「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
       嶋津 暉之

シラスウナギの歴史的不漁の問題について中央大学の海部健三氏がご自身のホームページに科学的な考察の連載を始められたことを先にお伝えしました。

2月12日、「2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について その3 生息環境の回復 〜「石倉カゴ」はウナギを救うのか?〜」が下記の通り、掲載されましたので、お伝えします。

◇中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニット
https://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/

2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について
その3 生息環境の回復 〜「石倉カゴ」はウナギを救うのか?〜
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/category/conservationsustainableuse/

        =要約=

・ニホンウナギの個体群サイズを回復させるためには、生息環境、特に成育場である河川や沿岸域の環境の回復を通じて、再生産速度を増大させる必要がある。

・河川環境について、優先して取り組むべきは局所環境の回復よりも、河川横断工作物による遡上の阻害の解消。

・「石倉カゴ」はあくまで採集器具であり、ニホンウナギの再生産速度の増大に貢献するとは考えにくい。

河川横断工作物について海部氏は次のように述べています。

「ウナギの遡上を妨げている可能性のある河川横断工作物が存在する場合は、まず撤去の可能性を考えることが重要です。
多くのダムや堰、落差工などは治水、利水を目的として建設されていますが、水田の減少といった社会の変化とともに、その役割を失いつつあるものもあります。
例えば、熊本の荒瀬ダムは、水力発電のために建設されましたが、ダムなしでも地域の電力が安定して供給される見通しが立ったため、2011年より撤去を開始しています。
このほか、技術の進歩や生態系インフラストラクチャーの考え方の導入によって、必ずしも横断工作物に頼らなくとも、治水や利水に関する当初の目的を達成できる場合も考えられます。
「河川横断工作物の撤去は不可能」と、初めから決めつけないことが重要です。

その必要性から、どうしても撤去が困難であることが明らかになった場合は、事前の策として、魚道を設置する方法が考えられます。
例えば環境省の「ニホンウナギの生息域保全の考え方」には、簡易的な魚道が紹介されています。また、英国には、ウナギに特化した様々な魚道を紹介するガイドラインが存在します。
日本ではウナギの魚道の研究はまだまだ進んでいないので、英国など先進的な知見を参考に、実践的な研究を進めていく必要があります。
魚道の設置も困難である場合や、または魚道が設置されるまでの期間、緊急避難的に行う措置としては、障害物を超えて個体を移送する「汲み上げ放流」が考えられます。
しかし、汲み上げ放流で救われるのは対象とされる生物種(この場合はウナギ)のみです。特定の種の保全のみを目標とするのではなく、可能な限り、移動を阻害している根本的な原因を取り除くことが推奨されます。

遡上を助けるだけでなく、降河に関する配慮も重要です。
ヨーロッパでは、水力発電のタービンや排水ポンプのスクリューによって、産卵へ向かう銀ウナギが傷つけられる問題が注目されています。
まずは遡上できなければ意味がありませんが、遡上したのち、安全に川を降ることができる環境を準備する必要があります。

大変重要な指摘であると思います。この連載を是非、お読みください。

【2018/02/14 21:50】 | 未分類
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           嶋津 暉之

メコン川のダム問題についての記事をお知らせします。

◆メコン川上流を支配する中国、下流域諸国の生命線を握る
(AFPBB News 2018年2月11日)
http://news.livedoor.com/article/detail/14286966/

【AFP=時事】カンボジアの漁師、スレス・ヒエト(Sles Hiet)さん(32)はメコン川(Mekong River)の恵みで生活している。大勢の人の暮らしを支えているメコン川だが、中国が東南アジア諸国への物理的・外交的支配力強化のために利用するダムの脅威にさらされている。
 ヒエトさんはイスラム教を信仰するチャム族(Cham)の一員で、カンダル(Kandal)州を流れる川に浮かぶぼろぼろのボートハウスに住んでいる。ヒエトさんの1日の漁獲量は年々減少しているという。
 水揚げ量の減少によって大勢が貧困の泥沼に陥っている。ヒエトさんはAFPに対し「なぜ魚が減っているのか分からない」と語った。
 こうした嘆きがチベット高原からミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを通過し南シナ海(South China Sea)に流れ込むメコン川流域の村々から聞こえてくる。
 全長約4800キロのメコン川は世界最大の淡水漁場で、アマゾン川(Amazon River)に次ぐ生物多様性を誇り、流域に暮らす約6000万人の胃袋を支えている。
 しかし、源流の管理は上流の中国に委ねられている。

