。
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/activity/kaisaisiryo/20190607shiryou5.pdf

最も安いのは、組み合わせ案④「(C)堤防嵩上げを中心対策案とした組み合わせ」ですが、それでも約2800億円もかかり、引堤や堤防嵩上げなどで移転戸数が 約340戸にもなるというのですから、実現の可能性はほとんとないと思います。

国土交通省が考える枠組みの範囲ではこのような検討結果しかでてきません。

有効な治水策は川辺川ダムを中心とするものしかないという結論になるように、国土交通省は長期的な策略を練っているのでないかと思います。

 
◆球磨川治水対策協議会
会合で国と県、10案示す 知事・流域首長会議で検討へ /熊本
(毎日新聞熊本版2019年6月9日)
https://mainichi.jp/articles/20190609/ddl/k43/040/354000c?pid=14516

 熊本県・球磨川水系の国営川辺川ダム(同県相良村)計画が白紙撤回された後、国と県、流域市町村がダムに替わる治水策を協議してきた「ダムによらない治水を検討する場」を引き継いだ「球磨川治水対策協議会」の第9回会合が7日、同県人吉市であり、事務局を務める国土交通省九州地方整備局と県が複数の対策を組み合わせた10通りの治水案を提示した。

 提示したのは、球磨川本流を3区間、支流の川辺川を3区間の計6区間に分け、引堤(ひきてい)(堤防を移動させて川幅を広げる)▽河道掘削▽堤防かさ上げ▽遊水地▽市房ダムのかさ上げ▽放水路--などの対策を組み合わせた数百通りの治水策の中から、概算事業費や環境・地域社会への影響、実現可能性などを考慮して絞り込んだ10案。

 堤防のかさ上げをメインに川辺川上流と球磨川上流の河道を掘削し、球磨川中流に造る輪中堤(わじゅうてい)や宅地かさ上げを組み合わせる案は事業費が約2800億円で最も安上がりではある。しかし人吉地区の景観を損ねる上、移転戸数が340戸に上る難点がある。

 川辺川上流部から直接、八代海に水を流す放水路の整備をメインに、球磨川上流部の河道掘削を組み合わせる案は家屋移転の必要がない。しかし事業費が約8200億円に上る上、関係漁協などとの調整が必要。このようにそれぞれの案の利点と課題も報告された。

 示された10案は流域市町村が持ち帰って意見をまとめ、その結果を踏まえて国交省九州地方整備局長や蒲島郁夫知事、流域首長らのトップ会議で検討する。【福岡賢正】

 
◆治水策10案提示 国交省と熊本県が球磨川対策協で
(熊本日日新聞2019年6月8日 09:57)
https://kumanichi.com/feature/kawabegawa/1069569/

 川辺川ダムに代わる球磨川水系の治水対策を国と県、流域12市町村が検討する「球磨川治水対策協議会」の第9回会合が7日、人吉市であり、事務局の国交省九州地方整備局と県が、河川を6区間に分けて複数の対策を組み合わせる10案を提示した。

 前回の会合で、(1)引き堤(2)河道掘削(3)堤防かさ上げ(4)遊水地の設置(5)市房ダム再開発(6)放水路の整備-の6対策を軸に、組み合わせ案を検討することを申し合わせていた。
 今回の10案では「引き堤」を柱に、球磨川上流部と川辺川の県管理区間上流部は「河道掘削」とするなど、複数の対策を組み合わせた。国交省は対策の組み合わせについて「費用や地域への影響などを踏まえ選んだ」と説明。市町村長会議を開催して報告し、意見を聴く。一昨年の意見公募で提案されたコンクリートと鋼矢板による堤防のかさ上げと地下遊水地の設置は、10案の対象外となった。
 同協議会は昨年2月以来の開催。12市町村の副首長ら約50人が出席した。
(小山智史)



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【2019/06/11 00:42】 | 未分類
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    嶋津 暉之

愛媛県・肱川の治水対策として国土交通省が進めてきた鹿野川ダム改造事業が完成し、昨日(6月9日)、完成式が開かれました。

この改造事業の主たる内容はトンネル洪水吐を設置して、治水容量1650万㎥を2300万㎥に増やすものです(発電容量を転用)。

しかし、昨年7月の西日本豪雨では鹿野川ダムは発電用放流管を使って事前放流を行い,下図の通り、治水容量を2980万㎥-749.8万㎥=2230万㎥に増やしていました。それでも、流入量の急増で満水になり、緊急放流が行われ、大変な被害をもたらしました。