■中国に抵抗できない下流域諸国
 米環境団体インターナショナルリバーズ(International Rivers)によると、中国政府はすでにメコン川上流に6基のダムを設置し、南部に建設が予定されている11基のダムの半数以上に出資している。
 複数の環境団体はダムによる川のせき止めによって、大勢の人が洪水の被害を受け避難を余儀なくされるのはもちろん、魚類や重要な栄養素、堆積物の移動が妨げられることで魚の生息環境に深刻な脅威をもたらすと警鐘を鳴らしている。
 メコン川下流域の国々では近年魚類資源の激減が報告されており、その原因はこうしたダムにあるとする批判もある。専門家らはメコン川の生態系の基本データが欠如していることやその複雑さから、確定的な結論を出すのは時期尚早だと指摘している。
 しかし下流域の貧しい国々の経済の生命線を中国が握っているという点で専門家の意見は一致している。タイ・チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)の外交政策の専門家ティティナン・ポンスディラック(Thitinan Pongsudhirak)氏は、メコン川下流域の国々は「地政学的に中国に抵抗できない」と指摘し、こうした状況が中国政府に「下流域の魚類の生息環境や大勢の人々の生活手段をむしばみ続けることを許すことにつながっている」と説明した。
 現地で瀾滄江(Lancang River)と呼ばれる源流を支配する中国政府はメコン川の一部をせき止めることができるほか水位の調整も可能で、下流がその影響を受ける。
 2016年に中国側のダムの水門を開き、ベトナムの深刻な干ばつの緩和に一役買ったことで示されたように、交渉における強力な切り札となっている。
【翻訳編集】AFPBB News

【2018/02/14 21:37】 | 未分類
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       嶋津 暉之

浜松市は既報のとおり、今年4月から西遠流域下水道事業を民営化します。
水処理世界最大手の仏ヴェオリアとJFEエンジニアリング、オリックス・東急建設・須山建設グループが設立した浜松ウォーターシンフォニー株式会社と契約締結を行いました。

国内初となる下水道の長期運営権の売却です。
運営権者は2018年度から20年間にわたり事業を担います。運営権対価は25億円です。https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21HIL_R20C17A3000000/
浜松市のHPを見ると、
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/suidow-s/gesui/seien/pfi.html  

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/suidow-s/gesui/seien/koubo.html

運営権者は維持管理、改築更新工事、計画立案、利用料金収受を
浜松市は認可取得、モニタリング、使用料収受(償還財源分)を行うことになっています。

西遠流域下水道は元々は静岡県の事業でしたが、2005年の市町村合併に伴い、 対象流域が浜松市のみとなり、合併特例法の適用により2016年3月末に浜松市に移管されました。管理は移管前は静岡県下水道公社を通して民間会社に委託し、移管後は市が直接、民間会社に委託していました。
これを、今年4月から上記の通り、民営化するというものです。

民営化する理由として、次の3点があげられています。

    膨らむ更新投資、施設の老朽化、耐震化による長期的資金需要への対応が必要
    料金収入減少、水道有収水量が減少傾向、30年後の人口は約18%減少の予測
    職員減少と技術継承、組織のスリム化による技術継承への懸念

いずれも今後の下水道事業の運営において重要な問題ですが、外国資本が入った会社に任せれば、解決するという問題なのでしょうか。
公営のままでも対応する道があるように思います。

浜松市のHPによれば、選定された事業者の提案では、20年間で約86億円のコスト縮減効果が見込まれるということですが、そのようなことが本当にできるのでしょうか。

下水道事業で実際に働く人にしわ寄せがいくことも心配されます。

今回の浜松市の下水道民営化は、外資を入れた会社に運営権を売却するという先例をつくることに主眼があるように思われます。

【2018/02/14 02:50】 | 未分類
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     嶋津 暉之

ウナギは成長のために川を遡上すると、一度定着した狭い範囲に長くとどまる傾向が強いことが、超音波発信器を埋め込んだウナギを放流して追跡する研究で明らかになりました。

その記事と、その調査手法についての東京大学大気海洋研究所の説明文をお送りします。

この記事の元になっている淡水魚の生態に関する専門雑誌を入手したいと思っています。
ご存知の方は教えてください。

◆ウナギの寝床「狭かった」 川を遡上、1カ所に定着傾向 神戸大などのグループ
(産経新聞2018年2月7日)
http://www.sankei.com/west/news/180207/wst1802070066-n1.html

 絶滅が心配されるニホンウナギはグアム島近くの太平洋の産卵場所から2千キロ以上を回遊してきた後、成長のために川を遡上すると、一度定着した狭い範囲に長くとどまる傾向が強いことを神戸大や東京大の研究グループが突き止めた。親ウナギに超音波発信器を着ける新手法で調べ、淡水魚の生態に関する専門雑誌に7日までに発表した。

 保全に向けた対策を考える上での貴重なデータ。ニホンウナギは川で成長し、10年前後で産卵のため再び海へ下るが、一生の大半を過ごす川での行動パターンなどはほとんど分かっていなかった。

 グループは2012~13年に茨城・千葉県境の利根川で、腹部に超音波発信器を埋め込んだウナギを放流、河川に受信機を置いて追跡する手法で行動パターンや範囲などを調べた。捕まえたウナギを離れた場所に運んで放流する実験も行った。

 詳しい解析が可能だった18匹は、平均で長さ744メートル、最も小さいものは同112メートルの範囲を行動圏にしており、狭い場所に定着していることが分かった。

捕獲場所から約600~900メートル離れた位置で放流した9匹のウナギのうち8匹は、3時間から13日で元の場所に戻り、再び、その周辺で過ごしていた。

 グループの神戸大の板倉光研究員は「ウナギを守るためには、ウナギや餌になる生物の隠れ家となる岸辺や川底をコンクリートで固めることなどを避け、定着しやすい環境を長期間維持することが重要だ」と話している。

 ◆ウナギの寝床は「狭かった」 1カ所に定着する傾向、行動解明
(東京新聞2018年2月7日 17時05分)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018020701001601.html

 絶滅が心配されるニホンウナギはグアム島近くの太平洋の産卵場所から2千キロ以上を回遊してきた後、成長のために川を遡上すると、一度定着した狭い範囲に長くとどまる傾向が強いことを神戸大や東京大の研究グループが突き止めた。親ウナギに超音波発信器を着ける新手法で調べ、淡水魚の生態に関する専門雑誌に7日までに発表した。

 保全に向けた対策を考える上での貴重なデータ。ニホンウナギは川で成長し、10年前後で産卵のため再び海へ下るが、一生の大半を過ごす川での行動パターンなどはほとんど分かっていなかった。

 グループは2012~13年に、茨城・千葉県境の利根川で調べた。

(共同)

 
◆東京大学大気海洋研究所「ニホンウナギの産卵回遊および河川生活期における生態」
http://mbe.aori.u-tokyo.ac.jp/research/3004.html