改造によって2230万㎥が2300万㎥に増えるだけですから、あまり変わりません。

鹿野川ダム改造の事業費は420億円にもなります。肱川ではダム優先の河川行政が進められて河道整備がなおざりにされ、かなり長い無堤区間が放置されてきました。

必要性が希薄な鹿野川ダム改造の事業費を肱川の河道整備を回していれば、西日本豪雨の被害を大きく軽減することができたと思います。
image004_20190611002055636.png
 

◆洪水調整容量1.4倍に増強 鹿野川ダム改造、全事業完成 大洲で式典
(愛媛新聞2019年6月9日(日))
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201906090053?utm_medium=social&utm_content=%2Farticle%2Fnews201906090053

 肱川流域の治水対策として国が進めてきた愛媛県大洲市肱川町山鳥坂の鹿野川ダム改造事業で、最後に残っていた「トンネル洪水吐(こうずいばき)」がこのほど完成し、9日、同町予子林の風の博物館で全事業の完成式が開かれた。改造でダムの洪水調整容量を2390万トンと従来の約1.4倍に増強。トンネルの運用で洪水をため始める水位を従来より4.7メートル下げ、下流の洪水被害軽減を図る。

 国土交通省山鳥坂ダム工事事務所によると、改造事業は洪水調整機能の増強や貯水池の水質改善などを目的に、2006年度着手。下流の状況を見ながらよりきめ細かな放流量の増減(開閉操作)を可能にするクレストゲートの改良や、水質悪化の原因となるアオコの発生を抑制する曝気(ばっき)循環装置の設置、任意の深さの水を放流できる選択取水設備の新設などの工事を実施した。総事業費は487億円。

 洪水吐のトンネル部分は全長457メートル、内径11.5メートルで、高い水圧に耐えられる鉄筋コンクリート部分と、世界最大級の鋼製放流管からなる。低い水位の放流能力が向上し、増強した洪水調整容量を有効活用できるようになった。

 完成式には国や流域自治体の関係者ら約200人が出席。大洲市の二宮隆久市長は「鹿野川ダム改造事業の完成で、肱川流域住民の生活を守る治水対策が一歩進んだ」と述べた。

 
◆鹿野川ダム改造事業完成式 洪水対策が強化
(テレビ愛媛2019/06/09 18:51:00)
http://www.ebc.co.jp/news/data/index.asp?sn=7259

肱川の洪水対策として進められていた大洲市にある鹿野川ダムの改造事業がこのほど完成し、9日、記念の式典が行われました。大洲市肱川町で行われた完成式には関係者約100人が出席、事業の完成を祝いました。鹿野川ダムの改造事業は洪水調節機能を強化するため国が2006年から進めてきたものです。このうち新たに設置された「トンネル洪水吐」は大雨の際などにあらかじめトンネルを使い放流することでダムの空き容量をこれまでの1.4倍に増やすものです。この事業の完成に伴い鹿野川ダムと野村ダムでは操作ルールを変更、西日本豪雨クラスの大雨が降っても洪水被害は大幅に軽減できるとしています。




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【2019/06/11 00:29】 | 未分類
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     嶋津 暉之

国土交通省四国地方整備局は6月7日、愛媛県の野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の操作規則を変更し、運用を始めたと発表しました。


発表の概要は野村ダム管理事務所と山鳥坂ダム工事事務所のホームページに掲載されています。


「山鳥坂ダム工事事務所 野村ダム管理所 令和元年6月7日

野村ダム・鹿野川ダムの操作規則を変更しました。」

http://www.skr.mlit.go.jp/nomura/houdou/shiryou/kisya94.pdf


2ページ目の「野村ダム・鹿野川ダム の新操作規則」の操作イメージを見ると、

「※破線は、ダムの容量が満杯になることが想定される場合の流入量及び流下量(異常洪水時防災操作)」の注意書きで、満杯になって放流量(流下量)が急増するケースも書かれており、操作規則を変更しても危うくなるケースがあるようです。

 

◆野村・鹿野川ダム新操作規則運用開始

(愛媛新聞201968日(土))

https://www.ehime-np.co.jp/article/news201906080012

 

 国土交通省四国地方整備局は7日、愛媛県の野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の操作規則を6日付で変更し、運用を始めたと発表した。野村ダムでは、新たに事前放流の実施要領も策定し、大雨が予想される場合に洪水調節容量に加えて利水容量250万トンを空けておき、洪水調節に利用する。豪雨後に始めた運用を明文化した。