成長期の資源と生態

 ニホンウナギの資源量は近年激減しており(図1),資源の保全が急務となっています.
image013.jpg

本種資源が減少した要因として,乱獲や生息域の環境変化, 海洋環境変動などが指摘されています.では,私たちはどのようにしてこの資源を守っていけばよいのでしょうか?  海洋生活期を終えたニホンウナギは,成長期にあたる黄ウナギとして(写真1),約5年から10数年を私たちが生活する沿岸域の成育場で過ごします.これは,ニホンウナギが人間活動の影響を強く受ける沿岸域で長い間生活していることを意味します.つまり,海と河川を行き来する彼らの生活史の中で,人間が直接管理することができるのは沿岸域だけなので,沿岸域における黄ウナギの資源や生態,それらに対する人間活動の影響を明らかにすることは資源管理を行う上でとても重要となってきます.しかしながら,これまでの研究は外洋の初期生活史に注目したものが多く,黄ウナギに関する知見が不足しているのが現状です.  そこで,私たちの研究室では,河川・湖沼におけるニホンウナギ漁獲量の統計解析や野外調査など他種多様なアプローチによって黄ウナギの資源や生態を明らかにすることを目的に研究を進めています.得られた結果から,本種の適切な資源保全策について提言することを目指しています.また,ニホンウナギは,沿岸生態系における食物連鎖で高次捕食者に位置しているため,本種資源を保全することは,ニホンウナギ資源の回復に繋がるだけでなく,沿岸生態系全体を豊かにすることに繋がるものと考えています.  日本全国の様々な機関から収集した河川・湖沼におけるニホンウナギの黄ウナギ(未成魚)と銀ウナギ(成魚)の漁獲量データに基づき,護岸による河川湖沼の改修工事に着目して解析した結果,護岸工事が進行している河川・湖沼ほど漁獲量の減少が著しいことが明らかになり,護岸による環境改変が沿岸域のニホンウナギ資源に悪影響を与えている可能性が示唆されました.治水という意味で大きな役割を果たしている護岸工事が,ニホンウナギにとってはその生息を脅かす存在であったという訳です.  では,護岸による改修工事はどのようにしてニホンウナギに悪影響を与えているのでしょうか?この問いに答えるためには,実際のフィールドにおける黄ウナギの生息状況を明らかにする必要があります.そこで私たちの研究室では,2011年より関東を流れる利根川水系をモデル水系とし,水系内の護岸工事が施されている水域と自然状態の河岸を維持している水域(非護岸)において黄ウナギを採集し,得られた個体の生物学的な特徴を調べることで,環境改変が黄ウナギの生息に与える影響について調べています(写真2).具体的には,護岸と非護岸水域における分布,移動生態,成長,食性および餌環境について,主に野外での分布調査,耳石の輪紋解析および微量元素分析,胃内容物調査,炭素窒素安定同位体比分析,超音波バイオテレメトリー手法(写真3),標識再捕法を用いて調べています.さらに私たちの研究室では,河川内の水深,水温,流速などの物理環境を測定し,それらと黄ウナギの分布との関係についても探っています。


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【2018/02/14 02:45】 | 未分類
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     嶋津 暉之

野生の陸上や海中、河川に生息する動物の個体数が約40年前と比べて半数以上減ったというhttp://gigazine.asia/a/www/delivery/lg.php?bannerid=1904&campaignid=747&zoneid=331&loc=http%3A%2F%2Fgigazine.net%2Fnews%2F20180210-lost-50-wildlife-40-years%2F&referer=https%3A%2F%2Fwww.bing.com%2F&cb=30b2007a98
世界自然保護基金(WWF)の発表に関する記事をお送りします。
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世界には高さが15メートル以上の大きさのダムが約4万5000基あり、河川を細かく分断していることも要因とされています。

◆過去40年で動物の半分以上が消えた
(gigazine.2018年02月10日)
http://gigazine.net/news/20180210-lost-50-wildlife-40-years/

「世界自然保護基金(WWF)」が行った発表によると、野生の陸上や海中、河川に生息する動物の個体数が約40年前と比べて半数以上減っています。その主な原因は、人々がエネルギーや食卓に並ぶ食糧などを用意する「文明的な暮らし」を行うための自然環境への開発や森林伐採であり、今後の生活の在り方を人々に問う状況となっています。

WWFの「Living Planet Report:生きている地球レポート」によると、約40年前の1970年代に比べ、野生動物の数が半分以上の58パーセントが減少したことが示されています。理由は人々の「消費行動」のため自然破壊の犠牲として、動物の生息域への「汚染」と「破壊」が原因とのこと。

1970年から2012年までにそれぞれの生息域の動物の個体数は、魚類などの海に生息している動物は36パーセント減少し、ゾウなどの陸上に生息している生物は38パーセント減、そして河川などの淡水環境に生息している生物が81パーセントと、最も大きく減少しています。また、鳥類のいくつかの種における劇的な個体数の減少も報告されています。