 操作規則や、ただし書き操作(異常洪水時防災操作)要領などを、野村ダム管理事務所と山鳥坂ダム工事事務所のホームページで公開した。

 新操作規則は、鹿野川ダムのトンネル洪水吐(ばき)設置による洪水調節容量拡大(740万トン)と野村ダムでの事前放流、大洲市東大洲地区の暫定堤防かさ上げを反映させた。

 野村ダムでは、洪水調節容量(350万トン)の4割に達するまでの放流上限は毎秒300トンだったが、今後は流入量300トン以上の場合、300トンと超過分の79%を放流して引き上げていく。1000トンを上限とするが治水容量の8割(ダム水位が標高169.4メートル)に達してさらに増える見通しの場合、1000トン以上を放流する防災操作に移行する。

 鹿野川ダムは、旧操作規則では、洪水調節容量の4割以上に達すると、放流量を菅田地区で家屋被害が出る毎秒600トン以上に引き上げていた。新規則では洪水調節容量の4割に変更はないが、洪水吐設置により容量自体が大きくなり、菅田地区は現状と比べより多くの洪水で被害が出なくなる。一方、引き上げる放流量は東大洲地区で氾濫しない850トンとしていたのを、暫定堤防整備に合わせ1150トンまで引き上げた。防災操作開始水位は洪水調節容量の80%だったが、新規則では87%となった。

 西予、大洲両市は県の意見照会に新規則を評価する意見を文書で提出。整備局によると、県から5日付で「操作規則については問題ない」との意見を受けた。

 



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【2019/06/11 00:17】 | 未分類
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    嶋津 暉之

日本のウナギ問題に関する海部健三氏の論考をお送りします。
ウナギの食文化が密漁と密売によって支えられている現状を改善しなければなりません。
傾聴すべきご意見であると思います。

◆あなたも食べてる「違法ウナギ」排除 イオン新商品の画期
(日経ビジネス2019年6月5日)
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/060500019/?P=1
海部 健三 中央大学法学部准教授

 2019年6月3日、イオンがウナギの新商品を発表しました。ウナギ蒲焼の代替品なども発表されましたが、今回の発表の中で最も注目されるべきは、「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」です。一見何の変哲も無い真空パックのウナギの蒲焼に見えますが、実は日本初の商品なのです。「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」の特徴は、「稚魚(シラスウナギ)の産地までトレースできる」ことにあります。なぜ、「トレースできること」が重要なのでしょうか。

密漁と密売によって支えられる日本の伝統的な食文化

 ニホンウナギは漁獲量の減少が続いており、国際自然保護連合(IUCN)や環境省より、絶滅危惧種に区分されています。人工飼育下で卵を産ませて養殖する技術は商業的に応用されていないため、天然のウナギの子供であるシラスウナギを捕獲して、養殖しています。このシラスウナギの多くに密漁・密売が関与しており、これら違法なウナギが通常の流通を経て、一般の外食店や家庭の食卓に上っているのです。

 日本国内の養殖場で育てられるニホンウナギのシラスウナギは、国内で採捕されたものと、輸入されたものに分けることができます。国内の養殖場から報告された、養殖に用いたシラスウナギの総量から輸入量を差し引くと、その差は国内で採捕されたシラスウナギということになります。2014年末から2015年までの漁期(2015年漁期)を例に計算してみると、国内の養殖場に入ったシラスウナギは18.3トン、輸入された量が3.0トンなので、国内の採捕量は15.3トンです。

 この15.3トンのうち、適切に採捕・報告された量は全国総計で5.7トンでした。これは、国内採捕量15.3トンの、わずか37%でしかありません。残りの63%は、無許可で行う密漁や、許可を受けた採捕者の過小報告(無報告漁獲)など、違法行為によって流通しているのです。
image003_201906110010447fb.jpg
2014~15年に日本の養殖場に入ったシラスウナギの内訳。18.3トンのうち、3.0トンが輸入、15.3トンが国内採捕。国内採捕の15.3トンのうち、適切に報告されているのは5.7トンのみで、残りの9.6トンは密漁または無報告漁獲などの違法な採捕・流通が関与していると考えられる。また、輸入された3.0トンも、原産国から密輸された疑いが強い。

 一方、輸入された3.0トンはどうでしょうか。2015年漁期に輸入された3.0トンのシラスウナギは、ほとんどが香港から輸入されています。香港でシラスウナギ漁が行われていないことなどの状況証拠から、これらのシラスウナギは、台湾や中国本土から香港へと密輸されたものであることが、強く疑われます。国内の密漁や無報告漁獲と合わせると、2015年漁期に国内の養殖池に入れられたシラスウナギ18.3トンのうち、約7割にあたる12.6トンが、密輸、密漁、無報告漁獲などの違法行為を経ていると考えられます。

 違法行為を経たシラスウナギと、適法に流通したシラスウナギは、流通と養殖の過程で混ざり合い、取扱業者でも区別することは難しくなります。最終的に、違法なウナギと適法なウナギは混じり合って、蒲焼店や牛丼店、デパート、スーパー、コンビニ、生活協同組合などを通じて消費者に提供されます。

 シラスウナギの密漁や密売は、暴力団など反社会的勢力の資金源となっているとの指摘もあります。日本の誇るべき伝統であるウナギ食文化が、密漁と密売によって支えられ、反社会的勢力の資金源にもなっている現状は、早急に対策を考えるべき問題です。

2019年6月8日より発売予定のイオンの新しい商品「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」は、正式な許可を得た採捕団体が浜名湖で採捕したシラスウナギを正規ルートで購入し、指定養殖業者が他のルートから仕入れたシラスウナギと混ざらないように育てたウナギです。シラスウナギの採捕と流通に関し、違法行為が関わっている可能性が非常に低い「クリーンなニホンウナギ」と言えるでしょう。持続可能とは言えないまでも、シラスウナギ採捕水域までトレース可能な、「クリーンなニホンウナギ」の販売は、筆者の知る限り日本で初めての快挙です。

メディアが注目したのは「鮭ハラスの蒲焼」だが……

 2019年6月3日に行われたイオンの発表は、多くのメディアで報道されました。しかしメディアから注目を浴びたのは、ニホンウナギにとっても消費者にとっても重要なトレーサビリティーの確立ではなく、同じ発表の場でウナギ蒲焼の代替品として紹介された「鮭ハラスの蒲焼」でした。

 例えば日本経済新聞は2019年6月3日に、「イオン、ウナギ代替にサケのかば焼き 『丑の日』控え」とのタイトルで、イオンの発表が紹介されています 。トレーサビリティーについてはわずか数行が割かれているのみで、タイトル通り、代替品である「鮭ハラスの蒲焼」の紹介に主要なスペースを割いています。

 昨今、ニホンウナギの漁獲量の減少や、シラスウナギ流通に違法行為が関わっていることは盛んに報道されており、小売業の現場を取材している記者の方々がそのことを知らなかったとは考えにくい状況です。このためイオンの発表に関する記事を書いた記者の方々は、今回イオンが販売を開始する「トレース可能な、クリーンなニホンウナギ」の重要性に気づかなかったのではなく、背景を知っている上でなお、報道する重要性は低いと判断したと考えられます。

 「トレース可能な、クリーンなニホンウナギ」の重要性が高くないと判断された理由として考えられるのは、取材に当たった記者の方々が「企業がどのように売り上げを伸ばそうと努力しているのか」に注目しているためではないか、と考えられます。ウナギの漁獲量が減少し、値段も高くなって客足が遠のく中、いかに代替品で売り上げを確保するのか、という視点が、上記の日経新聞の報道にも見られます。

 売り上げを伸ばそうとする努力が盛んに報道されている一方で、持続可能な資源の利用や、違法性の疑われる商材の排除といった、いわゆるサステナビリティーに関する努力については、報道における重要性が低いと判断されているのが現状のようです。

 例えばウナギの密漁や密売の蔓延のような、社会の課題が是正されていくために、報道が重要な役割を果たすことは明らかです。しかしながら今回のイオンの発表に関する報道を見る限り、ウナギの問題が適切に報道されているとは考えにくい状況です。

 ウナギの持続的な利用を考えた場合、代替品の果たせる役割は限定されています。代替品は供給不足や値段の高騰などによって満たされない需要を満たす役割を果たすものであり、ウナギの消費量を削減する効果を持つとは考えられません。これに対して、トレーサビリティーの確立は、違法行為を減少させるだけでなく、適切な報告に基づく漁獲データの収集を通じて、ニホンウナギ資源の持続可能な管理に貢献します。