WWF淡水環境担当チーフアドバイザーのDave Tickner氏によると「河川は自然のシステムの大黒柱」です。河川は、陸上で起こった汚れを最後に引き取り、せき止める、そして水害を抑える役割がある」とのこと。また世界には主に4万5000基ものダムがあり、これらは河川を細かくわけるので河川の水流を妨げます。また、世界には高さが15メートル以上の大きさのダムが約4万5000基あります。Ticker氏によるとこれらのダムは「河川を細かく分断してしまうために、きれいな水の流れが損なわれてしまう」とのこと。さらに、世界人口は50年前に比べ4倍になりましたが、水の消費量は7倍となっている状況があり、これらが合わさることで「人類と河川の生物は水不足に陥るだろう」とTickner氏は述べています。
WWFのレポートには、動物の個体数の減少傾向を生物の増減数の尺度が測る指数「生きている地球指数」(LPI)で示されており、3430種類もの動物の個体数が減少傾向にあるとのこと。WWFの調査によるとその1番の原因は「人間による開発」で、その他の主な原因は以下の通りとなっています。LPIは、世界各地の陸域、川や湖などの淡水域、海洋に生息する3000種以上の野生生物の1万以上の個体群を調査し、個体数がどれくらい減少したかを基に計算したもので、1992年に締結された「生物の多様性に関する国際条約」にも採用されている指数です。

37パーセント:「Exploitation(開発)」
31パーセント:「Habitat degradation/change(生息環境の悪化/変化)」
13パーセント:「Habitat loss(生息地の消失)」
11パーセント:「Other(その他)」
7パーセント:「Climate change(気候変動)」

WWFの自然科学者であるKen Norris教授は、「もし、来週にイギリスのロンドンにある動物園の動物たちの半数が死んでいたら大ニュースになるでしょう。しかし、それが自然界にいる動物の半数でおきています」とコメント。

Norris教授は「自然は、人間に食べ物ときれいな水、そして空気をもたらすには不可欠なもの」とし、動物たちが住む自然環境の悪化は、動物生活だけでなく私たちの生活にも影響があるとしています。野生生物などの「動物の個体数の減少」は、山や海や遠い国の話ではなく私たちが行っている電気や水道、スーパーで食糧が買えるなど便利な「文明的な暮らし」と密接な関係があります。WWFの科学政策局局長Mike Barratt氏によると、人間の食べ物とエネルギーの安定的な持続を可能にするには、森林伐採と開発から地球を保護する必要があり、また「この自然の犠牲は、人々が選んだ結果であり、そして避けられるものです」とのこと。

またこのレポートでは、人間が将来的に文明的な活動を行う際にどのくらいの天然資源が必要のなのかも算出されています。この算出には、人間活動が環境に与える負荷を示す指数「Ecological Footprint」(EF)指数が用いられています。現在の天然資源の消費ペースを保ったままで、人類全体が将来にわたって生活を維持するのに必要な天然資源を算出すると、人類全体で地球1個と半分の量にのぼる「天然資源が必要」とのこと。また、人類全体がイギリス様式の生活を維持するには地球2個と半分の天然資源が、そして人類全体がアメリカ様式の生活をするのには、なんと地球が4個分もの天然資源が必要と算出されています。

国家別の自然環境の保護への取り組みに関しては、先進国など裕福な国家は自然保護活動で自然環境が少々改善しています。対して開発途上国など貧しい国家は動物の個体数の大きな減少がみられました。しかし、豊かな国家の企業などによる貧しい国家での自然破壊「自然破壊のアウトソーシング」が行われているという現状があります。これは豊かな国家の企業が貧しい国家におもむき、その国家の動物が住む生息域を開発して食糧を生産をし、それを自国家に輸入するものです。例えば、貧しい国家で1990年から2008年までに自然破壊をともなって生み出された材木や牛肉、大豆などの商品の3分の1は、EUに輸出されました。

しかし、かすかな希望があるようです。イギリスで毛皮のために乱獲され、絶滅の危機に陥っていた動物のカワウソは、環境保護活動により、危機を回避し奇跡的にイギリスの川に戻り生息し始めているとのこと。同じように、ネパールで減少していた野生のトラ個体数も環境整備の成果により増加傾向であり、2013年の政府調査によると3年間で3倍以上に増えた地域もあったとのことです。同じようにネパールで減少していた野生のトラ個体数も環境整備にの成果にドイツでは、野生のオオカミが数を増やしているという報告があります。

野生のオオカミがドイツで数を増やしていると報告される - GIGAZINE

イギリスWWF最高経営責任者David Nussbaum氏はこのレポートについて、「ここで示された指数の数々は、人々が自然の危機について目を覚ますための警告になって欲しい」とコメント。また、「政治家や経済界そして私たち全員が、自然と人間の双方に健全で価値のある未来を守るための行動に関心と責任を持つべきです」とのことです。