 目新しさを追求するのではなく、持続可能な社会を目指す視点から、問題の本質を明らかにしていく報道が求められます。

 イオンによる「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」の発売は、日本のウナギ業界における重要な一歩となるでしょう。しかしながら、課題も残されています。この「クリーンなニホンウナギ」は、イオンが販売しているニホンウナギのうち、ごく一部を占めるにすぎません。現在イオンが取り扱っているニホンウナギの大部分は依然として、違法行為が関わっている可能性の高い、クリーンとは言えないウナギです。

 イオンは2018年に発表した「ウナギ取扱方針」において、2023年までに販売するウナギの100%を、シラスウナギの採捕地までトレースできる、クリーンな商品にすると発表しました。今後イオンの取り組みがどのように進められるのか、注目されます。

 もう一つの課題は、「トレースできる」とする根拠がイオン独自の仕組みに基づいており、第三者機関の検証がなされていないことです。今後、「トレースできるクリーンなウナギ」であることの、客観的な証明が必要とされるでしょう。さらに、「違法ではない」というだけでなく、ニホンウナギの持続可能な利用の実現に向かって取り組んでいくことも当然、求められます。

 まだまだ高いハードルが残されているとしても、期限を切ってトレーサビリティーを確立するとのコミットメントを発表し、実行に移した小売業者または生活協同組合は、私の知る限り、これまで存在しませんでした。大手小売業者からこのような宣言がなされ、実際に結果に結びつけている努力は、称賛されるべきでしょう。イオンのような努力が小売業界に広がることによって、違法行為の横行しているニホンウナギの業界が、変革されていくことが期待されます 。

なお、筆者の研究室(中央大学研究開発機構ウナギ保全研究ユニット)は、インドネシアにおける持続的なウナギ養殖モデルの開発を目指すプロジェクトなどでイオンと協働していますが、研究室としての独立性を確保するため、イオンからは研究費を含む一切の金銭的支援は受けていません。


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【2019/06/11 00:13】 | 未分類
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         嶋津 暉之

東京都江戸川区が、ここにいてはダメ、他県や東京西部への移動をよびかける水害ハザードマップをつくりました。

2015年に水防法が改正されて、想定し得る最大規模の洪水(1000年に一度の洪水)による水害ハザードマップがつくられるようになりました。

低地の場合はこのレベルのハザードマップではどの場所もひどく浸水することになり、居場所がなくなります。江戸川区の「ここにいてはダメ」はそれを表現したものです。

しかし、だからといって、区民はどうすればよいのでしょうか。
大水害時に他県や東京西部への移動など、できるはずがありません。

このハザードマップは「警告しておいた」というアリバイをつくるためのものであって、いわば行政の責任を回避するためのものであると思います。

一方で、江戸川区は水害対策として全く無意味なスーパー堤防事業を推進しています。江戸川区は区民の命と生活を本当に守ることができる治水対策に取り組むべきです。

◆「ここにいてはダメ」江戸川区の水害ハザードマップが直球すぎて話題…担当者に聞いた
(FNN PRIME  2019/06/06F6/6(木) 20:01配信 )
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190606-00010013-fnnprimev-soci

江戸川区のハザードマップの“文言”に反響

東京・江戸川区の地図に「ここにいてはダメです」と書かれた表紙の冊子。

実はこれ、江戸川区が11年ぶりに改訂した「水害ハザードマップ」なのだ。
5月20日から区内全世帯に配布するとともにインターネットで公開されると、SNSなどでその“過激な言葉”に大きな反響があった。
image002_2019060719351340e.jpg
まずは、そのハザードマップの内容を見てみると、江戸川区には関東地方で降った雨の大半が集中するという。
江戸川区は荒川や江戸川など大河川の最下流に位置していて、陸の7割が満ち潮の海面よりも低い「ゼロメートル地帯」になっている。

このため、巨大台風や大雨が降って河川が氾濫したり、高潮が発生したり、排水が間に合わなくなると「区内のほとんどが水没」するとハザードマップに書かれている。
さらに被害は江戸川区にとどまらず、墨田区、江東区、足立区、葛飾区を含む江東5区で発生し、250万人が被災すると想定している。

そう言われても、「洪水が起きてもウチはマンションだから大丈夫」とか「〇階だから平気でしょ」と思っている人もいるだろうが、江戸川区で洪水が発生すると長いところでは2週間以上浸水が継続する可能性があるとしている。

そして、江東5区の250万人が被災すると、救助も混み合い、いつ自分の番になるか分からず、もしそんな状況に陥れば、電気・ガス・水道・トイレが使えないところで2週間生活なければならないと注意を促している。

さらに、ハザードマップには、ズバリ「あなたの住まいや区内に居続けることはできません」と書かれている。

こうした内容もさることながら、やはりTwitterユーザーに注目されたのは「ここにいてはダメです」という、お役所らしからぬ“過激な言葉”で、賛否両論が飛び出している。

【否定的な意見】
・江戸川区民ですがこれはひどい
・命が惜しければ余所へという宣言なのか
・まさか自分が住んでる区から「どっか行け」って言われるとは思わなくて笑っちゃった
・江戸川区内には居場所はないのんか?