 


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【2018/02/14 02:39】 | 未分類
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(重複をご容赦)
       嶋津 暉之

 水道民営化の道を開く水道法改正案が今国会に再上程されることになっており、今後 の成り行きが大いに心配されます。 このような民営化のシンクタンクになっているのが、㈱日本政策投資銀行 地域企画 部PPP/PFI推進センターであると思います。 このセンターがまとめた「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の 最新動向について」を参考までにお送りします。

 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000150940.pdf 基本的に水道民営化推進が背景にあるレポートであるとは思いますが、参考になる情 報も入っています。 これらの情報も踏まえて、水道民営化反対の論陣を張っていくことが必要だと思いま す。

【2018/02/11 01:01】 | 未分類
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         嶋津 暉之

シラスウナギの歴史的不漁の問題について中央大学の海部健三氏がご自身のホームページに科学的な考察の連載を始められたことを先にお伝えしました。

2月5日に2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について 「その2:喫緊の課題は適切な消費量上限の設定」が下記の通り、掲載されましたので、お伝えします。

非常に説得力のある見解であると思います。

 

中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニット

https://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/

 

2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について

その2:喫緊の課題は適切な消費量上限の設定

http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/category/conservationsustainableuse/

 

要約

・ニホンウナギを持続的に利用するためには、利用速度を低減し、再生産速度を増大させることが必要。

・利用速度の低減は漁獲量制限によって、再生産速度の増大は生息環境の回復によって実現することが可能。より短期的な効果が期待できるのは、漁獲量の制限による利用速度の低減。

・養殖に利用するシラスウナギの上限(池入れ量の上限値)は、実際の採捕量と比較して過剰。早急に削減するとともに、科学的知見に基づいて池入れ量上限を設定するシステムを確立するためのロードマップの策定が必要。

・完全養殖技術の商業的応用が実現されても、適切な池入れ量の上限値が設定されなければ、シラスウナギ採捕量の削減は期待できない。

・天然ウナギについても、産卵回遊に向かう晩秋から冬にかけて、国内のウナギ漁を制限すべき。春から夏にかけて行われるウナギ漁については、禁漁区の設定が有効と考えられる。

 

次のように連載されることになっています。

2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について」連載予定

序:「歴史的不漁」をどのように捉えるべきか(122日)

1:ニホンウナギ個体群の「減少」 〜重要な考え方は予防原則とアリー効果〜(129日)

2:喫緊の課題はシラスウナギ池入れ制限量の見直し(25日)

3:生息環境の回復 〜「石倉カゴ」はウナギを救うのか?〜(212日)

4:ニホンウナギの保全と持続的利用を進めるための法的根拠(219日)

5:より効果的な放流とは(226日)

6:新しいシラスウナギ流通(35日)

【2018/02/11 00:57】 | 未分類
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     嶋津 暉之

淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダムは、国土交通省が裏で糸を引いているようにも思います。
滋賀県知事が嘉田由紀子氏ではなく、三日月大造氏ですので、今後の成り行きが大いに心配されます。

◆大戸川ダム早期着工を 大津の住民ら、三日月知事に要望書
(京都新聞 2018年02月01日)
www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180201000077

 本体工事が凍結されている国の大戸川ダム事業(大津市)で、地元住民らが31日、県庁で三日月大造知事と面談し、滋賀など淀川水系の4府県知事が2008年に合意した建設「凍結」方針を見直し、本体工事の早期着工を国に促すよう訴える要望書を提出した。

 ダム計画に伴い水没予定地から移転を強いられた住民や、下流域の住民でつくる3団体の代表ら9人が出席。県議会が昨年12月、4府県知事合意の撤回を求める決議を可決したことを受け、本体工事の早期着工を迫ったほか、付け替え県道の早期完成、県がダム建設を見据えて13年度から進める大戸川中下流部の拡幅工事の早期完了を求めた。

 事業開始から丸50年を迎え、大戸川ダム対策協議会の山元和彦会長(73)は「先人の思いは2、3代目に引き継がれている。住民は雨が降る度に不安を感じている。1日も早く本体工事が着工できるよう働きかけてほしい」と訴えた。