【肯定的な意見】
・これぐらい言わないとみんな意識しないでしょ
・変な嘘や誤魔化しをせずに正確な説明をするのはいい
・ここに居を構えるなって言ってるわけじゃないですよ。避難情報が出たら区外に出てねってことですよ。

なぜ江戸川区はこんな表現を使ったのだろうか?
そして、区民からはどんな反響があったのか?区の担当者に聞いてみた。

 
「“思い”をこのフレーズに込めています」

――過激な言葉を使ったのはなぜ?

まず、このハザードマップを見て、正しい情報を理解して、広域避難について考え、そして自らの命を守る行動に結び付けていただきたい、という思いをこのフレーズに込めています。
そして、表紙だけでなく中を見て、江戸川区の地勢(地形の起伏)や、大水害が起こったらどうなるのか知って、広域避難について考えていただきたい。

――そもそも、なんでハザードマップを改訂したの?

平成27年に水防法が改正されたことからハザードマップを改訂しました。
前回2008年に作った江戸川区のハザードマップとの大きな違いは3つあります。
まず1つ目は「計画規模」から「最大規模」に変わったということです。
それまでは計画規模(洪水防御に関する計画の基本となる降雨)の洪水を元にしていましたが、想定し得る最大規模の洪水に変更しました。
2つ目は、高潮の浸水想定区域を取り入れました。
あともう一つの大きな変更点は、浸水の継続時間を追加したことです。

また冊子には、荒川の洪水と江戸川の洪水と高潮の洪水を合わせ、被害の最大値を表した大きな地図が付いています。

「垂直避難」でやり過ごすより、遠くへ避難してほしい

――「広域避難」ではなく、高い所に登って洪水をやり過ごす「垂直避難」はダメなのか?

「垂直避難」でやり過ごすという考え方は確かにありますが、ハザードマップにも書いてある通り、浸水が2週間続く可能性があります。
水害が起きるのは真夏の暑い時期になる可能性が高く、そんな中で電気・ガス・水道・トイレも使えない、過酷な生活を続けるのはとても大変です。
厳しい生活によって病気やケガをしたり、二次被害が起こる可能性もありますので、浸水のない安全なところに避難していただきたいです。

災害が予想される3日前になると、江東5区で共同検討を始めます。
2日前には自主的な広域避難を呼びかけます。
1日前には広域避難勧告を出します
そして9時間前になると、逆に広域避難をするのは危ないので、命を守る行動として緊急的に「垂直避難」をしてくださいと呼びかけます。
こういうことにならないよう早め早めの避難をお願いしています。

――葛飾区・墨田区・江東区・足立区も、ほとんどが水に浸かると書いているが、他の区から怒られない?

江戸川区のハザードマップを作成する前に、実は江東5区で去年8月に大規模水害ハザードマップを発表しています。
それをもとにして江戸川区のハザードマップを作っておりますので、他の区の方からそのようなご意見はいただいておりません。

――江戸川区が区外に確保している避難所はある?

現状においては公的な避難場所の確保はできていない状況です。

――今回のハザードマップについて、どんな反響がある?

様々な意見がございます。
「防災について自分でも考えなければいけない」ととらえていただいているご意見もありますし、先ほどの質問のような「区外の避難場所はなぜないのか」というご意見もいただいております。

避難を呼びかける“過激な言葉”に、SNS上では否定的な意見も見られたが、今のところ区にはそういった意見は寄せられていないという。

ちなみに、ハザードマップには、非常持ち出し袋に入れるものなどの情報や、連絡先・避難先など書いて使うページなど、災害時に役立つ内容が満載となっていて、江戸川区の全戸に配布しているほか、区役所や各事務所で配布しているそうだ。
災害時などに、自分は大丈夫と思ってしまう「正常性バイアス」が取りあげられることがあるが、こうしたハザードマップなどで、自分が住む地域の防災に対する意識や理解を深めておき、最悪のケースを想定して置くことは大事だ。




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【2019/06/07 20:05】 | 未分類
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