 国は16年の事業検証で、大戸川の治水対策はコストや整備効果を含めダムが最も有利と評価し、事業を継続する方針を決めている。

 三日月知事は「4府県知事合意の見直しは重い課題だ。合意から10年が経ち、雨の降り方も変わっている。淀川水系の改修状況や下流への影響などを国や下流府県と確認しながら考えていきたい」と述べるにとどめた。


【2018/02/04 00:23】 | 未分類
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   嶋津 暉之

シラスウナギの歴史的不漁の問題について中央大学の海部健三氏がご自身のホームページに科学的な考察の連載を始められたことを先にお伝えしました。

1月29日に「その1:ニホンウナギ個体群の「減少」」が下記の通り、掲載されましたので、お伝えします。

中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニット
https://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/

2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について

その1:ニホンウナギ個体群の「減少」
 〜基本とすべきは予防原則、重要な視点はアリー効果〜
2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/category/conservationsustainableuse/

次のように連載されることになっています。

「2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について」連載予定

序:「歴史的不漁」をどのように捉えるべきか(1月22日)

1:ニホンウナギ個体群の「減少」 〜重要な考え方は予防原則とアリー効果〜(1月29日)

2:喫緊の課題はシラスウナギ池入れ制限量の見直し(2月5日)

3:生息環境の回復 〜「石倉カゴ」はウナギを救うのか?〜(2月12日)

4:ニホンウナギの保全と持続的利用を進めるための法的根拠(2月19日)

5:より効果的な放流とは(2月26日)

6:新しいシラスウナギ流通(3月5日)

【2018/02/04 00:20】 | 未分類
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       嶋津 暉之

先日、お伝えしたように茨城・栃木両県の那珂川関係の8漁業協同組合が霞ケ浦導水事業の差止めを求めた裁判の1月16日の控訴審で、東京高裁が和解勧告を出しました。
この和解に向けた動きについての記事をお知らせします。

◆霞ケ浦導水 漁協側、協議会設置求める 和解案近く提示
(茨城新聞 2018年1月31日) 
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15173266009585
 
霞ヶ浦導水事業で那珂川と涸沼周辺の生態系が破壊され漁業権が侵害されるとして、流域の4漁協と栃木県の漁連が国に那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めた控訴審の和解協議で、漁協側弁護団は、同事業によって流域の水産貞源に影響が出ないよう、取水口の運用などについて、国側と漁協側が随時意見を交わす協議会の設置を求めていく方針であることが30日、分かった。2月初旬にも捉出する和解案で示すとみられる。

漁協側弁護団によると、和解協議に向けた流れは昨年7月、動き始めた。東京高裁(都築政則裁判長)から「(逆送水は)必要やむを得ざる場合だけにする」などとする案を打診されていた。
これを受け、漁協側弁護団は昨年11月、取水口の運用について、国側と意見交換の場の設置をはじめ、霞ヶ浦から那珂川に水を送る「逆送水」に4漁協や漁連の同意を必要とする取り決めや、ふ化したばかりのアユの吸い込みを防ぐ10月~翌年4月の夜間取水停止などを求めた、たたき台を示した。ただ、この時点では和解協議に向けた進展には至らなかった。

その後話し合いを経て、今月16日に開かれた第8回口頭弁論では、裁判所側が原告、被告双方に和解を勧告した。都築裁判長は「話し合いによる解決が双方の利益になる」などと説明。国側は「和解に応じるかということも含めて

今後検討する」、弁護側は「異存ありません」と応じた。

漁協側弁護団は昨年のたたき台を見直し、2月初旬にも国側、裁判所側に和解案を捉出した上で、2月22日の和解協議に臨む考え。和解協議は3月にも3回開かれる予定だ。

控訴審では、漁協側弁護団はアユのふ化の時期を特定する謳査結果を踏まえ、国側がアユの吸い込み防止策として示した10、11月の夜間取水停止では不十分などと主張。逆送水の影響により、涸沼のシジミにかび臭が移る恐れがあるとも訴えてきた。

一方、国側は「12月に取水制限を行えば足りる」などと反論。かび臭物質は一部が涸沼に流入する可能性があっても、那珂川河口部の海水などで希釈されるとしている。(小野寺晋平)

 


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【2018/02/03 02:25】 | 未分類
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